↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無言聖域ーーデグーたちの記録  作者: おじさんヒーロー
PR
71/100

第二部 第42話 そのためにきた

無言聖域

第二部 門戸温泉郷編


ここまで読んでいただきありがとうございます。


今回の第42話では、ライが見せた“終わった未来”に対して、小雪が語る「まだ変えられる未来」が描かれます。


クルミが死ぬことで崩壊する聖域。


その先にある世界の終わり。


ですが未来は、まだ確定していません。


だからこそ、小雪はここへ来ました。


静かな回ですが、聖域にとって「クルミ」という存在がどれほど大きいのか、改めて見えてくる回になっています。


また、第二部第41話「死なせてしまった」は、作者ブログ「DEGUだよ。」にも掲載しています。


ライが見せた未来の話を、あらためて読み返したい方は、ぜひそちらもご覧ください。


https://applebrother.wordpress.com/

静まり返っていた。


⸻


誰も動けない。


⸻


クルミが死ぬ。


⸻


聖域が壊れる。


⸻


世界が終わる。


⸻


あまりにも。


重すぎる話だった。


⸻


長儒会の老人達の顔色は真っ白だった。


⸻


吉見も。


山城も。


言葉を失っている。


⸻


その中で。


小さな声がした。


⸻


「アレは」


⸻


静かな声。


⸻


「その後の未来だよ」


⸻


全員が止まる。


⸻


いつの間にか。


そこに。


白い少女がいた。


⸻


長い白髪。


赤い瞳。


⸻


ふわりとした空気。


⸻


小雪。


⸻


ココアが振り向く。


⸻


「えっ」


⸻


「小雪!?」


⸻


ジェットが肩を跳ねさせる。


⸻


「いつの間に!?」


⸻


ハクまで驚いていた。


⸻


小雪はくるりと一回転する。


⸻


その瞬間。


張り詰めていた空気が。


少しだけ和らぐ。


⸻


小雪は静かに続けた。


⸻


「未来だから」


⸻


「防げる」


⸻


空気が静かになる。


⸻


小雪は。


長儒会を見る。


⸻


「そのために」


⸻


少し間。


⸻


「ぼくはきたんだ」


⸻


白い瞳が揺れる。


⸻


「きたんだよ?」


⸻


優しい声だった。


⸻


だが。


そこにあるのは。


強い意思。


⸻


長儒会の老人のひとりが。


震える声で言った。


⸻


「……止められるのか」


⸻


小雪は静かにうなずく。


⸻


「うん」


⸻


「だから」


⸻


「やらなければいい」


⸻


シンプルだった。


⸻


捕らえない。


傷つけない。


恐れない。


⸻


それだけ。


⸻


ココアが笑う。


⸻


「小雪らしい!」


⸻


クルミは困ったように笑っていた。


⸻


「大げさだなぁ」


⸻


その瞬間。


⸻


ピシ……


⸻


また空間が揺れる。


⸻


山城が即座に叫ぶ。


⸻


「だから照れるな!!」


⸻


吉見が頭を抱える。


⸻


「なんで感情で世界揺れるんだよ!!」


⸻


小雪はそんなクルミを見る。


⸻


そして。


少し寂しそうに笑った。


⸻


「クルミは」


⸻


「自分がどれだけ大切かわかってない」


⸻


静かな声。


⸻


空気が止まる。


⸻


ももがぎゅっとクルミへ抱きつく。


⸻


「だいじ!」


⸻


コスピもうなずく。


⸻


「必要」


⸻


あいは黙ったまま。


クルミから離れない。


⸻


ハクが静かにつぶやく。


⸻


「聖域は」


⸻


「この者を中心に回っておる」


⸻


長儒会は。


もう理解していた。


⸻


これは。


国家でも。


権力でも。


管理できるものではない。


⸻


その瞬間。


小雪がくるりと回る。


⸻


ふわり。


⸻


白い光が広がった。


⸻


そして。


長儒会の老人達の疲れた顔から。


ほんの少しだけ。


恐怖が消えた。


第二部第42話を読んでいただきありがとうございました。


今回は、小雪の


「未来だから、防げる」


という言葉が中心になる回でした。


ライは“終わった未来”を見せました。


ですが小雪は、その未来を「変えられるもの」として見ています。


同じ未来視でも、二人の在り方は少し違います。


また今回、長儒会側もようやく理解し始めています。


クルミは単なる強者ではなく、


「聖域そのもの」


であること。


だからこそ、失われれば世界そのものが揺らいでしまう。


そして、それを守ろうとする子供達や家族の姿も、今回の大切な要素になっています。


物語はここからさらに、聖域の核心へ近づいていきます。


世界観や登場人物については、作者ブログ「DEGUだよ。」でも少しずつ整理していますので、よろしければご覧ください。


https://applebrother.wordpress.com/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。