side C 05
具体的に今回の依頼をどうするか、という話はまだしてなかったので。
ウルザブルン教本部にて、一仕事終えてからブリーダーと会議する。
「しっかし二人拉致って、か。という訳で、報酬の半額出すから片方宜しく」
「だよなぁ。あ、因みに飼い犬、黒い方は貸し出してるからな、俺。そこ考えて計画しろよ。……しかし何で同時なんだろうな」
「片方は憂さ晴らしというか見せしめとかそんな感じなんだろ? で、拉致ってこの坂井真さんにお友達が苦しみながら死んでいく所を見せて、本命殺害。悪趣味だよなぁ」
「お前程じゃないだろ。だから坂井真メインで、か」
「こっちの山口君は軽く知り合いなんだけど、大変そうだからさ、坂井さんの方お前に任せるわ。催眠スプレーとか豊富だろ、ウチの宗教」
「犯罪組織だよなぁ、普通に」
「ヤクザさんより強いとか何とか」
「県内限定でな。雑誌に載ってた殺人症の発症率見たか? 引くレベルでトップだったぜ」
見てない。
「じゃあ何時決行か、だよな。二人同時ってのがキツイよな、両方ともイケる日じゃないといけないし」
めんどーだー、と嘆いてるとブリーダーが携帯を操作しながら言った。
「そういやお前はどうせ聞いてないだろうけどさ」
「んー?」
「地味に任せたい仕事が入ってんだってさ。俺等の上司サマから」
「……マジで?」
「だから早めにやれ、日程教えてくれたらそっちに一応合わせてやる、ってさ。因みに一時間くらい前にお前が居る時に話した内容な、コレ」
「やっぱ俺にはお前が居ないと駄目だわー」
「嬉しくねェ……」
いや、申し訳ない。
「まあ結構情報がしっかりしてるから、何とか日程合いそうじゃね?」
殺害対象の行動メモなる物を眺める。
じゃあこの日にやろっか、とか場所はまあ大体この辺で、とすぐに計画は決まる。
「……しっかし何で吉沢はこの仕事蹴ったんだろうな。別の仕事?」
「何でってお前……まあ別の仕事はあるだろうけど。あ、標的殺した後はちゃんとクライアントから金貰うまで目ェ離すなよ、一応」
「えー殺しちゃいそー」
「止めろ。マジで止めろ」
冗談だよ、と笑える程の自信はない。




