↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無言聖域ーーデグーたちの記録  作者: おじさんヒーロー
PR
41/100

第二部 第11話 呼ばれました

無言聖域

第二部 門戸温泉郷編


ここまで読んでいただきありがとうございます。


今回の第11話では、新たに着任した安城という女性警官について、さらに描かれていきます。


異世界。


通路。


世界樹。


普通なら避けたくなるはずの案件。


ですが安城は、自らこの部署を志願していました。


そして彼女自身もまた、「呼ばれた」と感じています。


それは偶然なのか、それとも――。


少しずつ、“こちら側”に適合する人間達も現れ始めています。


作品の設定や登場人物については、作者ブログでも少しずつ整理しています。


https://applebrother.wordpress.com/

西署。


門戸温泉郷担当部(仮)。


⸻


空気は妙に静かだった。


⸻


市役所側は押されている。


完全に。


⸻


そして。


その中心にいるのは。


安城だった。


⸻


ビシッとした制服。


冷静な視線。


静かな圧。


⸻


吉見が小さく言った。


⸻


「安城」


⸻


安城が視線だけ向ける。


⸻


吉見が苦笑する。


⸻


「お前、大変なところに回されたな」


⸻


山城もうなずく。


⸻


「普通なら断る」


⸻


「ていうか逃げる」


⸻


後輩が真顔で言う。


⸻


「自分なら有給使います」


⸻


安城は少しだけ止まった。


⸻


そして。


静かに言った。


⸻


「いえ」


⸻


「志願しました」


⸻


沈黙。


⸻


吉見が止まる。


⸻


山城も止まる。


⸻


ココアが「えっ」と言った。


⸻


「まじで?」


⸻


マロくんも驚く。


⸻


「なんでまた」


⸻


安城は静かだった。


⸻


少しだけ。


考えるように目を閉じる。


⸻


そして。


小さく言った。


⸻


「呼ばれました」


⸻


空気が止まる。


⸻


玲桜の目が少しだけ変わった。


⸻


黒姫も静かに安城を見る。


⸻


吉見が聞く。


⸻


「……誰に?」


⸻


安城は少し困った顔をした。


⸻


「わかりません」


⸻


「ただ」


⸻


静かな声。


⸻


「気づいたら」


⸻


「ここへ行かなければならない気がしていました」


⸻


ココア達が少し静かになる。


⸻


山城が小さく言った。


⸻


「……通路か」


⸻


玲桜が静かにうなずく。


⸻


「適合者ですね」


⸻


安城が玲桜を見る。


⸻


「適合?」


⸻


玲桜は落ち着いたまま答える。


⸻


「世界樹に拒否されない人です」


⸻


空気が静かになる。


⸻


吉見が頭を抱える。


⸻


「増えた……」


⸻


後輩が小さく聞く。


⸻


「つまり」


⸻


「異世界側に受け入れられてるってことですか?」


⸻


玲桜は静かに答えた。


⸻


「はい」


⸻


安城は少しだけ黙った。


⸻


そして。


小さく息を吐く。


⸻


「……なるほど」


⸻


その瞬間だった。


外で。


小さく風が揺れた。


⸻


通路。


⸻


玲桜が窓の外を見る。


⸻


安城も自然にそちらを向いた。


⸻


吉見が気づく。


⸻


「見えるのか?」


⸻


安城は少し考えた。


⸻


「見えるというより」


⸻


静かな声。


⸻


「わかるんです」


⸻


ココアが嬉しそうに笑った。


⸻


「やっぱり呼ばれてる!」


⸻


黒姫が小さくうなずく。


⸻


「こちら側ですね」


⸻


安城が少しだけ苦笑する。


⸻


「警察官なんですが」


⸻


マロくんが笑う。


⸻


「もう無理」


⸻


山城が遠い目をする。


⸻


「こっち来ると大体そうなる」

第二部第11話を読んでいただきありがとうございました。


今回は、安城がなぜ門戸温泉郷担当へ来たのか、その理由が少し描かれました。


彼女は単なる異動ではなく、自ら志願しています。


そして「呼ばれた」という感覚。


これは未唯達が経験してきたものと、どこか似ています。


玲桜の言う「適合者」とは、単に能力があるという意味ではありません。


世界樹や通路側に“拒否されない者”。


つまり、“こちら側”へ入る資格を持つ者でもあります。


また、西署側も少しずつ「異世界を否定する段階」を越え始めています。


理解はできなくても、現実として受け入れるしかない。


そんな空気が強くなってきました。


ここから先は、安城自身もさらに深く門戸温泉郷へ関わっていくことになります。


ブログでも世界観や登場人物について整理していますので、よろしければそちらもご覧ください。


https://applebrother.wordpress.com/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。