119/290
孫を照らす光
「良かったね。おじいちゃん」
「そうじゃな、ハープさん。いい人たちに逢えたな」
「うん。学園に通う楽しみができたよ」
陸の学園へ入学を希望して緊張していた孫娘が久しぶりに笑う。
(友人もできたみたいじゃし、喜ばしいことだ)
人魚が背負う宿命が頭をよぎる。
(人魚は人魚だけで暮らす。それはほかの種族との出会いを避けているからじゃ。
出会いから想い生まれ、花が咲き、結ばれる。じゃがつぼみのままで終わることも
あれば、咲いた後に散ることもある。そうなったとき人魚は泡となって消える)
だから人魚には婚約者がいる。その人だけを愛する。
(獣人も虫人も自らに宿る力を扱いそびれれば、一生獣のまま、虫のままとなる)
実際に息子夫婦は、泡と消えた。二人が愛したマヨラナの花を残して。
「おじいちゃん、私もあの人のように、光が似合う魔法使いになるね」
孫娘の明るい声に、今とこれからを考えようと襟を正す。
(あの人って誰じゃろうな……)




