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第16話 ゲームの進行と、【ヒロイン:ピンク】の接触

 学園祭と後夜祭が終わり、学園は通常モードに戻った。


 残すイベントは秋学期の終わりの期末試験と、卒業式、そしてそのあとの卒業パーティーだけだ。


 ゲームでは卒業式の後に攻略対象から告白されて、告白してくれた攻略対象と一緒に卒業パーティーに出席してエンディングとなるらしい。


「らしい」というのは、前世の友人から聞いた話で、わたし自身は途中までしかプレイしていないので、エンディングを見たことがないからだ。


 ただし、卒業式の告白の前に、秋学期の期末試験で優秀な成績を残して、攻略対象からイメージカラーの贈り物を贈られる必要がある。


 ここまで順調に攻略を進めてきても、期末試験で優秀な成績を残せなければ、ノーマルエンドになってしまう。


 ちなみに「優秀な成績」とは上位10位以内に入ることを指す。


 ヒロインはどうなるのだろう?


 春学期の期末試験でも10位以内にはいなかったし、今回も下位クラスから10位以内に入るのは難しい気がする。


 それに、後夜祭ではヒロインはどの攻略対象のイメージカラーのドレスも着ていなかった。


 このままだとノーマルエンドかバッドエンドになってしまうだろう。


 バッドエンドは友人も見たことがないらしいのでわからないけれど、ノーマルエンドは良き先輩後輩として卒業生を見送って終了とのことだ。


 日常系の学園もののゲームなので、攻略対象と結ばれなくてもなにかペナルティーのようなものがあるわけではない。


 だから特に問題はないのだけれど……。


 ……だめだ、気が散って全然勉強が捗らない。


 今日はもう帰ろうと広げていた教科書を閉じて図書室の席を立とうとした時だった。


 わたしの正面の席に誰かが座った。


 不思議に思って顔を上げると、そこにいたのはなんとヒロインだった。


 生徒会活動が終わった後の、閉校まで1時間程度しか残っていない遅い時間だ。


 図書室は閑散としていて、席はいくらでも空いている。


 なぜわざわざわたしの正面に座ったのか。


 嫌な予感がして胸の鼓動がどくどくと早鐘を打つ。


 ヒロインはうっすら笑みを浮かべていて、それがなんだか薄気味悪く思えた。


「えっと、あの……?」

「フルウム子爵令嬢ですよね?」

「……はい」


 やっぱりヒロインはわたしのことを認識していたらしい。


「わたし、ローザ・ロセウスです。……って、きっと知っていますよね」

「…………」


 わたしはなんて答えたら良いのかわからなかった。


 わたしが彼女を知っているのはゲームの知識があるからだ。


 けれども現実では接点がないので、知る由もない。


 それなのに、なぜヒロインは自分の名前をわたしが知っていると思ったのだろう?


 わたしが逡巡している間に、ヒロインはさらなる爆弾を投下した。


「ちょっとお話ししませんか? 『colorful world』について」

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