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またねを選ぶ
きっともう二度と会えない人だから 別れ際にはまたねを選ぶ
窓を開け 光に溶けた春風がひとりの身体を吹き抜けていく
いつか来る一番最後のさよならは君にあげようこれが愛なら
長城の端から歩き真ん中で演出されたさよならをせよ
青ざめて色失いゆく風船を眩しさに目を細め見送る
とりとめのない話するあの人の語られぬままにおいた悲しみ
遠くまで歩いていくと決めたのだ ただの一度も振り返らずに
どちらかが最後の一人になるのなら僕がしんがり引き受けるから
触れたなら戸惑うほどの柔らかさ 雨に打たれる水晶の花
図書館でシンドバッドになった夢 捨てられないまま大人になった




