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無言聖域ーーデグーたちの記録  作者: おじさんヒーロー
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第20話 向こう側の世界

ここまで読んでいただきありがとうございます。


第20話では、未唯達がついに通路の向こう側へ踏み込みます。


これまで「境界」や「通路」として描かれてきた場所が、初めて“向こう側の世界”として現実になります。


そして、未唯の母と兄との再会。


さらに、追っ手とは別の存在も動き始めます。


物語が大きく進む回になります。


作品の設定や登場人物については、作者ブログでも少しずつ整理しています。


https://applebrother.wordpress.com/

未唯が踏み込んだ。


通路の中だった。


光が揺れていた。


距離が流れていた。


上下も。


左右も。


遠さも。


近さも。


曖昧だった。



玲桜が言った。


「接続維持しています」


声だけが届く。


後ろはまだつながっていた。



未唯が前を見る。


兄がいた。


その向こう。


倒れている母も。



未唯が言った。


「母さん!」



その瞬間だった。


空気が変わった。



兄が叫ぶ。


「止まれ!!」



未唯が止まった。


次の瞬間。


通路の横が裂けた。



黒い影が現れた。


追っ手だった。



ココアが飛び込んだ。



衝撃が止まった。


光が揺れた。


距離が歪んだ。



ココアが言った。


「ほんとにいたね」



追っ手が動く。


だが。


マロくんが前に出た。


重い。


速い。


圧倒的だった。



空気が弾けた。


追っ手が吹き飛ぶ。



いっちゃんが動く。


受ける。


流す。


崩す。



攻撃が通らない。


位置が違う。


間合いが違う。



兄が目を見開いた。


「……なんだこいつら」



ココアが笑った。


「味方!」



その瞬間だった。


母が苦しそうに顔を上げた。



未唯が駆け寄る。


「母さん!」



母――ナオリが未唯を見た。


涙が浮かんだ。



「……生きてた」



未唯が泣きそうになる。



ナオリが震える声で言った。


「だめ」



未唯が言う。


「助けに来た!」



ナオリが首を振る。


「捕まる」



兄が言った。


「未唯!」



その瞬間だった。


さらに奥で。


空気が割れた。



巨大な影だった。


今までとは違う。


圧力が違う。


存在が違う。



黒姫が言った。


「本隊」



玲桜が静かに言った。


「違います」



空気が止まった。



玲桜が続けた。


「管理者側です」



全員が止まった。



影が近づいてくる。


ゆっくりと。


だが。


圧倒的だった。



兄が未唯の前に出た。


傷だらけだった。


それでも立った。



「下がれ」



未唯が言った。


「やだ」



兄が振り向く。


初めて。


ちゃんと笑った。



「大きくなったな」



未唯の目から涙が落ちた。



その瞬間だった。


巨大な影が止まった。



そして。


静かな声が響いた。



「……鍵を確認」



空気が凍った。



玲桜の目が変わる。


「未唯」



未唯が振り向く。



玲桜が静かに言った。


「見つかりました」

第20話を読んでいただきありがとうございました。


未唯はついに自分の意思で通路へ踏み込み、母ナオリと兄のいる向こう側へ到達しました。


しかし、追っ手だけではなく、さらに別の「管理者側」の存在も現れ始めています。


未唯が“鍵”であることも、向こう側に正式に認識されました。


ここから先は、単なる追跡や逃亡ではなく、「境界そのもの」に関わる話へ進んでいきます。


ブログでも世界観や登場人物について整理していますので、よろしければそちらもご覧ください。


https://applebrother.wordpress.com/

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