表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無言聖域ーーデグーたちの記録  作者: おじさんヒーロー
PR
66/94

第二部 第36話 長儒会

第二部 第36話 長儒会


黒塗りの車列は。


山奥へ入っていた。



高速を降り。


さらに奥へ。



一般人が来る場所ではない。



やがて。


巨大な門が現れる。



古い屋敷。



だが。


空気が違う。



警備。


監視。



そして。


“権力”。



吉見が小さく言った。



「……なんだここ」



山城が顔をしかめる。



「政治家の別荘?」



玲桜の声が無線から静かに響く。



『違います』



『もっと古いものです』



黒塗りの車が止まる。



黒スーツ達が降りる。



クルミも静かに車から降りた。



その周囲。


デグー達。



コスピ。


もも。


あい。


黒姫。



全員がいる。



ハクは車の上から周囲を見渡した。



「……ふむ」



静かな声。



「呼び出した者達は」



「肝が据わっておるな」



ジェットが肩の上で苦笑する。



「まぁ普通逃げる」



ハクは小さくうなずいた。



「クルミと」



「デグー達を見ても」



「動じないところは認めよう」



その瞬間。


屋敷の扉が開く。



中から。


老人達が現れた。



七人。



全員が静かな和装。



だが。


空気が異常だった。



“支配する側”の目。



吉見が本能で理解する。



「……ヤバい」



山城も小さくつぶやく。



「警察の相手じゃねぇ」



玲桜が静かに告げる。



『長儒会』



『裏からこの国を動かしてきた者達です』



空気が重くなる。



政界。


財界。


軍。


警察。



表へ出ない支配者達。



そして。


彼らは。



“異世界”すら。


管理できると思っていた。



中央の老人が。


静かに言う。



「ようこそ」



「聖域の代表」



クルミは小さく笑った。



「どうも」



老人達は。


デグー達を見ても。


竜を見ても。


表情を変えない。



それが逆に異様だった。



「我々は」



「対話を望んでいます」



ハクが小さく鼻を鳴らす。



「支配ではなく?」



老人は即答した。



「共存です」



その瞬間。


コスピが小さく言った。



「嘘」



空気が止まる。



老人達の目が。


初めて。


デグー達へ向いた。



クルミは静かだった。



だが。


玲桜の声だけが。


無線越しに少し低くなる。



『……始まります』



その時だった。



屋敷の奥。



ずっと静かだった白い小さな影が。


ゆっくり顔を上げた。



ライだった。



白銀の毛。


赤い瞳。



眠そうだった。



だが。


その瞬間。


ハクが止まる。



ジェットも。


黒姫も。


玲桜までも。



空気が変わった。



ライが。


小さくつぶやく。



「……あ」



次の瞬間。



時間が。


“ずれた”。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ