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第1話「役立たずの証明」
地上に戻る道は、やけに静かだった。
さっきまでの喧騒が嘘のように消えている。
いや、違う。
“感じ取れない”。
違和感だけが残る。
背後で轟音。
振り返る。
ダンジョンの奥が崩れていた。
「もう崩れたのか……?」
ありえない。
本来なら数時間は持つはずだ。
俺の《アナライズ》は告げている。
――制御崩壊。
原因は分かっている。
あいつらだ。
「……俺がいなくても大丈夫だと思ってたんだろうな」
笑いが出る。
だが足は止まる。
脳裏に浮かぶのは、さっきの言葉。
『役立たず』
「……証明してやるよ」
誰に向けたものか分からないまま呟き、
俺は再びダンジョンへと足を向けた。
――これは、復讐じゃない。
ただの証明だ。




