side B 04
またも短めです。
両親に殺されるかもしれないと怯えながら眠るのも、大分慣れてきた。良い事か悪い事かは分からない。程良く緊張しておかなければ、いざという時に危ない。
大した護身術は身につけられないまま、外に出る。田舎万歳、と言いたくなる程、此処には人が居ない。
だから今日も、駅の近くに行くまでは誰にも会わないと思っていたのに。
こちらに駆け寄る人間が見えた。
体が強張る。まずは周りと背後を確認。大丈夫、他には誰も居ない。
「……坂井さん?」
良く見たら知り合いだった。
「……おはよ」
「おはよ……どうしたよ、急いで」
肩で息をする坂井さんなんてかなりレア、みたいな話を昔陸上部員がしてた事を思い出す。
「長距離は苦手……じゃなく。少々お伝えしたい事が。時間大丈夫だよね?」
「うん。割と余裕あるけど」
電車も何本か遅れてもいいレベルである。
「ええっと、詳しい事情は説明し辛いんだけどさ」
そう前置きして、坂井さんは真面目な顔して言った。
「北山君が死んだ時に会った人と、黒い犬連れた人は相手にしちゃ駄目だよ。てかアレだ、知らない人について行ってはいけません、を実践してれば、まあ問題ないや」
「……えーと、それを伝えに来た?」
「うん。まあ念の為」
良く分からないけど、まあ可笑しな事は言ってない……かな。まあ言われなくても、だ。
「了解。気をつける」
「うん、有難う」
じゃあ、学校行ってらっしゃい、と見送られた。
行ってきます、と言いつつお前も行けよと突っ込みたくなった。未だに凹んでる友人はどうするんだよ、坂井さん。




