73話 祐樹の企画構想
次の日の昼休み、祐樹は学校の図書館に来ていた。
「祐樹!居た居た!」
「おー幸一」
「昼飯居なかったからどこ行ったのかと思ったよ!昼休みも勉強か?」
「いや、勉強ではないな!」
「じゃあ何してるんだ?」
「ちょっと本を探してるんだよ」
「何の本探してるんや」
「ちょっとプログラミングの本な」
「プログラミングってパソコンとかの?」
「そう」
「パソコン詳しいって噂になってたけど、プログラムとかもできるのか?」
「まーあ簡単なものならな」
「祐樹、やっぱり凄いな!」
「そんなことないよ!」
幸一は辺りを見回した。
「でもそんな専門的な本、うちの学校にあるのか?」
「探してるんやけど、やっぱり無いかな?」
「市の図書館に行かないと専門的な本はないやろ、うち普通科やし」
「確かにしそやな」
「何を企んでるのかな?」
「将来のことを考えてプログラミングの勉強をしようと思ってな!」
「急に?」
「大学の勉強もしなあかんし、そんなん急に思いつかないやろ?」
「急じゃないけど、前から思ってたことやけどな。前に起業の話したやろ?その関係」
「そうなんやな」
「頭良い人の考えはわからんわ。ホンマに!」
「帰りに市の図書館に行ってみるわ!」
「その方が良いな」
「幸一、ありがとうな!」
2人は図書館から出て教室に向かった。
夕方、祐樹は市の図書館に来ていた。
「あった、あった」
「コンピューターゲーム制作の基本、ゲームプログラミング・・・。いっぱいある」
「とりあえず、5冊ほど借りて帰ろうかな?」
「えっと!これと、これと」
祐樹が本を見ていると、1人の女性が近づいてきた。
「祐樹?」
祐樹が振り向く
「やっぱり祐樹だ!」
「由紀!」
いたのは元カノの村口由紀だった。
「祐樹、久しぶりだね。勉強の本借りに?」
「ちょっと違うけど、パソコン関係の本を借りに! 由紀は勉強の本?」
「そう」
「本当に久しぶり、去年の体育祭の準備以来だね、まともに話すの」
「そうだね、元気だった?」
「うん、元気にしてるよ!祐樹は?」
「元気だよ」
「良かった」
「由紀はどこの大学行く予定なの?」
「私?私は一応京大目指そうかと思って!」
「京大?すごー。やっぱり由紀は頭良いんやな」
「祐樹も本気になれば東大でもいけるでしょう?」
「さすがに東大は無理だよ」
「それならどこ行くの?」
「俺は慶応」
「そうなんだね」
「それなら卒業したら離れ離れになるね」
「京都ならかなり遠いな」
「そうだね」
「当然向こうで一人暮らしだよね」
「まだ考えてないかな?寮もあるみたいだし」
「そうなんだ」
「でも一人暮らしなら大変だね」
「そうなんだよね。私一人暮らしってしたことないし、ずっと親に面倒みてもらってたから」
「由紀は美人だから、男が心配やな?」
由紀がじーっと祐樹を見つめた。
「じゃあ祐樹も京大目指して私について来てよ!」
「えっ?」
「冗談、冗談」
「もうびっくりするじゃん」
「私、モテないから大丈夫だよ!」
「祐樹は今彼女いるの?・・・あっ根元さんと付き合ってたんだった。今でも?」
「いや、もうしばらく会ってない。多分今はフリーかな?」
「そうなんだね。私もフリーだよ!」
「由紀に今、彼氏いたら、何のために別れたか分からなくなるじゃん」
「確かにそうね。塾で忙しいから別れたのにね」
「そう」
「そうそう!根元さんって何かアイドルになったとか噂があったよね」
「えっ!HIKARIさん?」
「そう」
「あれは星じゃないでしょう?」
「まーそうだよね」
「また時間があるときにお茶でもしない?離れ離れになる前に」
「うん、良いよ」
「良かった!」
「じゃぁ。またね。バイバイ」
「バイバイ」
由紀が図書館のカウンターに向かって歩いて行った。
「京大かぁ?ホンマに凄いなぁ」
「俺も負けてられないな!」
その後もプログラミングの本を確認し、5冊を持ってカウンターに向かった。
「お願いします。」
「貸し出しの基本は1週間になりますがよろしいですか?」
「1ヵ月くらい借りれないでしょうか?」
「大丈夫ですけど、その場合はこちらに理由と住所、電話番号を記入頂けますか?」
「わかりました」
祐樹はタブレットの画面に従って内容を打ち込んだ。
「では一カ月後に返却をお願いします。もし返却がない場合は買い取りの請求をさせて頂きます。」
「わかりました。」
「ではどうぞ!」
「ありがとうございました。」
祐樹は図書館から出て自転車で自宅に戻った。
その日の夜、祐樹は企画書をパワーポイントで制作してた。
内容は、アイドルを主人公にしたテレビゲーム、「アイドルを捕まえろ?」と言う内容のゲームであった。
アイドルが街中でいろいろイベントを行う中で、ゲームを行うファンがそれを探し当てて捕まえると言う内容のものである。
そのアイドルの名前は「HIKARI」と書かれていた。
ゲームの制作期間、約半年
半年後、このゲームをゼネレーションライブで公開して、売り出すと言う内容であった。
売上金の1/3がユピネス。2/3がHIKARIの事務所もしくはHIKARI本人と言う内容である。
それらをプレゼン形式でパワーポイントに綺麗にまとめた。
それを作成している時に昨年の体育祭で作った企画を思い出した。
「あの時も一生懸命作ってたな!1年前かぁ」
その後も作業を続け、夜中に完成した。
「もう2時だ!寝よ!」
祐樹はパソコンをシャットダウンした。
次の日、祐樹はHIKARIのメールアドレスとスターライン・プロダクション宛のメールアドレスにこの企画書と会議案内を送信した。
その時間、とスターライン・プロダクションの事務所では
美香がパソコンのメールに気づき、社長を呼び出した。
「社長!ユピネスさんから会議案内が来ました。」
「そっか!」
「それと企画書が添付されています。」
「企画書?」
社長が慌てて、美香のパソコンを覗き込んだ。
お世話になっています。
ユピネスです。
先日の打ち合わせの会議案内と接続先を送信させて頂きます。
また、HIKARIさんをもっと有名になれる様な企画を提案させて頂きます。
ただ、制作に半年程度時間を頂きたいと思っています。
ゼネレーションLIVEで私が公開すれば、ある程度の収益は得られると思います。
明日、この内容を説明させて頂きます。
社長は企画書の内容を確認した。
「売上金の2/3を事務所に?」
「ユピネスは儲ける気が無いのでしょうか?」
「そうかも知れないね」
「それほどHIKARIのことを一番に考えてるのか?」
「とりあえず明日内容の説明を聞くか?」
「そうですね」
そのころ星の携帯にも同じ内容のメールだ届いていた。
「企画書?」
「なんだろう?」
星の携帯ではパワーポイントが見られないので、メールをパソコンに転送し、自分のパソコンで確認した。
「ゲーム?」
「私が主人公の?」
「どういう事?」
星はその内容が全く信じられないものだった。
「私のために、なんでそこまで・・・」
星はユピネスの存在がかなり大きく感じられるようになっていた。
読んで頂き、ありがとうございます。
祐樹が星のために動き出しましたね。
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