13話
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「知らないな…」
「そうですか」
道行く人に質問をする人マージは旅の目的に据えている物について聞き込みをしていた。しかし、思った以上に情報が得られずキヌイの町に来てから三日、進展のない失せ物探しにマージは疲れを見せていた
「林檎ないな…」
三日で買っていた麻袋一杯の林檎は食べ切ってしまっており、マージは市場に林檎がないことに落胆していた。かの果物が雲の国と呼ばれる場所にあることが辛うじて分かっているもののその場所を詳しくしる町の者はいなかった。旬でもないため市場には出回らないのが現状である
「あの人達のお店の名前、聞いておけばよかった」
マージはキヌイの町で最初に出会した運び屋とその雇い主の様な2人を思い出していた。件の林檎はそのひとりから購入したものだ。何か手掛かりがないものかと考えていると、何処からか聞き馴染みのある怒声が聞こえてきた
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マージは声の聞こえる先でこの町にいる顔見知りの3人のうちひとりと再開した。その人は食事を受け取っていた
スープと呼ぶには薄い乳白色の汁物、具材は肉や野菜などはなくパンのようなものが浮かべられているものだった
「あれだと倒れちゃうな」
マージは自分の経験から食事の不足を感じると懐から所持金を取り出し、近場の商店に並んでいた串をふたつ買うとその人の元へと駆け出した
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「はい」
「は?」
マージが串を差し出し、差し出された者はその状況に思わず声が漏れた
「美味しいよ?」
「いや、そういうことじゃなくて…」
「じゃあ、はい」
「何が、じゃあだよ!
本数にケチつけたわけじゃないって!」
「いらない?」
「…」
マージの手から串が2本ひったくられる形でなくなった
◆
「下働きって慣れるまで辛いよね」
「馴れ馴れしいな
お前は誰だ。ボクに何の用だ」
マージはふと違和感を感じて押し黙った。確かに何がしたいのか分からず辺りを見回し簡素な屋根つきの仮置場───そこには大人の背丈の二倍はあろうかという高さまで麻袋が積み上げられているのが目に入った
確かに麻袋の中身が欲しいとは思っていたものの串を差し入れにする意味は果たしてあったのだろうか───交渉は運び屋である人にはないだろう。究極的にいえば無駄な出費なのだが
「…林檎を売って欲しいなと思って」
「…」
そうじゃないだろ
それはそれとして悪くするなら欲しいと思いながらマージは向き直った。数日かけて蔵に収めるのだろう麻袋の中身が林檎であることを前提に話を始めた。雨がない時期とはいえ無茶を強いる内容に
アルトラの下で働いていた時もそうだったが潰れた後には潰れたものは等しく仕事の効率が削がれる。慣れていない者であればその差は顕著になることを身をもって知っているため、麻袋の重量が三日前に買ったものと変わらない場合を想定して、マージは小首を傾げていた
「これ、今日も運んでるの?」
「だったらなんだよ」
「ごめんなさい、少し気になって」
マージは立ち上がると何処かへと走りだした




