根岸 太一編 定番販売で成り上がり その5
<異世界(根岸 太一)サイド>
何てことだ。騎士団も冒険者も、盗賊団討伐に出払い街には最低限の人材しかいないのに…。これは盗賊団に作戦が筒抜けだったということかっ!?
だが今そんなことを言っても仕方がない。生き残らなければならないのだ。
どうする!? どうすれば…。
「みんなは奥にっ! どこか隠れられるところ、窓など侵入経路が少ないところはありませかっ!?」
「そ、倉庫はっ!?」
「駄目です、盗賊たちは、ここが孤児院だとわかるでしょう。盗みの対象となるのは、食料と子供たちです」
「では…教会の隠し部屋に…」
「わかりました。皆さんは早く移動して下さい。隠し部屋がわかる誰か、俺と戸締まりを!」
ヒルクが声を上げてくれた。俺は孤児院の外に出ると門を閉め、孤児院の扉、教会の扉、窓など、鍵がかけられるところは全てかけて、ヒルクと隠し部屋に向かう。
「あっ! ヒルク。俺の部屋に」
俺も孤児院の空き部屋に住み着いていたのだ。俺は部屋に戻ると、試作品のクロスボウを手に取り、ヒルクと走り出した。
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<北条 彩乃サイド>
花柄のパジャマにポテチの食べかすを溢しながら、ほげーっと水晶を覗き込んでいた。
「うん!? アーク達、大ピンチじゃねっ!?」
冷静に考えれば、アークを守るために転生させたヴァグナーとメイダスが、盗賊団の討伐に出てしまい、街自体の防衛も手薄になっているのだ。
アークには、魔法の本と魔法のランプがあるけど、多数に対抗するには魔力が足らなすぎる…。まぁ、わざわざ貧民街を襲う盗賊もいないよなぁ…。いや、既に貧民街にも出没しているようだけど…。
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<異世界(藤浪 花音)サイド>
本日も、先生であるデディアルと共に奴隷市場に足を運んでいた。奴隷を買い育て売る。いよいよ本番だ。
「奴隷闘士…。自分がオーナーとして、その…大会に参加できるのですか?」
「また奴隷商人として逸脱した考えを。剣闘士や拳闘士など、どのように育てるか、育て方にもノウハウが必要です。奴隷商人が、闘士を購入した場合にすることは、健康で基礎体力に優れている商品を作ること。まぁ、才能が最初からわかる商品は少ないですから、奴隷商人も闘士のオーナーも博打みたいな感覚で買うのが普通ですよ」
「博打か…」
「そうです。まずは簡単でハズレのない性奴隷などから、始めるのが良いかと」




