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ゲーム配信者とアイドルの恋  作者: りんぴろ
第3章 それぞれの道と変わらぬ想い
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68話 ラジオ生放送

6月の初めの土曜日、この日は朝からマネージャーの新道さやかが星の家に来ていた。

デビュー以来、何回か朝早くから仕事がある場合は、星を迎えに家まで来ていた。

この日も早くから移動が必要なためそうしていた。


「さやかさん、朝早くからご苦労様です。安いお茶ですけど飲んでくださいね。それともコーヒーの方が良い?」

「お母さん、ありがとうございます。気を使わなくてよろしいのに」

「いつも星がお世話になってるから・・」


「星ちゃんは本当に頑張っていますからねぇ」

「そう言ってもらえるとありがたいわぁ」

「さやかさん、お待たせしました。」


そう言うと星が部屋から出てきた。


「今日は午後から新曲のレコーディングの打ち合わせと、夕方からはラジオの生放送になります。」

「夜もテレビのインタビューありますから今日は都内で泊まりますね」

「明日は朝からPV撮影があるので、この土日は忙しいよ」


「はい、平日は学校があるから土日にお仕事頑張らないといけないからね。わかってるから大丈夫です。」

「では、これから私の車で都内まで行きますね」

「はい、わかりました」


「じゃあ、お母さん、行ってきまーす。」

「気を付けてね。頑張ってね」

「ありがとう」


そう言うと星は手を振りながら家の玄関を出た。


星は家の前に停まっている車を見て。


「あれ?車変わっていないですか?」

「あー!今日はちょっと遠出するから会社から借りてきました。」

「そうなんですね」

「さー乗って!」


そう言うとさやかは後ろのドアを開けた。


「ありがとうございます。」


そう言うとさやかの車に乗り込んだ。


「では、行きますね」


さやかは車を発進させた。

しばらくすると、バックミラー越しに星を見て


「少し時間が掛かると思うので、寝てても大丈夫ですよ。」

「いえいえ、さやかさんが運転してるのに寝てなんていられません。」

「私には気を使わなくてよいからね。星ちゃんが倒れられたら困るから。」

「昨夜ぐっすり寝たので大丈夫です。」


「それより今日のラジオの生放送って何か緊張しますね」

「テレビはだいぶん慣れたけど、ラジオは声だけだから何か変に緊張しそう」

「そうだね。視聴者に顔とか見えないから話だけで伝えるのは難しいって言うよね」

「でも、アナウンサーの方がうまく誘導してくれると思うから大丈夫ですよ」

「はい、ありがとうございます。」


車は右に大きくカーブして、高速の入り口方面に向かった。

「シートベルトしてるよね」

「はい!しています。」


車は高速道路に入った。


「そうだ、この前のイタリアンのお店、美味しかったですね」

「うん、美味しかった。」

「パスタもいっぱい種類あるし、スープ系が多くて迷っちゃいますよね」

「何か全部制覇したい感じ」


「はは、確かに」

「制覇するまで、今度も行きましょうね」

「そうだね。美香さんにもまた連絡しておくね」

「はい、ありがとうございます。」


星は今日一番の笑顔になった。


「HIKARIちゃん本当に謙虚だよね」

「これだけ売れてきたらもっと天狗になっても良いのに!」

「今やうちの芸能プロダクションの看板スターだから、もう少しわがまま言っても誰も悪く言わないよ」


「そんなことないです。みなさんが居ての私なので、私だけでは何も出来ませんから」

「そういうところが良いのかも知れないね」

「そうですかぁ?」

「そう」


そんな会話をしながら車は目的地に到着した。

さやかは車を駐車場に停めた。


「はい!着きました。」

「運転お疲れさまでした。」


「混んでたから遅くなっちゃったね。お昼食べてる時間ないから、HIKARIちゃんが打ち合わの合間にコンビニで何か買って来るね。」

「ありがとうございます。」


さやかが先に降りて、車のドアを開けた。


「ありがとうございます。」


星も車を降りた。

さやかがドアを閉め、助手席側のドアの取っ手を触ると、車が施錠された。


「さあ行きましょう!」

「はい!」


そう言うと2人はレコーディングスタジオに入って行った。

中の大きなドアを開けて、一番奥の第一スタジオのドアを開けた。

そこには既に数人のスタッフが準備をしていた。


「おはようございます。」

「HIKARIさん新道さん、おはようございます。」

「今日はよろしくお願いします。」

「こちらこそよろしくお願いします。」


「混んでたのでちょっと遅れちゃいました。」

「大丈夫ですよ。準備が出来てるのでこちらに」


そう言うとスタジオスタッフの方が会議室に案内をしてくれた。

会議室はテーブルを挟んで4席づつ8名が入れるくらいの小さな会議室。

通路から見える大きな窓があり、テレビのドラマに出てきそうな会議室であった。

2人は奥の席に並んで座った。


数分後、3名のスタッフが会議室に入って来た。


「おはようございます。本日打ち合わせ担当の桐谷です。こちらはアシスタントの村木、木下です。よろしくお願いします。」


さやかと星は立ち上がり、「よろしくお願いします。」と軽く頭を下げた。


「お座りください。」

「ではレコーディングの打ち合わせを始めます。」


会議室では譜面と時折曲を流しながら打ち合わせが進んだ。

新曲の打ち合わせは2時間ほどで無事に終了した。


「お疲れさまでした。」

「お疲れさまでした。では来週、レコーディングよろしく願いします。」

「こちらこそよろしくお願いします。」


2人はスタジオから出ると、駐車場の車の前まで来た。

さやかはドアを開け、その後星が車に乗り込むと、自分も運転席に座った。


「お疲れ様、これからラジオのスタジオまで車で行くから、車内でおにぎり食べてね」


そう言うと、先ほど買ってきたおにぎりが入った袋を星に渡す。

星が袋の中を確認する。


「わーいくらのおにぎりですね。」

「うん、この前食べたいって言ってたでしょう?」

「そうでした。」

「お茶もあるから飲んでね。」

「ありがとうございます。」


さやかは車を発進させた。


しばらくすると、星はおにぎりを食べながら


「何かこう言うのが芸能人って感じがします。」

「こっちは、もう少し時間に余裕が欲しいだけどねぇ」

「そうでした、さやかさんが大変でした。」

「そう言う意味じゃなくてね。星ちゃんにもっと余裕を持たせてあげたいからね」

「わかっています。」


車は広い通りから少し狭めの道路に入り、また広い道路を左折した。

その後、30分ほどでラジオのスタジオに到着した。


駐車場に車を停めて、2人はスタジオに入り、入口横にある受付カウンターに移動した。


「いつもお世話になっております。HIKARIです。今日はよろしくお願いします。」

「HIKARI様、お待ちしていました。」

「こちらへどうぞ!」


そう言うと受付の女の人はエレベーターまで2人を案内し一緒にエレベーターに乗り込んだ。

ドアが閉まると女性は6階のボタンを押した。


「6階です。ドアが開きます。」

エレベーターから音声が聞こえ、ドアが開く。


6階に到着すると、女性は2人をスタジオ入口まで案内し、ドアを開けた。


「HIKARI様が到着しました。」


スタジオ内のみんなが一斉にこちらを向いた。


「お世話になります。マネージャーの新道です」

「お世話になります。HIKARIです。」


直ぐに1人の男性が立ち上がり2人に近付いてきた。


「お待ちしておりました。KRIラジオの速水です。」

「今日は生放送に出演下さりありがとうございます。」


「こちらこそよろしくお願いします。」


「この後は16時からリハを行って、本番は17時からになります。」

「今日はよろしくお願いします。」


「HIKARIさん、ラジオは初めてですよね。」

「はい」

「では先に簡単に機器の説明をしますね」


そう言うと星は速水さんとスタジオ奥の放送スタジオに入って行った。


時間は16時、原稿を読みながらのリハーサルが始まった。

終始緊張気味の星に対して、速水は優しく説明をしながら進めた。


リハも無事に終わりあと数分で本番が始まるため、HIKARIはスタジオ内で待っていた。

本番が始まるカウントが始まった。


「5、4、3、2、1、スタート」


「みなさん今晩は、フレッシュイブニングの速水です。本日もKRIスタジオ6階の第一スタジオからお送りしています。」

「仕事終わりの方、お疲れさまでした。帰宅中にこの番組を聞いてくださってる方は運転等、お気を付け下さい。」


「本日は素敵なゲストが来られています。」

「今人気のアーテスト、HIKARIさんです。」


「みなさんこんばんは、HIKARIです。初めてのラジオで少し緊張していますが頑張ります。」


「HIKARIさんは少し緊張されていると言うことですが、みんなで緊張を和らげて行きましょうね」

「では初めにオープニング曲です。HIKARI『希望の一歩』」


そう言うとHIKARIの『希望の一歩』が流れだした。


星は「ふーう」とため息をついた。


すると速水さんが、「全然大丈夫でしたよ」


「本当ですか?良かった。」

「今日はこの後視聴者さんからの質問コーナーになっていますので、気軽に答えて下さいね」

「一応変な質問はこちらでチェックするので、大丈夫と思いますが、もし答えられない内容の質問なら、こちらが対応しますので言って下さい。」

「はい、ありがとうございます。」


その頃、祐樹は自分の部屋で次の配信でするゲームの説明書を確認していた。

スマホにLINEの着信が鳴った。


「あっ!早苗さんからだ」


[祐樹君、今星がラジオに出てるよ。KRIラジオのフレッシュイブニングって番組]


祐樹は[ありがとう!]と送って、オディオのラジオを付けた。


「ほんと、星だぁ」


ラジオのスタジオでは、『希望の一歩』の曲が終わった。


「みなさんどうでしたか?希望の一歩、良い曲ですね」


「HIKARIさんはこの曲をどの様なイメージで作ったのですか?」

「私は小さい頃から親の転勤などで、友達も出来なくて・・・。その時にお母さんに買ってもらった電子ピアノを弾いていました。」

「その頃にテレビでアイドルのステージを見ていて、ここなら自分の居場所を作れるって思って、その時ですかね。アイドルになりたいと言う思いから曲を作っていました。


「そうなんですね。夢が叶ったんですね。」

「そうですね」


「こんなHIKARIさんに質問がいっぱい来ています。」

「まず、好きな食べ物は何ですか?」


「かわいい質問ですね」

「そうですねぇ。好き嫌いは特にないのですが、しいて言うなら肉じゃがでしょうか?」

「前に友達に肉じゃがを作ったことがあって、その友達も美味しいって食べてくれました。」


「そうなんですね。HIKARIさんは料理もお上手と言うことですね。」

「そんなに作れませんが料理は好きですね」


「ありがとうございます。では次の質問に行きますね。HIKARIさんいつも応援しています。私もHIKARIさんの様な曲を作って歌ったりしたいと思っています。どうしたら出来ますか?」

「ありがとうございます。頑張ってください。私の場合では、曲はひたすらイメージをピアノで演奏していましたね。歌は一人カラオケに行っていました。」

「HIKARIさん、一人カラオケ行ける派なんですね。」

「そうですね。大丈夫です。」

「僕は行けないんですよ・・。何か恥ずかしくて」

「多分私は一人の時間が長かったから、なんでも一人でしないといけないと言うのがあったからじゃないでしょうかね」

「そうなんですね。ありがとうございます。」


「では次の質問は、ちょっと恋愛系になりますね。HIKARIいつも曲を聴いています。HIKARIさんの好きなタイプを教えて下さい。聞いたら自分もそのタイプになれる様に頑張ります。」

「えーありがとうございます。タイプですかぁ?そうですねぇ。優しさはもちろんですが、私が何かあればそっと手を指し伸ばしてくれる様な人ですかね」

「やっぱり優しさですね。」

「そうですね」


「次が最後の質問になります。いつも応援しています。HIKARIさんのYouTubeで、希望の一歩とかの曲を拡散お願いします。って以前書かれていましたが今では書かれていません。ダウンロードしても大丈夫でしょうか?」

「YouTubeは私がまだデビューしていない時に作ったものですね。そうですね。ダウンロードは良いのですが、拡散は控えてもらえると助かります。」


「そうですね。デビューされた方なので拡散となると著作権に引っ掛かる可能性もありますので、注意しましょうね」

「そうなんです。ですのでYouTubeの方も拡散は削除させて頂きました。」


「最後の質問ありがとうございました。」

「HAKARIさんは何か新曲も出るそうですね」

「はい、まだ詳細は言えませんが、今レコーディング中です。」

「みなさん、楽しみに待っていましょうね。」


「では今日はありがとうございました。」

「皆さんもこれからもHIKARIさんを応援していきましょうね」

「今日はありがとうございました。」

「こちらこそありがとうございました。」


「では最後の曲です。」

「HIKARI、『ジンクス』」


その後曲が流れた。



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