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side D 02

 ……まあ、俺の依頼人である明さんが坂井さんを殺したがる理由は分かった。人情的には明さんを助けなきゃいけないのだろうが。

 そんなんで生きてる訳でも仕事している訳でもないので、さっくり依頼を断って、坂井さんの味方になるとしよう。

 とはいえ、もう少し訊くべき事はある。

「俺は誰を殺せばいいの?」

 今迄の話の中で、その答えが出る事はなかった。

「状況がどうなるかまだ分かりませんからね。最後の最後に頼みます」

 そっか、と頷く。まあこんなモンかなー、と立ち上がりかけたが、もう一つあった。

「明さんは君を殺したがっている。じゃあ君は今回、何が目的で動く?」

「勿論、自衛というのもありますよ」

 でもまあメインは、と彼女は笑って言う。

「一回思いっきり喧嘩したら、すっきりするだろうなって。ほら、雨降って地固まるって言いますし」

 喧嘩じゃ済まないと思うんだけど。


 電話で明さんの依頼断って、謝罪も兼ねて幾らか渡しに行った。

 その日もタイミング良く、坂井さんから電話が。

『断ってくれました?』

「うん。特に問題なし」

『それは良かった。それで質問が一つ』

「何?」

『殺し屋って、県に五人も六人も居ませんよね?』

「居ない居ない。ぼんやりそれっぽい事やってる奴ならちょっとは居るけど、基本的には俺一人」

『ですよね? じゃあ俺の予想通りになる可能性が高いから、安心ですね』

「そうだね。まあ上手くいくと思うよ、情報量が違うし。じゃ、また連絡して」

『はい。じゃあ』


 次の日。此方から連絡が取れないのが面倒だと思いながら、電話を待つ。

 夕方頃に、携帯電話が振動した。

『もしもし、坂井です』

「もしもし。一応報告しておくけど、此処までは君の予想通り」

『良かった良かった。まあ此処までなら誰でも予想通りですよね』

「……まあね」


 坂井さんと明さんの関係を話した時に、彼女は自分を殺そうとする人間の動きを予測した。

 現在、それは的中している。

結構短め。

何気大事な話になる予定なので、最終話の前に忘れてたら一度ここだけ読み返す事を推奨しておきます。

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