第15話 前に出る者
ここまで読んでいただきありがとうございます。
未唯が通路を開く存在であることが明らかになり、聖域側も動き始めました。
第15話では、いっちゃん・マロくん・ココアの三人が前衛として追っ手に接触する場面になります。
長男と次男、そして盾役としてのココア。
守る側が「準備している存在」ではなく、「すでに動いている存在」であることが見えてくる回です。
登場人物の関係や配置については、作者ブログでも少しずつ整理しています。
https://applebrother.wordpress.com/
「接触した」
玲桜が言った。
道場の空気が変わった。
距離が揺れた。
通路の外だった。
⸻
黒姫が言った。
「早い」
錫が言った。
「もう戦ってる」
⸻
そのころ。
境界の外だった。
追っ手が三人いた。
静かに動いていた。
迷いがなかった。
慣れていた。
観測ではなかった。
捕獲だった。
⸻
その前に。
三人が立っていた。
いっちゃん。
マロくん。
そして。
ココアだった。
⸻
マロくんが言った。
「止まれ」
追っ手は止まらなかった。
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次の瞬間だった。
マロくんが動いた。
速かった。
重かった。
迷いがなかった。
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一人が弾かれた。
地面が揺れた。
距離がずれた。
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追っ手が言った。
「強い」
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マロくんが言った。
「当然」
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次の瞬間だった。
もう一人が動いた。
だが。
当たらなかった。
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いっちゃんが立っていた。
少し横に。
ほんの少しだけ。
位置が違っていた。
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攻撃が外れていた。
最初から。
外れていた。
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追っ手が言った。
「読まれている」
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いっちゃんが言った。
「慣れてる」
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マロくんが笑った。
「小さい頃からだから」
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もう一人が動いた。
速かった。
だが。
止まった。
⸻
ココアだった。
前に出ていた。
盾の位置だった。
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ココアが言った。
「ここから先はだめ」
⸻
追っ手が言った。
「突破する」
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マロくんが言った。
「無理」
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いっちゃんが言った。
「通さない」
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三人が並んだ。
自然だった。
最初からそうだったように。
並んでいた。
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追っ手が言った。
「前衛か」
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いっちゃんが言った。
「長男」
⸻
マロくんが言った。
「次男」
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ココアが言った。
「盾役」
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三人が同時に言った。
「当然!」
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その瞬間だった。
境界が揺れた。
通路が反応した。
距離が変わった。
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玲桜が言った。
「時間を稼いでいます」
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黒姫が言った。
「十分」
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未唯が通路を見た。
そして言った。
「行こう」
第15話を読んでいただきありがとうございました。
マロくんはパワーと戦闘感覚に優れた前衛。
いっちゃんは受け流しや間合いの技術に長けた長男。
そしてココアは盾役として前に立つ存在です。
三人が自然に並んで動く姿は、聖域の「守る側」の形でもあります。
未唯が通路を開き、玲桜が管理し、前衛が時間を作ることで、少しずつ通路の向こう側へ進む準備が整ってきました。
物語の背景や人物関係についてはブログでも整理していますので、よろしければそちらもご覧ください。
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続きを読んでいただけたらうれしいです。




