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無言聖域ーーデグーたちの記録  作者: おじさんヒーロー
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第23話 選ばれる者

ここまで読んでいただきありがとうございます。


未唯が通路を開き、向こう側へ踏み込んだことで、境界そのものが大きく変化し始めています。


第23話では、花園、通路、管理者側が重なり始め、未唯自身にも変化が起こります。


「鍵」としてではなく、一人の存在として何を見られているのか。


物語がさらに深い場所へ進んでいく回になります。


作品の設定や登場人物については、作者ブログでも少しずつ整理しています。


https://applebrother.wordpress.com/

通路が静かだった。


戦っているのに。


揺れているのに。


中心だけが静かだった。


⸻


未唯が立っていた。


通路の真ん中に。


⸻


兄がいた。


ナオリがいた。


玲桜達がいた。


管理者側もいた。


⸻


そして。


花の匂いが広がっていた。


⸻


管理者側が言った。


「確認」


⸻


空気が揺れた。


距離が変わった。


⸻


「鍵の変質を確認」


⸻


玲桜が静かに言った。


「始まりました」


⸻


未唯が聞く。


「なにが」


⸻


管理者側が答える。


「選定」


⸻


その瞬間だった。


花が咲いた。


⸻


通路の中に。


光の花が。


一斉に。


⸻


未唯が目を見開く。


「花園」


⸻


小雪が静かに言った。


「来た」


⸻


ライくんが言った。


「重なった」


⸻


花が揺れる。


風はない。


だが揺れる。


⸻


管理者側が未唯を見る。


⸻


「鍵ではない」


⸻


空気が止まった。


⸻


未唯が止まる。


玲桜の目が変わる。


⸻


「個体認識を変更」


⸻


未唯が言った。


「……え?」


⸻


管理者側が続けた。


⸻


「選定対象を確認」


⸻


その瞬間だった。


花が未唯の周りを回った。


⸻


光だった。


やさしい光だった。


でも。


世界そのものみたいな光だった。


⸻


兄が小さく言った。


「なんだこれ」


⸻


ナオリが涙を浮かべる。


⸻


「選ばれた」


⸻


追っ手本隊が動いた。


焦ったように。


一直線に。


⸻


「確保する!」


⸻


だが。


間に入った。


⸻


ココアだった。


⸻


「だめ」


⸻


マロくんが踏み込む。


空気が割れる。


⸻


いっちゃんが流す。


止める。


崩す。


⸻


玲桜が境界を固定する。


黒姫が距離を歪める。


⸻


小雪が回る。


花が整う。


⸻


ライくんが時間を戻す。


⸻


全部が。


未唯を中心に動いていた。


⸻


未唯が震える。


⸻


「なんで」


⸻


管理者側が静かに答えた。


⸻


「開いたから」


⸻


未唯が言った。


「通路を?」


⸻


「違う」


⸻


少しだけ。


管理者側が未唯へ近づく。


⸻


「世界を」


⸻


空気が止まった。


⸻


玲桜が目を閉じる。


「そこまでです」


⸻


管理者側が止まる。


⸻


玲桜が静かに言った。


「未唯は未唯です」


⸻


その瞬間だった。


花が揺れた。


⸻


未唯の周りで。


やさしく。


守るように。


⸻


管理者側が言った。


⸻


「……確認」


⸻


そして。


初めて。


少しだけ頭を下げた。


⸻


「選ばれる者」


⸻


未唯が止まる。


⸻


兄も。


ナオリも。


全員止まっていた。


⸻


未唯が小さく言った。


⸻


「わたし?」


⸻


その瞬間だった。


通路の奥で。


さらに巨大な何かが目を開いた。


⸻


黒姫が言った。


「……まだ上がいる」

第23話を読んでいただきありがとうございました。


今回は、未唯が単なる「通路を開く存在」ではなく、“選ばれる者”として認識され始めました。


花園、通路、管理者側、そして聖域。


それぞれが未唯を中心に動き始めています。


また、ココア達前衛、玲桜達管理側、小雪やライくん達も、それぞれの役割で未唯を支えている状態になっています。


そして最後に現れた、さらに上位の存在。


ここから先は、「境界そのもの」の核心へ近づいていくことになります。


ブログでも世界観や登場人物について整理していますので、よろしければそちらもご覧ください。


https://applebrother.wordpress.com/

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