時に残されし者ども
女王はネイを抱きしめた。報告など後でいい。少女が無事に帰ってきた。それだけで今はいい。
美しい肢体に包まれ、懐かしい香りに瞳を閉じた。
ネイはゆっくりと打つ心音を聞いていた。その音に、とても愛おしく、しかし身を切る悲しみを思い出す。
どうしたの?彼女の心の色を愛する女王は聞いた。
少女は女王の記憶の中の美しい色をした少年を思い出す。少女が想う少年への愛は彼女の中に残り、今も彼女を揺らす。
女王は少女が自身以外への愛を向ける色に気付き、驚き体を離し、それ以上の興味を以って少女の目を見た。
誰なの?アイシャは聞く。しかしネイは俯き答える。
「分かりません。」
同行させた一人一人の名を挙げ、最後にイサイの名を出す。全員に対して違うと少女は答えたが、イサイの名に少女の心の色がとても深く色付いた。愛の色は美しく、女王はその色を好んだ。少女が持つ鮮明な色彩に、淡く奥を見通せない水靄が漂う。
あの少年に、複雑に思いながらも、構わないのよ、アイシャはネイの髪を撫でながら優しく伝えた。
しかしネイは首を振る。
「これは私のものではないんです。ある少女の、彼への心です。」
「記憶に触ったの?」
アイシャは更に興味を唆られ少女に問う。どのような記憶を持ち、あのネイにこのような切ない色を植えたのだろう。感じた通り、とても興味を持てる少年だった。
しかし少女の口からは意外な言葉が出た。
「彼は、死者の意思を・・・魂を呼ぶことができます。」
「魂?」
アイシャは分からずに問いを再度返す。
「彼も、人外です。」
長々となりましたが、最後まで本作をお読み頂いた皆様、本当にありがとうございます。
結局一行が40字の小説に換算すると約340ページ分の内容になってしまいました。元の内容だとこれが240ページ程だったので、4割程を付け足したことになります。逆に言うと4割を削減していたんですね。
元の作品を某賞様に投稿するに際して、改行しなくてもいいところは極限まで改行せず、短い言い回しを考えに考え、削除しても話が繋がるところはとことん削除して・・・という作業を一生懸命にやっていたことを思い出します。
本作の本来の内容についてもう少し触れますと、特に前半から中盤にはもっと色々な小話がありました。しかしそれだと話がだらだらとし過ぎてただでさえ長いのにもっと長くなってしまいますので、今回新しく書き直すに際しましても削除したままに致しました。
当たり前の話ですが、書いてる自分自身は楽しくともだらだらとされては読み手には苦痛でしかありません。
しかしそれでも書きたいことの9割は書けたんだろうと思います。とは言え書き終えたばかりというのはもしかしたら誰でもそう思うのかもしれませんが、書ききった、そう思ってしまいます。
頭の中にあった妄想は自分なりに上手くアウトプットできたと感じてはいるのですが、仮に今後ここはこうだった・・・そう思うことがあったとしても、本作が読み手にとって面白いと思われないのであればもうこの話は終わりにしようと思っております。
本来であればもっと続きがあって、恐らく少なくとも本作がもう二つ積み重なるくらいの長さの内容になるんだと思います。キリのいいところがあの場面でした。
恥ずかしい話ですが、この妄想は長く私を楽しませ、支えてくれた妄想でもあり、最近では足を引っ張る妄想でした。それでもやはりこの妄想を愛しているんだと思います。これからはうまく折り合いをつけながらやっていこうと思っております。
今後は他にも短編など投稿するつもりでおりますので、もしよろしければこれからもお付き合い頂ければ幸いに思っております。
本作をお読みいただいた方にご感想等々を頂ければ今後の参考になりますので、もしよろしければご気軽にお寄せください。
最後にもう一度、ここまでお読み頂き誠にありがとうございました。
それではまた。




