70話 さやかと女子会
テレビ局を出た2人は20分ほどでホテルに到着した。
「星ちゃん、駐車場に車を停めてくるからホテルのロビーで待っててくれる?」
「はい」
そう言うと星は車を降り、ホテルに入って行った。
しばらくするとさやかも入って来た。
「おまたせ!チェックインしてくるから少し待ってて!荷物ここに置いていくからね」
そう言うとさやかはフロントの方に歩いて行った。
数分後、カードキーをもって戻って来た。
「805号室、8階ね!」
「エレベータはこっちね」
2人はエレベータに乗り、8階の部屋に着いた。
「ふー!やっとホテルに着きましたね。」
「2部屋取らなくて良かったの?」
「大丈夫です。お金も掛かりますし、こうしてさやかさんとお話しも出来るから」
「そうなの?朝に言ったけど、星ちゃんはうちの看板スターなんだから、お金の心配もしなくて大丈夫なんですよ。」
「そんなことないです。みなさんあっての私ですからね」
「でもさやかさんが一緒の部屋じゃ嫌ならもう一部屋取っても良いのですよ。」
「私も星ちゃんと一緒に居られるなら良いかな?」
「ありがとうございます。」
「では、美味しいもの食べにいきましょう!」
「ここから10分くらい歩いたところにある焼肉屋さんの個室を予約してるからね」
「やったー!焼肉いっぱい食べるぞー!」
「その前に!」
「ここは都内だからしっかり変装して下さいね。」
「はーい!」
星は自分のかばんから深めの帽子と、メガネ、マスクを取り出し、それらを着けた。
「帽子に黒ぶちのメガネ、マスクでどうですか?HIKARIってわかります?」
「多分大丈夫ね」
「良かった。しっかり準備してきましたよ」
「えらいえらい!」
「ではでは、行きますか?」
「はい!」
ホテルの部屋から出た2人はエレベータに乗り1階に降りた。
「多分こっちの裏口からの方が近いと思う」そう言うとフロントと逆の方向に歩いて行く。
扉から出ると、人通りの少ない裏通りに出た。
さやかが携帯のマップを確認する。
「こっちだね」
「こんなに人が少ないんじゃ変装しなくても良かったかな?」
「いやいや、今や星ちゃんは有名人だからもしバレたら大変なことになるよ」
「はーい」
しばらく歩くと、食べ物屋さんが並んでる通りに出た。
「ここの2階だよ」
2人は階段を登って2階の入り口を開ける。
「いらっしゃいませー!何名様ですか?」
「予約しています。新道です。」
「新道さん!お待ちしておりました。」
「こちらへ」
店員が店の奥にある個室に案内をした。
「この部屋になります。」
「ありがとうございます。」
中に入ると2人向かい合って座った。
「注文決まりましたら、こちらのボタンでお知らせください!」
「はい!わかりました。」
店員が個室の扉を閉めた。
「良い雰囲気のお店ですね」
「個室があるのが良いね」
「そうですね」
「メニューはこれですね」
星がメニューを広げてさやかに渡しす。
「何にしますぅ?」
「コース頼みましょうか?」
「そうですね。」
「このお任せコースの松ってどう?嫌いなものとか大丈夫?」
「全然大丈夫です。」
「それならこれにしましょう!」
「飲み物は?」
2人はメニューのドリンクのページを開く。
「私、烏龍茶で!さやかさんはお酒飲んでくださいね。」
「それなら1杯だけもらおうかな?」
「私には気を使わないで飲んでくださいね。」
「ありがとう!でも私、マネージャー失格だね」
「どうして?」
「自分の担当のアーティストが未成年なのにお酒飲んじゃって!」
「私が勧めてるから大丈夫です。」
「ボタン押しますね」
「うん」
個室の扉をノックする音が聞こえ「失礼します」と店員が声を掛けた。。
「はい!」
扉が開いて、店員が「ご注文でしょうか?」と尋ねて来た。
「はい」
「えっと!」
「お任せコースの松を二つと、烏龍茶と生ビール1つづで!」
店員がタブレットに内容を入力した。
「お任せコースの松が二つと、烏龍茶と生ビールですね。」
「少々お待ちください」
そう言うと店員が鉄板に火を着けて、個室の扉を閉めた。
「もう変装外して大丈夫かな?」
「そうだね」
星は帽子とメガネ、マスクを外す。
「そうそう!以前ステージで変装してたって言ってたでしょう?どんな格好だったの?」
「えーっと!茶系のロングで化粧も濃い目にしてました。」
「そうなんだぁ。じゃあその時から知ってるファンは驚いたでしょうね?」
「それを言うならうちの社長ですね。」
「社長に初めて会ったのが、その姿の時だったから」
「そうだったね」
そんな話をしていると扉をノックする音が聞こえた。
星は直ぐにメガネを掛けた。
「失礼します。こちらがコースのお肉と前菜です。」そう言うと店員がテーブルにお肉と前菜、野菜を置いた。
「ビールは?」
「こちらです。」さやかがビールを受け取る。
「烏龍茶です。」あかりも烏龍茶を受け取った。
「以上でよろしいでしょうか?」
「はい。大丈夫です。」
店員が扉を閉める。
「さーいっぱい食べましょう!」
さやかがお肉を網の上に大量に並べた。
「さやかさん豪快!」
「そうね、いつもこんな感じ」
「でも美味しそう!」
「直ぐに焼けるからいっぱい食べてね」
「はい」
しばらくお肉の焼く音と、たわいもない会話が続いた。
60分くらい経つと「ふーお腹膨れましたね」と星が言った。
「結構ボリュウミーだったよね」
「そうですね」
「残っちゃったね」
「仕方ないか?」
「もー無理です。」
「じゃ行きますか?」
「はい」
星は再び変装して個室を出た。
支払いを済ませたさやかが戻ってくると2人はホテルまで移動した。
ホテルの裏口から入ると、星が案内図を指差して
「さっき見てたんですけど、このホテルに家族風呂があるみたいですよ!一緒に入りませんか?」
「私は良いけど、星ちゃんは良いの?」
「一緒に入りたいです。」
「えっと、受付はフロントまでって書いてるね。」
「じゃー決まり!フロントで家族風呂予約しましょう!」
「そうだね。じゃあ私が予約してきますね」
「ありがとうございます。」
そう言うとさやかがフロントまで向かった。
しばらくすると戻って来て、「30分後に一番大きなお風呂を予約できました。」
「30分後ですね」
「では一旦部屋に戻りますか?」
「そうだね」
「さやかさんとのお風呂楽しみ!」
「何か恥ずかしいなぁ」
「そうですか?」
一旦部屋に戻った2人は、着替えなどのお風呂の準備を終えて、部屋を出た。
「お風呂は10階ですね」
2人はエレベータに乗り10階のフロアーに降りた。
「えっと!さくらって言う部屋だから、こっちね」
さやかが鍵を開けて2人が中に入る。
「えっ!本当に広い!10人くらいは入れる感じですね。」
「ほんとだぁ」
「岩風呂ですね」
「箱根から温泉を持ってきてるって書いてますね。」
「それなら本当の温泉なんだぁ」
「すごーい」
早速2人は服を脱ぎ始める。
「さやかさんのおっぱい大きいと思ってたけど本当に大きい!形も綺麗。おっぱいの大きい人って乳輪も大きい人多いのに、さやかさんは小っちゃくてかわいい」
「ちょっと触っても良いですか?」と星がさやかの胸に手を差し伸べる。
「きゃー、びっくりした。」
「凄く柔らかい」
「もう!星ちゃんたらぁ」
「私のは小さくて反対に恥ずかしい。」
「そんなことないよ!」
「きゃー、さやかさん」
「さっきの仕返し」
「もう!」
「入りましょう!」
2人は洗い場で体を洗ったあと湯舟に漬かった。
「本当に気持ちいい!」
「そうだ!美香さんから聞いたんだけど、星ちゃんの待ち受けの人、前に付き合ってた彼氏さんだったんだね」
「そうなんです。」
「どんな人だったの?」
「パソコンに詳しくて、優しくて・・・」
「彼、私の初めてのステージ見に来てたんです。」
「そうなんだぁ」
「じゃあ星ちゃんがHIKARIって知ってるの?」
「多分今はもう知っちゃったかも知れないけど、付き合ってた時は知らなかっと思います。例の変装で」
「でもHIKARIのファンですごく好きって知ってたから反対に言えなくて」
「そうだったんだぁ。どうして別れたの?」
「お父さんの病気の関係で、群馬に行った後、私の方が精神的にまいっちゃって全然連絡できなくなって、それからお互い距離ができて、今って感じ」
「そっかぁ。でも今でも好きなんでしょう?」
「はい、大好きです。」
「でも私からはもう連絡できない・・・」
「そっかぁじゃあまたどこかで出会えると良いね。ライブとか来たりして」
「それはそれで恥ずかしいけど、でも見に来てもらえるならその方が良いかな?私のこと忘れてないって思えるから」
「いろいろ悩んでるんだぁ。まだ高校生だもんね」
「そう言うさやかさんはどうなんですか?」
「うーん。一度付き合ったことあるけど、仕事で時間が合わなくて別れちゃった。」
「アイドルのマネージャーって休みが不定期だし、忙しいから仕方ないんだけどね」
「ごめんなさい。私のせいだったの?」
「いやいや、前の事務所の時だから星ちゃんは関係ないよ。今の事務所なら人間的な生活が送れるから続いてたかも知れないね」
「何せ前の事務所は休みがなかったから・・・」
「そうなんですね。うちの社長、そう言うところが凄味ですね。」
「そうそう、儲けより社員、アーティストのことを一番に考えてるからね。私もここにきて本当に良かったって思ってるの、そして星ちゃんのマネージャーにもなれたし」
「そう言ってもらえると嬉しい」
さやかが星の方を向いて、笑顔になった。
「何ですか?」
「さっきの彼氏さんとは・・その・・しちゃったの?」
「もう!さやかさん。。」
「はは、冗談、冗談!」
「しましたけどね」
「星ちゃんも素直すぎ!そう言う娘にはお仕置き!」
「きゃー」
その後時間までふざけ合ってた2人であった。




