第7話 紅蘭とお約束
放課後みんなが帰る支度をし、次々に教室から出て行った
特に誰からも声をかけてこない
(俺もぼっちになったなあ)
紅蘭からメッセージの通知が来ていた
『至急、屋上集合』
とのことだ
すげぇーやり手の上司感あるけど本当の上司ってもうちょい余裕ある報告してくるんだろうな
早く働きたいから大学行くつもりないけど、特に尖った得意分野を持ち合わせてないから、早く得意なこと、好きなことを見つけないとな
などと渉は思考を巡らせながら3階、4階と行き、最上階にたどり着こうとしていた
もちろんこの学校は屋上に鍵がかかっていて中に入ることはできそうにない
(創作物とかなら開いてそうやけどな)
下から階段を上る音が聞こえて来た
紅蘭だろう
気づかないように空気を読み、スマホを操作しながら、階段を下りて違う場所に行こうとしたが、それが仇となり普通に鉢合わせとなってしまった
「空気を読んで下に行こうとしたが、結構早くて鉢合わせになっちまったな」
「遅くなったわね。...」
(ん?テンション低くねぇーか?)
「じゃあ屋上開けるから……そこ以外に話せそうなところがないのよ」
「ああ...わかった」
紅蘭は屋上の扉の鍵を開け、やがて開かれる
紅蘭に続き渉が入り、扉をいきよいよく紅蘭が閉めた
「さあ、自白してもらいましょうか...」
「な、何を?飛び降りればいいのか?」
「あんたね!色んな人をやり捨てて!」
「待て待て待て!まだ下校時間だし、今日は普通に部活あんだろ。声張りすぎやて...落ち着いて話してくれるか?」
「自覚は無いのね」
「本当に何があったんだ?」
「被害者がいるのよ...」
(もしかしてだけどメッセージ送ってたのって怒りのやつだったのか...?)
「挙げるとするのであれば?」
「河原木、河原木珠奈」
「連絡先を手に入れたのも珠奈ってことか?」
「そうよ」
「あいつに惑わされるな。だから今日接触しに来たんだな...」
タイミングよく、屋上の扉は開かれる
「好きぴにはやっぱりGPSをつけないとねぇー。あらあ紅蘭さん信じ込んで本当に屋上で話し合うとは!」
珠奈だ
やはり手の組まれた計画だ
「...時に人を疑った方がいい。」
「なん……で?」
「珠奈はそういう奴だ。手段を選ばない。俺が浮気野郎って噂が広まったのもこいつだと俺は踏んでる。」
「嫌だなぁ。そんなことしてないよぉ」
「珠奈、本気でお前を突き落とす覚悟ができたかもしれねぇ」
「私は悔しかったの!また女と楽しく話してる渉が醜くて!」
「さすがにやっていい事と悪い事があるだろ。人を騙してんだぞ渉「紅蘭さんが私に渉の連絡先聞いてきたらもう緊張で何喋ったのか忘れてたのよ!」
「それでこのような結果になったのか?」
紅蘭が小さく頷いた
「渉もいい加減気づきなさいよ!」
「いや!ちょっと待て!珠奈と朝喋った時以来もう誰とも話してないんだぞ?そんな噂話耳にすることねぇーさ」
「噂にもなってない。ただこれは珠奈さんが私を落ち込ませるためにやった事ってことでいい?」
珠奈が一礼をしながら「すみません」と謝った
「まあ、この学校1番可愛いと言われてる紅蘭から連絡来たら誰でも腰が抜けるか」
「……珠奈さん、少しこいつと話があるので今日はここで……」
「わかりました。では、さよなら」
といい珠奈は屋上から出て行った
「?」
「ねぇ、渉。私に言ってくれた初恋相手のことはっきり聞かせてくれない?本当にそれでいじめられてたの?」
「ああ。俺を下に見る年上のお姉さん的キャラだった。誰も敵わねぇだろって思わせる魅力に溢れた女子だった。勉強も運動もできるまさに完璧な人だ」
「それで?」
「俺に話しかけてきた。」
「……何か狙いがあったのかしら?」
「その時は全員と話したいと語ってたし、それでだと思う。一緒にいた女がやばかったんじゃねぇかな」
「その人が渉にわざわざ仕掛けたの?」
「それ以外考えられない。その人とのデートはとにかく人目を気にしていた。目的地に着きそうな時に急に位置を変えたりと...」
「そいつらが見張っていた可能性がある?」
「まさに学校1番可愛い女子だからな。生活を一望するやつだって現れるだろ」
「それは男女問わず?」
「そうだろうな。恨むやつなんてそもそも出ないと思うぞ。」
「全然話が見えてこない。つまり悪いのは渉じゃないの?」
「俺は悪くねぇーわ!そいつとそいつらの連中が悪かった。それだけの話だ。引っ張ってる俺がもう悲しくなって来た。」
「これ以上話す事ねぇーさ。逆にそっちはなんかあんのか?」
「言ってもらったのに申し訳ないけど渉にはまだ言えないわ。まだ信用出来ない。だから私と1週間付き合って。その事を隠しきったら教えてあげるよ」
「結局俺が一方的に残念なやつだな。(マイナスなことしか起きねぇーな)てか、普通に付き合うのか?」
「うん。形だけね。まあ、その分見返りを用意する」
「金入らないぞ」
「あんたに渡す金なんてないわ。じゃあ1週間後、ここでまた会いましょう」
「な、なあ。どうやって屋上の鍵手に入れたんだ?」
「多分だけど珠奈さんが……」
「OK。わかった」
「じゃあ改めて、1週間後!」




