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無言聖域ーーデグーたちの記録  作者: おじさんヒーロー
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第二部 第48話 腐敗神ガンザ

無言聖域

第二部 門戸温泉郷編


ここまで読んでいただきありがとうございます。


前回までかなり重い話が続きましたが、今回は少し空気が変わります。


未唯と一緒に現れたのは、竜達――


ハク、キン、コウ、リョク、アオ。


そして、居酒屋未唯にて、まさかの遭遇が起こります。


腐敗神ガンザ。


名前だけ聞けば恐ろしい存在ですが、無言聖域ではどうにも扱いが違うようです。


今回も、聖域らしい“おかしな日常”を楽しんでいただければと思います。


作品の設定や登場人物については、作者ブログ「DEGUだよ。」でも少しずつ整理しています。


https://applebrother.wordpress.com/

「ただいまー!」


⸻


元気な声。


⸻


未唯だった。


⸻


その後ろ。


⸻


ぞろぞろと。


人影。


⸻


「ご飯だから」


⸻


「手、あらってきてね」


⸻


静かな声は、あい。


⸻


「はーい!」


⸻


未唯が返事をする。


⸻


そして。


後ろにいる五人。


⸻


ハク。


キン。


コウ。


リョク。


アオ。


⸻


つまり。


竜達だ。


⸻


人型ではある。


⸻


だが。


空気が違う。


⸻


市役所職員なら卒倒する。


⸻


居酒屋未唯。


⸻


すっかり異世界側のたまり場だった。


⸻


「邪魔をする」


⸻


ハクが静かに言う。


⸻


「へぇ」


⸻


コウが店内を見回した。


⸻


「いいとこだな」


⸻


アオもキョロキョロしている。


⸻


「てんか」


⸻


「いいとこに住んでる」


⸻


リョクが羨ましそうに言う。


⸻


「羨ましい……」


⸻


キンだけは礼儀正しい。


⸻


「未唯様に呼ばれたのです」


⸻


「ご迷惑でなければ」


⸻


その瞬間。


⸻


ももが笑う。


⸻


「今日はこっちでご飯食べるのよね?」


⸻


ココアも笑顔。


⸻


「みなさんもどうぞ!」


⸻


完全に親戚の集まりだった。


⸻


竜達が席へ案内される。


⸻


ハクがゆっくり座ろうとして。


⸻


止まった。


⸻


視線。


⸻


テーブルの上。


⸻


そこにいた。


⸻


モルモット。


⸻


ふんぞり返っている。


⸻


ハクの目が見開かれる。


⸻


「……ッ!!」


⸻


周囲の竜達も止まる。


⸻


「こ、こやつ……!」


⸻


ハクの声が震える。


⸻


「ガンザ!!」


⸻


空気が変わる。


⸻


コウが固まる。


⸻


アオが飛び退く。


⸻


リョクの顔色が変わる。


⸻


キンが即座に身構えた。


⸻


竜達の間に。


緊張が走る。


⸻


未唯がぽかんとする。


⸻


「え?」


⸻


モルモットが。


ふんぞり返った。


⸻


「な、なによ!」


⸻


小さいくせに態度がでかい。


⸻


「私は神よ!」


⸻


ドヤ顔。


⸻


「我が名はガンザ!!」


⸻


「腐敗神なるぞ!!」


⸻


どこから出しているのかわからない声量。


⸻


「こうべを垂れよ!!」


⸻


「我を敬え!!」


⸻


「でなければ全て侵食してくれるわ!!」


⸻


「うははははははっ!!」


⸻


沈黙。


⸻


その瞬間だった。


⸻


「うるさい」


⸻


言ったのは。


コスピ。


⸻


次の瞬間。


⸻


バシィッ!!


⸻


テーブルの上のモルモットが。


突っ伏した。


⸻


「ぐぇっ」


⸻


静まり返る店内。


⸻


コスピは涼しい顔だった。


⸻


「ご飯前」


⸻


「静かに」


⸻


ガンザがぷるぷる震える。


⸻


「き、貴様……!」


⸻


「神に向かって……!」


⸻


ももが普通に言う。


⸻


「いつものことだよ?」


⸻


あいが静かにお茶を置く。


⸻


「おかわりあります」


⸻


完全に。


扱いがペットだった。


⸻


ハク達は。


まだ固まっていた。


⸻


ハクが震える声で言う。


⸻


「……なぜ」


⸻


「腐敗神が」


⸻


「卓上におるのじゃ……」

第二部第48話を読んでいただきありがとうございました。


今回は、かなり久しぶりに「無言聖域らしいカオス日常回」になりました。


竜達からすれば、腐敗神ガンザは本来“畏怖の対象”です。


だからこそ、ハク達の反応はかなり本気でした。


ですが――


この聖域では。


テーブルの上にいる。


しかも、コスピに叩き伏せられる。


完全に扱いが狂っています。


ただ、この「神すら日常に飲み込まれる」という空気感は、無言聖域らしさでもあります。


また今回、キン達の


「いいところに住んでいる」


という反応も、実はかなり重要です。


門戸温泉郷は、ただの異世界の町ではなく、“帰って来られる場所”として少しずつ形になっています。


それは、クルミ達が守っている“家”そのものなのかもしれません。


そしてガンザ。


本人(本神?)は偉そうですが、今後も多分こんな感じです。


世界観や登場人物については、作者ブログ「DEGUだよ。」でも少しずつ整理していますので、よろしければご覧ください。


https://applebrother.wordpress.com/

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