第22話 共闘
ここまで読んでいただきありがとうございます。
未唯が通路を開き、ついに向こう側へ到達したことで、境界そのものが大きく動き始めました。
第22話では、追っ手本隊に加え、「管理者側」も本格的に介入します。
敵でも味方でもない存在。
そして、未唯自身も「守られる側」から変わり始めています。
物語がさらに大きく動く回になります。
作品の設定や登場人物については、作者ブログでも少しずつ整理しています。
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通路が揺れていた。
完全接続状態だった。
光が流れている。
距離が固定されている。
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未唯が立っていた。
兄の隣に。
ナオリの前に。
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その前。
巨大な影。
管理者側。
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さらに奥。
黒い気配。
追っ手本隊。
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玲桜が静かに言った。
「来ます」
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空気が変わった。
重くなった。
距離が沈んだ。
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追っ手本隊が現れた。
今までとは違う。
数ではない。
圧力だった。
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黒姫が言った。
「大きい」
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マロくんが笑った。
「いいね」
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いっちゃんが小さく言った。
「やりにくい」
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ココアが前に出た。
盾の位置だった。
最初からそこだったように。
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追っ手本隊が言った。
「鍵を回収する」
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未唯が震える。
だが。
下がらなかった。
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その瞬間だった。
管理者側が動いた。
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空気が止まる。
距離が固定される。
世界が静かになる。
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「不許可」
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その一言だった。
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追っ手本隊の動きが止まった。
空間そのものが重くなる。
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マロくんが言った。
「また格が違う」
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玲桜が静かに言った。
「管理権限です」
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追っ手本隊が言った。
「境界管理個体の介入を確認」
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管理者側が答える。
「鍵の保護を優先」
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未唯が小さく言った。
「守ってる」
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玲桜が答えた。
「はい」
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その瞬間だった。
追っ手本隊の後ろで。
別の通路が開いた。
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黒姫が目を細める。
「増えた」
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玲桜の目が変わった。
「増援です」
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マロくんが前に出る。
「なら全部やる」
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いっちゃんが言った。
「突っ込みすぎるな」
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ココアが笑った。
「もう遅い」
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次の瞬間だった。
マロくんが消えた。
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衝撃だった。
空気が吹き飛ぶ。
距離が歪む。
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追っ手が弾かれる。
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いっちゃんが流す。
崩す。
止める。
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ココアが前に立つ。
絶対に通さない。
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未唯が兄を見る。
兄も前に出ようとしていた。
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未唯が言った。
「だめ!」
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兄が止まる。
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未唯が言った。
「今度は」
少し震える。
でも。
笑った。
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「私が助ける」
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兄の目が止まった。
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ナオリが泣きそうな顔で未唯を見る。
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その瞬間だった。
通路がさらに広がった。
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玲桜が目を見開く。
「適応しています」
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管理者側が言った。
「鍵の成長を確認」
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未唯の周りで。
花の匂いが広がった。
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花園と通路が重なる。
境界が安定する。
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小雪が静かに回った。
空気が整う。
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ライくんが言った。
「時間固定」
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黒姫が言った。
「維持できる」
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玲桜が静かに言った。
「行けます」
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未唯が前を見る。
兄を見る。
母を見る。
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そして。
初めて。
管理者側を見る。
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未唯が言った。
「助ける」
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その瞬間だった。
管理者側が。
少しだけ。
道を開いた。
第22話を読んでいただきありがとうございました。
今回は、聖域側と管理者側が同じ場で動き始める回になりました。
ココア、いっちゃん、マロくん達前衛。
玲桜達管理側。
そして、未唯自身。
それぞれが自分の役割で境界を支えています。
また、未唯が「助けられる側」ではなく、「助ける側」として前に進み始めたことで、通路そのものも未唯へ適応し始めました。
ここから先は、境界や通路の本当の意味にも近づいていきます。
ブログでも世界観や登場人物について整理していますので、よろしければそちらもご覧ください。
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