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無言聖域ーーデグーたちの記録  作者: おじさんヒーロー
22/28

第22話 共闘

ここまで読んでいただきありがとうございます。


未唯が通路を開き、ついに向こう側へ到達したことで、境界そのものが大きく動き始めました。


第22話では、追っ手本隊に加え、「管理者側」も本格的に介入します。


敵でも味方でもない存在。


そして、未唯自身も「守られる側」から変わり始めています。


物語がさらに大きく動く回になります。


作品の設定や登場人物については、作者ブログでも少しずつ整理しています。


https://applebrother.wordpress.com/

通路が揺れていた。


完全接続状態だった。


光が流れている。


距離が固定されている。



未唯が立っていた。


兄の隣に。


ナオリの前に。



その前。


巨大な影。


管理者側。



さらに奥。


黒い気配。


追っ手本隊。



玲桜が静かに言った。


「来ます」



空気が変わった。


重くなった。


距離が沈んだ。



追っ手本隊が現れた。


今までとは違う。


数ではない。


圧力だった。



黒姫が言った。


「大きい」



マロくんが笑った。


「いいね」



いっちゃんが小さく言った。


「やりにくい」



ココアが前に出た。


盾の位置だった。


最初からそこだったように。



追っ手本隊が言った。


「鍵を回収する」



未唯が震える。


だが。


下がらなかった。



その瞬間だった。


管理者側が動いた。



空気が止まる。


距離が固定される。


世界が静かになる。



「不許可」



その一言だった。



追っ手本隊の動きが止まった。


空間そのものが重くなる。



マロくんが言った。


「また格が違う」



玲桜が静かに言った。


「管理権限です」



追っ手本隊が言った。


「境界管理個体の介入を確認」



管理者側が答える。


「鍵の保護を優先」



未唯が小さく言った。


「守ってる」



玲桜が答えた。


「はい」



その瞬間だった。


追っ手本隊の後ろで。


別の通路が開いた。



黒姫が目を細める。


「増えた」



玲桜の目が変わった。


「増援です」



マロくんが前に出る。


「なら全部やる」



いっちゃんが言った。


「突っ込みすぎるな」



ココアが笑った。


「もう遅い」



次の瞬間だった。


マロくんが消えた。



衝撃だった。


空気が吹き飛ぶ。


距離が歪む。



追っ手が弾かれる。



いっちゃんが流す。


崩す。


止める。



ココアが前に立つ。


絶対に通さない。



未唯が兄を見る。


兄も前に出ようとしていた。



未唯が言った。


「だめ!」



兄が止まる。



未唯が言った。


「今度は」


少し震える。


でも。


笑った。



「私が助ける」



兄の目が止まった。



ナオリが泣きそうな顔で未唯を見る。



その瞬間だった。


通路がさらに広がった。



玲桜が目を見開く。


「適応しています」



管理者側が言った。


「鍵の成長を確認」



未唯の周りで。


花の匂いが広がった。



花園と通路が重なる。


境界が安定する。



小雪が静かに回った。


空気が整う。



ライくんが言った。


「時間固定」



黒姫が言った。


「維持できる」



玲桜が静かに言った。


「行けます」



未唯が前を見る。


兄を見る。


母を見る。



そして。


初めて。


管理者側を見る。



未唯が言った。


「助ける」



その瞬間だった。


管理者側が。


少しだけ。


道を開いた。

第22話を読んでいただきありがとうございました。


今回は、聖域側と管理者側が同じ場で動き始める回になりました。


ココア、いっちゃん、マロくん達前衛。


玲桜達管理側。


そして、未唯自身。


それぞれが自分の役割で境界を支えています。


また、未唯が「助けられる側」ではなく、「助ける側」として前に進み始めたことで、通路そのものも未唯へ適応し始めました。


ここから先は、境界や通路の本当の意味にも近づいていきます。


ブログでも世界観や登場人物について整理していますので、よろしければそちらもご覧ください。


https://applebrother.wordpress.com/

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