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無言聖域ーーデグーたちの記録  作者: おじさんヒーロー
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89/100

第二部 第61話 かなり

無言聖域

第二部 門戸温泉郷編


ここまで読んでいただきありがとうございます。


今回の第61話では、ついにガンザの居場所が判明します。


……とはいえ、かなりカオスです。


喋るモルモット。


丁寧に挨拶するデグー。


そして、“ガンザの力”を取り込んだ少女、みすず。


かなり視点から見ることで、改めて「無言聖域」がどれほど異常なのかが見えてくる回にもなっています。


また今回、“ちいとと”という、みすず独特のクルミの呼び方も登場します。


少し騒がしくて、でもどこか優しい、そんな回になっています。


よろしくお願いいたします。


なお、外伝側でも、本編へ繋がる話を描いています。


外伝

「近道の先」


DEGUだよ。 外伝その1:近道の先


https://applebrother.wordpress.com/2026/05/20/%e5%a4%96%e4%bc%9d-%e3%81%9d%e3%81%ae1%ef%bc%9a%e8%bf%91%e9%81%93%e3%81%ae%e5%85%88/


また、今回の空気感に近い動画はこちらになります。


YouTube Shorts 母さんご立腹の雰囲気動画

https://youtube.com/shorts/Hh-gRyZ7iyM?si=LXh3mm1pyj8Afaq7


「だあれ?」


⸻


女の子だった。


⸻


座っている。


⸻


十歳くらい。


⸻


かなり愛らしい。


⸻


かなりは止まる。


⸻


「……いや」


⸻


「それはこっちのセリフだ」


⸻


完全に意味がわからない。


⸻


その瞬間。


⸻


ガンザが叫んだ。


⸻


「あっ!!」


⸻


「お前!!」


⸻


「我の力を食った娘か!!」


⸻


女の子。


⸻


ぺこり。


⸻


「こんにちは」


⸻


丁寧。


⸻


「みすずです」


⸻


ガンザ。


⸻


「ウキーッ!!」


⸻


「我の力を返せぇ!!」


⸻


みすず。


⸻


首を傾げる。


⸻


「どうやって?」


⸻


少し考える。


⸻


「……さわればいいの?」


⸻


手を伸ばした。


⸻


ガンザ。


⸻


「やめろぉぉっ!!」


⸻


逃走。


⸻


みすず。


⸻


追いかける。


⸻


完全に遊んでいる。


⸻


アパート住民達が。


⸻


ようやく。


⸻


“違うもの”がいることに気づき始めた。


⸻


その時だった。


⸻


「お邪魔しています」


⸻


丁寧な声。


⸻


かなりが止まる。


⸻


デグーだった。


⸻


白と茶のパイド。


⸻


クルミ。


⸻


静かにそこにいた。


⸻


みすずが嬉しそうに走る。


⸻


「ちいととー!」


⸻


クルミへ飛びついた。


⸻


かなり。


⸻


「……ちいとと?」


⸻


それが名前か?


⸻


かなりは普通に挨拶する。


⸻


「俺はかなりって言うんだ」


⸻


完全に感覚が麻痺していた。


⸻


だが。


⸻


ガンザよりは。


大分マシだった。


⸻


クルミが少し困ったように笑う。


⸻


「名前ではないが」


⸻


「みすずがそう呼ぶので」


⸻


「それで構わない」


⸻


みすずが嬉しそうに説明する。


⸻


「小さいとうさまだよ」


⸻


「だから、ちいとと」


⸻


かなり。


⸻


「あぁ……」


⸻


なんとなく納得した。


⸻


その瞬間。


⸻


ガンザが止まる。


⸻


「あっ!!」


⸻


「お前!!」


⸻


「この娘のそばにいたやつ!!」


⸻


「スピネルの関係者か!!」


⸻


胸を張る。


⸻


「我は腐敗神ガンザ!!」


⸻


「敬え!!」


⸻


「奉れ!!」


⸻


「さもなくば侵食するぞ!!」


⸻


沈黙。


⸻


クルミ。


⸻


にこやか。


⸻


「そうなんだ」


⸻


「それは怖いね」


⸻


「ははは」


⸻


軽い。


⸻


ガンザが止まる。


⸻


「軽い!!」


⸻


クルミは穏やかだった。


⸻


「ぼくは端末だから」


⸻


「気にしないで」


⸻


かなり。


⸻


「端末?」


⸻


さらに意味がわからない。


⸻


クルミは続ける。


⸻


「この子が」


⸻


「どうしてもガンザを探すって言うので」


⸻


「一人で行かせられないから」


⸻


「ついてきただけなんだ」


⸻


みすずはガンザを追いかけている。


⸻


楽しそう。


⸻


「ガンザー!」


⸻


「逃げないでー!」


⸻


ガンザ。


⸻


「来るなぁぁっ!!」


⸻


かなり。


⸻


頭を抱える。


⸻


クルミは穏やかに続ける。


⸻


「ガンザが見つかったから」


⸻


「もういいんだけど」


⸻


かなり。


⸻


ふと疑問に思う。


⸻


「なんで」


⸻


「こんな簡単に見つかったんだ?」


⸻


クルミ。


⸻


普通に答えた。


⸻


「この子の中に」


⸻


「ガンザの力が入ってるから」


⸻


「近くに行くと」


⸻


「わかるみたいだ」


⸻


かなり。


⸻


「便利だな……」


⸻


そして。


⸻


ふと思う。


⸻


「っていうか」


⸻


「それなら」


⸻


「早くそいつ連れて帰ってくれ!」


⸻


本音だった。


⸻


かなり。


⸻


かなり本音だった。


⸻


クルミ。


⸻


少し困った顔になる。


⸻


「そうしたいのは山々なんだけど」


⸻


「ガンザ」


⸻


「持ってないんだよ?」


⸻


「……なにを?」


⸻


クルミ。


⸻


静かに答える。


⸻


「聖域を出る時」


⸻


「スピネルが通ってきた扉を」


⸻


「無理にこじ開けて通ったから」


⸻


「どこかで落としたらしい」


⸻


少し間。


⸻


「コウ竜の核」


⸻


かなり。


⸻


停止。


⸻


「……竜?」


⸻


「そうだよ」


⸻


「ドラゴン?」


⸻


「うん」


⸻


「そうだね?」


⸻


かなり。


⸻


混乱した。


⸻


喋るモルモット。


⸻


腐敗神。


⸻


喋るデグー。


⸻


不法侵入。


⸻


女の子。


⸻


ドラゴンの核紛失。


⸻


完全に。


⸻


キャパシティを超えていた。

第二部第61話を読んでいただきありがとうございました。


今回は、かなり久しぶりに「かなり」の常識人視点が強く出る回になりました。


本人からすると、


・喋るモルモット

・腐敗神

・喋るデグー

・ドラゴンの核紛失

・不法侵入(?)


など、完全に情報量が限界です。


ですが、聖域側はかなり普通に会話しています。


感覚が麻痺しています。


また今回、みすずがガンザを追いかけ回している場面も、少し独特な空気になっています。


ガンザ本人はかなり必死ですが、みすずは“遊んでいる”感覚です。


そしてクルミ。


今回も、普通に挨拶し、普通に会話しています。


だからこそ余計に異様です。


また、「ぼくは端末だから」という言葉も、かなり重要です。


クルミ自身の存在の在り方にも関わる部分なのですが、このあたりは今後もう少し描かれていくかもしれません。


そして最後。


問題は結局、


「コウ竜の核が行方不明」


だということ。


喋るモルモットより、そちらの方が本当はかなり危険です。


……ただ、かなりの精神的には、もう全部限界だったと思います。


なお、本編と繋がる外伝はこちらになります。


DEGUだよ。 外伝その1:近道の先


https://applebrother.wordpress.com/2026/05/20/%e5%a4%96%e4%bc%9d-%e3%81%9d%e3%81%ae1%ef%bc%9a%e8%bf%91%e9%81%93%e3%81%ae%e5%85%88/



また、今回の雰囲気に近い動画はこちらになります。


YouTube Shorts 母さんご立腹の雰囲気動画

https://youtube.com/shorts/Hh-gRyZ7iyM?si=LXh3mm1pyj8Afaq7


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