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その2 マリア、入院する

「精神病に間違いないでしょう」

精神科医は、即座に診断した。

「えーーーーー!」

「マリア、落ち着いて。精神病って、どんな病気なんでしょうか?」

精神病とは、独り言を言ったり、天使が見えるとか言う病気だと、精神科医は、言った。

とにかく、特効薬は、無く。

入院や、長期通院が必要な病気らしい。

マリアは、完全に凍り付く。

「私、天使見えたのよ…。お姉ちゃん」

「しっかりして、マリア。天使なんて、この世にいない存在よ」

翔子姉さんは、マリアを抱きしめる。

「…」

「…天使アリエルであります!」

診察室の片隅に、白い翼の天使がいた。

「て、天使…見える…」

マリアは、指さす。

精神科医は、静かに首を振る。

「見えるの?マリア。フィクションが、見えるの?」

翔子姉さんは、涙目になっている。

そして、翔子姉さんは、マリアの精密検査を求めた。

マリアは、入院が決定した。


その2 マリア、入院する

《この物語は、フィクションです。事実とは病気の内容が異なる場合があります》


「何でこうなるのよ。私の、健康ガール神話が…」

マリアは、かたいベッドに腰かけて、絶望感から、頭をかかえた。

マリアの入院ベッドは、精神病院の女性棟の大部屋の、窓際。

服装は、普段着のまま。

大部屋は、3人分。今は、マリア以外に人はいない。

…天使以外は。

「遠藤マリア。宣告通りの、精神病でありますね」

「あんた、何なのよ!」

「見習い天使アリエルであります。遠藤マリアのこれからのバトルを、見守る役なのであります」

「これからの、バトル?」

「…ダークアニマルンとのバトルであります」

「ダ、ダークアニマルン?」

マリアは、すぐ、ガチャガチャ場所での、黒いイノシシを思い出す。

「あ、あれ?」

「イエースであります」

天使は、白い翼を羽ばたかせて敬礼する。

「これよりは、大天使ミカエル様からの伝令であります」

天使は、言う。

遠藤マリアは、潜在的精神病患者の一人である。

ミカエル様は、守護天使をアリエルとした。

守護天使がつくのは、遠藤マリアのみ。

精神病にかかる人間は、いる。

しかし、天使が見えても、声が聞こえる人間は、いない。

「あら、そうなの?」

「そうなのであります」

「私、会話出来てる気がするけど…」

「遠藤マリアは、『特別者』なのであります」

マリアは、天使が見え、会話出来る貴重な人間。

大天使ミカエルは、マリアに、お願いがある。


“孤高の精神患者・永井クリスの救済”


「は?誰よ。それ」

「永井クリスは、有名ゲーム会社、永井コーポレーションの御曹司であります」

「はあ?私、ゲームとかアニメの会社の名前なんておぼえないから知らないわ」

「確かに、ゲームとかアニメの会社の名前なんて、おぼえないで良いのであります」

マリアと天使は、共にうなずいた。


「…マリア。独り言をしているの?」


マリアが、振り向くと、翔子姉さんが、顔面蒼白で立ち尽くしていた。

マリアは、天使と会話しているつもりだが、横から見ると、独り言以外の何でもない。

天使との会話に気を取られていたのだ。

「大丈夫よ、マリア。天使が見えるのよね。うん。お姉ちゃんは、見えないけど、味方よ。独り言も、誰かに迷惑をかけなければ大丈夫」

翔子姉さんは、入院の長期化も視野に、精神科医の先生と、お話があると、その場を去った。


「か、完全に心配かけてしまったわ」

マリアは、狼狽しながら、心の中で、何度も姉に謝った。

独り言には、気をつけなければいけない。

でも、人間的に、目の前に誰かがいて、話しをしてしまうのは、当然。

相手が、天使とかは、おかしいけど。

ごめん、お姉ちゃん!

「精神病は、遠藤マリアが思うほど、弱くはない。強敵でありますよ」

「何よ。そ…」

マリアは、あわてて、口をふさぐ。

「ほら、言い返してしまうのであります」

「…」

「とにかく。これから、ダークアニマルンとのバトルが始まるであります」

「…何よ。それ…」

「一気に言うでありますよ~!」

アリエルは、大きく息を吸い込んだ。


「大天使ミカエル様が助けたい、

孤高の少年永井クリスが、

天使が見えるから巻き込まれるかもしれない、

ダークアニマルンとのバトルであります!」

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