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無言聖域ーーデグーたちの記録  作者: おじさんヒーロー
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89/94

第二部 第61話 かなり

無言聖域

第二部 門戸温泉郷編


ここまで読んでいただきありがとうございます。


今回の第61話では、ついにガンザの居場所が判明します。


……とはいえ、かなりカオスです。


喋るモルモット。


丁寧に挨拶するデグー。


そして、“ガンザの力”を取り込んだ少女、みすず。


かなり視点から見ることで、改めて「無言聖域」がどれほど異常なのかが見えてくる回にもなっています。


また今回、“ちいとと”という、みすず独特のクルミの呼び方も登場します。


少し騒がしくて、でもどこか優しい、そんな回になっています。


よろしくお願いいたします。


なお、外伝側でも、本編へ繋がる話を描いています。


外伝

「近道の先」


DEGUだよ。 外伝その1:近道の先


https://applebrother.wordpress.com/2026/05/20/%e5%a4%96%e4%bc%9d-%e3%81%9d%e3%81%ae1%ef%bc%9a%e8%bf%91%e9%81%93%e3%81%ae%e5%85%88/


また、今回の空気感に近い動画はこちらになります。


YouTube Shorts 母さんご立腹の雰囲気動画

https://youtube.com/shorts/Hh-gRyZ7iyM?si=LXh3mm1pyj8Afaq7


「だあれ?」



女の子だった。



座っている。



十歳くらい。



かなり愛らしい。



かなりは止まる。



「……いや」



「それはこっちのセリフだ」



完全に意味がわからない。



その瞬間。



ガンザが叫んだ。



「あっ!!」



「お前!!」



「我の力を食った娘か!!」



女の子。



ぺこり。



「こんにちは」



丁寧。



「みすずです」



ガンザ。



「ウキーッ!!」



「我の力を返せぇ!!」



みすず。



首を傾げる。



「どうやって?」



少し考える。



「……さわればいいの?」



手を伸ばした。



ガンザ。



「やめろぉぉっ!!」



逃走。



みすず。



追いかける。



完全に遊んでいる。



アパート住民達が。



ようやく。



“違うもの”がいることに気づき始めた。



その時だった。



「お邪魔しています」



丁寧な声。



かなりが止まる。



デグーだった。



白と茶のパイド。



クルミ。



静かにそこにいた。



みすずが嬉しそうに走る。



「ちいととー!」



クルミへ飛びついた。



かなり。



「……ちいとと?」



それが名前か?



かなりは普通に挨拶する。



「俺はかなりって言うんだ」



完全に感覚が麻痺していた。



だが。



ガンザよりは。


大分マシだった。



クルミが少し困ったように笑う。



「名前ではないが」



「みすずがそう呼ぶので」



「それで構わない」



みすずが嬉しそうに説明する。



「小さいとうさまだよ」



「だから、ちいとと」



かなり。



「あぁ……」



なんとなく納得した。



その瞬間。



ガンザが止まる。



「あっ!!」



「お前!!」



「この娘のそばにいたやつ!!」



「スピネルの関係者か!!」



胸を張る。



「我は腐敗神ガンザ!!」



「敬え!!」



「奉れ!!」



「さもなくば侵食するぞ!!」



沈黙。



クルミ。



にこやか。



「そうなんだ」



「それは怖いね」



「ははは」



軽い。



ガンザが止まる。



「軽い!!」



クルミは穏やかだった。



「ぼくは端末だから」



「気にしないで」



かなり。



「端末?」



さらに意味がわからない。



クルミは続ける。



「この子が」



「どうしてもガンザを探すって言うので」



「一人で行かせられないから」



「ついてきただけなんだ」



みすずはガンザを追いかけている。



楽しそう。



「ガンザー!」



「逃げないでー!」



ガンザ。



「来るなぁぁっ!!」



かなり。



頭を抱える。



クルミは穏やかに続ける。



「ガンザが見つかったから」



「もういいんだけど」



かなり。



ふと疑問に思う。



「なんで」



「こんな簡単に見つかったんだ?」



クルミ。



普通に答えた。



「この子の中に」



「ガンザの力が入ってるから」



「近くに行くと」



「わかるみたいだ」



かなり。



「便利だな……」



そして。



ふと思う。



「っていうか」



「それなら」



「早くそいつ連れて帰ってくれ!」



本音だった。



かなり。



かなり本音だった。



クルミ。



少し困った顔になる。



「そうしたいのは山々なんだけど」



「ガンザ」



「持ってないんだよ?」



「……なにを?」



クルミ。



静かに答える。



「聖域を出る時」



「スピネルが通ってきた扉を」



「無理にこじ開けて通ったから」



「どこかで落としたらしい」



少し間。



「コウ竜の核」



かなり。



停止。



「……竜?」



「そうだよ」



「ドラゴン?」



「うん」



「そうだね?」



かなり。



混乱した。



喋るモルモット。



腐敗神。



喋るデグー。



不法侵入。



女の子。



ドラゴンの核紛失。



完全に。



キャパシティを超えていた。

第二部第61話を読んでいただきありがとうございました。


今回は、かなり久しぶりに「かなり」の常識人視点が強く出る回になりました。


本人からすると、


・喋るモルモット

・腐敗神

・喋るデグー

・ドラゴンの核紛失

・不法侵入(?)


など、完全に情報量が限界です。


ですが、聖域側はかなり普通に会話しています。


感覚が麻痺しています。


また今回、みすずがガンザを追いかけ回している場面も、少し独特な空気になっています。


ガンザ本人はかなり必死ですが、みすずは“遊んでいる”感覚です。


そしてクルミ。


今回も、普通に挨拶し、普通に会話しています。


だからこそ余計に異様です。


また、「ぼくは端末だから」という言葉も、かなり重要です。


クルミ自身の存在の在り方にも関わる部分なのですが、このあたりは今後もう少し描かれていくかもしれません。


そして最後。


問題は結局、


「コウ竜の核が行方不明」


だということ。


喋るモルモットより、そちらの方が本当はかなり危険です。


……ただ、かなりの精神的には、もう全部限界だったと思います。


なお、本編と繋がる外伝はこちらになります。


DEGUだよ。 外伝その1:近道の先


https://applebrother.wordpress.com/2026/05/20/%e5%a4%96%e4%bc%9d-%e3%81%9d%e3%81%ae1%ef%bc%9a%e8%bf%91%e9%81%93%e3%81%ae%e5%85%88/



また、今回の雰囲気に近い動画はこちらになります。


YouTube Shorts 母さんご立腹の雰囲気動画

https://youtube.com/shorts/Hh-gRyZ7iyM?si=LXh3mm1pyj8Afaq7


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