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プロローグ
――役立たずは、いらない。
その一言で、すべてが終わった。
地下二十階層。攻略済みのはずのダンジョンで、俺は立ち尽くしていた。
目の前には、ついさっきまで仲間だった連中。
そしてその中心で、リーダーが冷めた目を向けている。
「なあ、お前さ。本気で自分が必要だと思ってんの?」
言葉が出ない。
俺は戦えない。攻撃スキルはゼロ。
持っているのは、戦況を解析するだけの地味な能力――《アナライズ》。
「データ整理くらいなら誰でもできるんだよ」
笑いが起きる。
ああ、そうか。
――そういう扱いだったのか。
「正直、足手まといなんだわ」
その言葉で、すべてが確定した。
俺の居場所は、ここにはない。
背を向ける。
その瞬間、視界の端で“ありえない数値”が弾けた。
――ダンジョン内部異常反応。
「……は?」
増えていく。
指数関数的に。
崩壊が、始まる。




