11話
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「退団手続き完了です
お疲れ様でしたマージさん」
「お世話になりました」
迷宮探索組織『栄光の光』にて、マージは実力不足と知識不足を痛感し、仲間を支援する立場でありながら意識不明の重体に晒したことによる自責の念という表向きの理由を添えた退団を行なった
アルトラ達から受けた仕打ちの数々を飲み下し、自らの成長に必要なこととして好意的に受け取っての退団だった
「本当に攻略報酬は受け取らなくても
宜しいのですか?」
「迷宮からの出土品とそれの換金で
十分貰ってますので
後は神銀の剣に任せます」
「そうですか、これからの貴方の人生に
神からの祝福があらんことを」
「あ…」
「?」
マージは受付嬢からの言葉でハッとすると教会の位置を聞き、大きな背嚢を抱える形でそこに向かった
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「…」
街外れの草地でマージは荷物を下ろし、方位磁石と古びた羊皮紙を持って青空の下を吹き抜けるそよ風を共に遠方を眺めていた
「…よし」
教会に到着したマージを出迎えたのは叱責でも嫌悪でもなく、どよめきと驚愕だった。聖杖の状態を確認して貰い、事の経緯を話したことで不問となった
そこですぐに祭壇の前で祈祷を行うように言われ、マージは言われるがまま祭壇の前まで厳かな雰囲気で通された
祈りを捧げようとしていた前の者まで押し退ける様にして通された祭壇の前、マージはとてもバツが悪そうに両膝を折ると祈りを捧げた
目を閉じた瞼の裏に、揺らめく火を見た様な気がした直後、全身が熱を帯びたのに反射で目を開けようとしたものの開けられず、耐え忍んでいると
誰かに背中を撫でられた。すると目を開けられる様になり、マージが振り返ると、とてもふくよかで落ち着きのある老人がマージの手を取ると微笑みながら短く告げた
「巡礼に向かいなさい」
そう言い件の古い羊皮紙を渡された。探索者もやめ、差し迫ったやることのないマージはそれを快諾し、早朝早々に街を離れ、現在に至るのだった
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「怒ってなかったけど…
巡礼って事は相当なことやらかしたんだな」
贖罪の巡礼というものがある───過去に犯した過ちを心の底から悔い、神に赦しを乞う時に行う各地への訪問である。聖地と呼ばれる神の遺した逸話の地にて、そこで信仰されている神に挨拶を行いそこで赦しを得る儀式のことだ
「きっちりしないとね」
マージは背嚢を背負うと背中に感じる冷たさと〈鋲槌朱雀〉を共に聖地巡礼の旅へと歩き出した
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マージが抜けたことで【スキル】の扱いが非常に難しくなった新生『神銀の剣』はこれよりとてつもない苦難へと苛まれることをマージは知る由もない───等の本人は『アーツ』をまだ貸し出している気でいるのだから




