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レールの上  作者: トム
5/10

響く声



『嘘つき!!!!』


聞き覚えのある声が響き渡った。


‥‥と同時にこれほどの怒声を聞いた事があるだろうかというくらい動揺した。


振り返ると、彼女は顎を引いて鋭い瞳でこちらを睨みつけている。


血色の悪い色からして尋常ではないことが目の前で起こっていると心の奥でさらに不安になった。


私の親友ー日向優子は最後に会った時の格好と同じ服にあのお気に入りのブランドの鞄を肩にかけ2,3メートル先の闇にぽつんと突っ立っている。

唯一違うところと言えば、やはり血色の悪い真っ青な肌だろうか。



『‥‥優子!?‥‥っ優子だよね?!』勇気を振り絞った男の子にでもなったかのような気分だった。



優子は頷くことも答えることもなく、ただこちらを睨み続けたままだ。


『どうして、何も答えてくれないの?!‥‥いやっそんなことより優子は今どこにいるの?!!みんなっ‥‥優子のお父さんもお母さんも心配してるよっ』


必死に優子に話しかけても優子は口を動かすことなく、背中を向けた。


『待って!!どこ行くつもり?!』


希美がどんなに足を前に進めても優子を取り巻く暗闇は広がるばかりで優子との距離は一向に縮まることはなく、寧ろ遠ざかっていく。


『なんなのこれ、どうなってるの!?』


例えるのなら底なし沼にハマって絶望した人の気持ちと重なる。



『‥‥希美は心配してくれてないのね』


呟くように優子の方から声が聴こえた直後、『ブチッ』と耳をつんざくような音がした。



手に握っていたのは自分の部屋のカーテンで既に破れた後だった。


薄紅色に染まる夕焼けをベッドから仰ぐと黒い鳥が遠くに見えた。



『夢で‥‥良かった』




つづく








今回も短めです。

というかいつも短め><

読んでくださった方、ありがとうございます。

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