78話 ゲーム制作セミナー2
セミナー会場に戻ると既に半分くらいの人が戻っていた。
佳代子はトイレに行っていたため祐樹の周りには誰もいなかった。
祐樹が席に座りテキストを見ていると、誰かの気配を感じた。
祐樹が顔を上げると講師の水柿さんが目の前にいた。
「相沢君だよね」
「はい!」
「お父さんもしかして、相沢聡さん?」
「はい、そうです。」
「そっか、相沢さんには若い頃からいろいろ助けてもらったんだぁ」
「そうなんですね。」
「会社から相沢さんの息子さんがセミナーに来るって聞いてから、どんな人なんだろう?って思ったら高校生だったんだね。」
「はい」
「朝の質問の内容から思ったんだけど、もしかしてかなりプログラミングとか詳しいんじゃない?」
「プログラミング言語は一通りわかります。」
「おー凄いね。さすが相沢さんの息子さんだね」
「ありがとうございます。」
「将来はゲーム制作関係に進むのかい?」
「ゲームをするかどうかはわかりませんが、IT関係の仕事はしたいと思っています。」
「そうなんだね」
「君なら将来有望だと思うよ!」
「いやぁまだわかりませんから。」
「僕が保証する!」
「ありがとうございます。」
「じゃあ昼からも頑張って!」
「午後からもよろしくお願いします。」
講師の水柿さんが演台に戻ったころ、島田佳代子が戻って来た。
「祐樹君って、水柿さんと知り合い?」
「あっ、お父さんと知り合いみたいだったって聞いて!自分も知らなかったんだけど」
「そうなんだぁ」
「お父さんってどこの会社なの?」
「えーっと!確か栗原ソリューションITビジネスカンパニーだったと思います。」
「えっ!めっちゃ大手の会社じゃん。」
「まぁ確かに大きいかも・・・」
「そこで何をされてるの?」
「わからないけど、どこかの事業室長とか言ってたかな?」
「マジで?凄い・・・。」
「まぁ家では普通の親父だけどね」
「そうなんだね」
佳代子は席に座って前を向いた。
しばらくすると午後の部が始まった。
前半は午前の復習と言う感じで説明があった。
ゲーム制作に必要なのは、初めにゲーム全体の企画と構成、その後進行方法など事前に決めることが必要!
それらが実例を使用しながら説明があった。
休憩を挟んで14時からはゲーム制作ソフトを使用して実習を行うステージになった。
「では、これから実際のゲーム制作ソフトを使用して、簡単なゲームを作っていきます。」
「みなさんには、テキストに書かれている内容でグループに別れて実習していきます。」
「今回使用するソフトは、ゲームデザイナーと言うもので、初心者にはスタンダード版が良いかと思います。」
「より高度なゲームを制作したい人はプロ版もあるので、一度確認してください。」
「今回はスタンダード版を使用しますね。」
祐樹達もグループに別れてそれぞれ協力しゲームを作った。
16時15分になると、各グループで制作したゲームの紹介を行った。
祐樹のチームの紹介になり、祐樹が代表で説明した。
説明が終わると
「おー凄いね。この短時間でここまで制作できたのは今まで初めてかも知れないよ」
講師の水柿がほめた。
グループのメンバーから「相沢さんがほとんど制作しましたぁ。」
セミナーのみんなが相沢を見る。
「さすが相沢君、プログラミング言語をマスターしてるだけあって、凄いね」
周りから「えー凄い、プログラミングマスターしてるの?」「マジで?」
佳代子も「さすが祐樹君!」
「相沢君ならプロ版も行けるかもね」と水柿さんが拍手でほめた。
「ありがとうございます。」
「では各チームの紹介が終わったとことで、今日のプログラムは終了します。各自席にあるアンケートに記入して、終わった方から退席してください。」
「本日はありがとうございました。」
みんなから「ありがとうございました」と返しがあった。
祐樹がアンケートの記入を終えて、かばんにテキストを入れいると、佳代子が声を掛けて来た。
「祐樹君、駅まで一緒に行く?」
「すみません。俺行くところがあるので。」
「そうなんだね。じゃあまたLINEに連絡するね」
「はい、本日はお疲れさまでした。」
「お疲れさまでした。」
佳代子が1人で会場から出て行った。
遅れて祐樹も会場のビルから出ると、行きつけのパソコンショップに向かった。
10分くらい歩いてパソコンショップに到着した。
「こんにちは」
「おー、相沢君、久しぶりだねぇ」
「ご無沙汰しています。」
「2ヵ月振りくらいじゃない?」
「そうですかね。3カ月ぐらいじゃないですか?最近受験勉強で!」
「そっか受験だもんね」
「はい」
「今日は何を買いに来たの?」
「あっそうだ!」
祐樹がかばんからパンフレットを出した。
「えっと!これのプロ版ってあります?」
「ゲームデザイナーだね、あるけどプロ版で良いの?」
「スタンダード版なら2万程度だけど、プロ版となると10万円くらいするよ!」
「大丈夫です。」
「まー相沢君ならプロ版でも問題ないと思うけど・・・。ちょっと待っててね」
桜井さんがレジ奥の部屋に探しに行った。
「はい、これね」
「ありがとうございます。」
「11万8千円だけど11万円にしとくね」
「いつもありがとうございます。カードでも大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ」
「ではカードでお願いします。」
祐樹がクレジットカードを取り出し、支払いを済ませた。
「そうだ、相沢君」
「はい!」
「前に観に行った新人アイドルのライブ覚えてる?」
「はい!」
「そこに出てたHIKARIって子いたじゃん。その子デビューしてめっちゃ有名になったの知ってる?」
「星の事だ!」心で叫んだ。
「はい、知ってます。」
「その子が来週の土曜日に、この先のウイングプラザで初めてのファンイベントをするんだぁ。」
「行くならチケットあるよ。この辺のショップに優先券をもらってるから」
「行きたいです!頂いて良いですか?」
「本当なら5千円で販売なんだけど、相沢君はこの前一緒に行ってくれたから無償にしておくね。」
「ありがとうございます。」
祐樹はチケットを受け取った。
「後ろの方の席なんだけどね」
「大丈夫です。」
「ありがとうございます。ではまた来ますね。」
「毎度ありがとうございました。」
祐樹がショップから出て駅に向かった。
「星のファンイベント」
「星の顔が生で見られる。」
「祐樹はウキウキが止まらなくなった。」
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