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生きるコトはバトルです  作者: キノぴょ キノピョ


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5/10

その5 マリア、鳥とバトる〈2〉

 ある日、精神障害者と判明してしまった。

 不運な女子中学生・遠藤マリア。

 一部の精神障害者に見えるという、天使アリエルと出会う。

 マリアは、天使が見えるし、会話もできる“特別者”だった。

 何か、フィクションらしいけど、たぶん天使側からするとフィクションじゃない情報に巻き込まれる。

 それは、


 “黒い動物ダークアニマルンとのバトル”


 戦えない天使の代わりに、マリアは、神の神器を使ってダークアニマルンと戦う。


 その5 マリア、鳥とバトる〈2〉


「ちょっと、待っててね。天使。今、スマホで市役所に電話して黒いトリを駆除してもらうから」

 マリアは、スカートのポケットからスマホを取り出す。

 マリアは、市役所の電話番号を登録していない。

 天使は、マリアの手を止める。

「…遠藤マリア。待つであります」

「何よ」

「普通の人間には、ダークアニマルンと戦うことができないのであります。見えないのであります」

「えー?」

「遠藤マリアに戦って欲しいのであります」

「えー!」

 マリアは、スマホをポケットにしまう。

 確かに、黒い動物。

 ダークアニマルンだっけ?

 …は、精神障害者にしか見えないのだ。

 しかも、一部。

 天使の見える、一部の精神障害者のみにしか見えない。

 戦えるのは、マリアだけである。

「それでは、アルテミスの弓矢を授けるであります」

 キラキラキラキラ

 マリアの両手に、真白な弓と矢が一本、もたらされる。

「弓?これって、トリに当てろってこと?」

「そうであります!」

「えーと、弓道の授業なんて受けてないんだけど。オリンピック動画とかで見たのよね。私」

 マリアは、それっぽく弓矢を構えられる。

 なかなか、できる娘だった。

 神器アルテミスの弓矢は、マリアの意志の力を相乗効果として、綺麗に矢が飛ぶのだが、黒いトリには、全く当たりもしなかった。

 しかも、矢は、一本だけなので、撃ちはずすたびに、拾いにいかないといけない。

 全く、面倒な神器だった。

 これは、本当に面倒だ。

 体力も、けずられる。

「もう、いやっ。こんなのいらない!」

 マリアは、アルテミスの弓矢を投げた。

 神器は、あまり投げてはいけないが、マリアは、よく頑張った。

「遠藤マリア。ナイスバトルであります」

「天使、私、無理かもしれない」

「別の神器にすれば、大丈夫であります」

「…え?」

「ポセイドンのジャベリンを授けるであります」

 天上から、青く力強い輝きが注がれた。

 マリアの手に、青白い槍が降りた。

「これ、何?」

「ジャベリン。投げ槍であります。空中の敵も逃さない、最強の神器であります」

「投げ槍?オリンピックの槍投げのやつ?」

 マリアは、首を傾げる。

 オリンピック槍投げ競技も、動画で何度か見たことがある。

 マリアは、投げ方を思い出しながら、構える。

「こ、こうだったかしら」

「遠藤マリア。ポセイドンのジャベリンは、最強の神器なので、ホーミング機能があるので、絶対命中するのであります」

「え?」

 マリアが、構える中で、少し手をゆるめただけで、投げ槍は、空高く飛んでいった。


 ヒュルルン

 ヒュルルーーーーーン


 ゆっくりとしたスピードから、速度を上げた槍は、黒いトリを一羽、貫通した。

 その後も、ぐにゃぐにゃと空中を進み、黒いトリを二羽、三羽と貫く。

 危険を察知した、黒いトリたちは、四方八方に飛び去る。

 逃げるトリを追わぬ槍は、合計三羽のトリを貫いたまま、地上にゆっくりと落ちて、地面に突き立つ。

 そうすると、貫かれた三羽のトリは、力尽きて消えた。

 ホーミング…。

 すごい戦果を上げる。

 さらば、トリ。

「何、このすごい槍!」

「さすが、遠藤マリアであります」

「私、何もしてないわよ?それより、逃げたトリは、ほっといていいの?」

 マリアは、大空で、小さくなっていく黒いトリたちを指さす。

「逃げたダークアニマルンは、他の、天使が見える精神障害者の人間を襲う可能性があります」

 天使は、白い翼についた泥を、手で払う。

 そして、ゆっくりと、空に浮かび上がる。

「判断が、難しい所であります。ここは、一旦、大天使ミカエル様に指示を仰ぐであります」

 天使は、小さく祈ると、黄金のハンドベルを召喚する。

 迷わず、グリップを持つ。


 チリンチリンチリン


 ハンドベルから、綺麗な鈴音がした。

「遠藤マリア、大天使ミカエル様は、まもなく舞い降りてくるのであります」

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