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春を抱く君
春風の吹きすぎていく花枝にもう少しだけ踏ん張ってみる
青春と呼ばわる年をかえりみて拾いそこねし初恋を知る
蝶々の影がひらりと散り落ちた花の骸を蘇らせる
よく晴れて心地よい風の吹く庭で君が歌って私は踊る
コンクリに埋まった塩ビ管で咲く たんぽぽ そうだ 春が来ていた
花が咲き 咲いた数だけ散るのなら その最後まで愛していたい
偽物の花をください 永遠に枯れない愛を証してほしい
何もない花瓶にかつていけられた花の香りの幽霊がいて
ありのまま枯れゆく花のある場所に自己満足の涙を流す
春の野にひっくり返る夢を見る たんぽぽ綿毛スカートのすそ




