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私の前世と今世の事情  作者: 艾
1章 私の周り
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城の人達(1)

だいぶ時間が空きましたが2話目です

主の部屋を後にした私は既に作り終えているだろう朝食の片付けを行うべく厨房を目指していた



「あ、クレイ様!」



そう言って てってって と可愛らしい足取りで走ってきたのは ミルクティー色の髪にクリクリとした瞳が特徴的な侍女、アニスだった



「お早うございます!」


「お早うございます、アニスさん 朝早くからご苦労様です」



使用人であるアニスは毎朝 日の出とともに働き出しているようだ

ようだ、というのはあまりにも活動時間が違いすぎるので朝に会うことは稀だからである



「えへへ、ありがとうございます! あの、クレイ様はこれからどちらに向かわれるんですか?」


「あぁ、厨房へ…。 朝食の片付けを手伝おうかと思いまして」


「それなら既にフィアスさんが片付けてしまっていますよ?」


「え…。」


「何でも新作のスウィーツを作るんだとかで 張り切っていました、おこぼれがあると嬉しいんですけどね!」



折角やる気になっていたのに……出鼻をくじかれた気がする

でも、それなら仕方がないだろう

ちなみに、フィアスというのはこの城の侍女長だ



「そうですか、なら私は休憩することにしますね」



次に仕事があるのは昼からの報告書のまとめと王の補佐だけなのだから


「そうですねぇ、最近クレイ様は働き詰めだと伺っていますし その方がいいと思いますよ!」



そこまで働いているつもりはなかったのだが……



「では、私は仕事に戻りますね!失礼いたしまッ あわわ!?」



立ち話を切り上げ、私の歩いてきた方向に向かおうとしたアニスは………転けていた

この城ではもう日常と化していることだ

たぶん廊下のタイルの隙間でつまづいたのだろう

アニスは仕事に関しては完璧と言えるのに仕事以外となると とことんドジを連発する

仕事で掃除をしていて高価なものを壊すことは一切ない

ただ、自分のものはよく壊しているようなのだが…… それがドジだと言われる原因になっているのだろう





***********


アニスと別れた後自室に戻るべく長い廊下を進んでいると、



「クレイさーん」



後ろから呼び止められた

誰だろうと振り向くと、丁度庭で掃除をしていたのだろう 急いで走ってくる青年が見えた

この城で住み込みで働いている下男のアオだ



「アオ君、お久しぶりですね また眉間に皺が寄っていますよ?」



彼は目が悪いらしく、ぼやける視界でよく見ようとして眉間に皺が寄るため初対面の人には悪い印象をいだかせているようだった



「はぁ、はぁ………久しぶり。 もうこれは癖だから仕方ないよ」



私を見つけてから急いで追いかけて来たからなのか、少し呼吸が乱れている



「この皺が無くなればもっと印象も良くなって、皆さんもアオ君が好青年だと分かってくれるでしょうに」



皺を無くすようにそっとアオの眉間に手を当て撫でる



「俺は、クレイさんが居てくれるだけでいいよ」



まただ。この話をすると頑なに拒んでくる

元々人付き合いが苦手なのか、或いは昔に何かあったのか……私には分からない



「今度……一緒に眼鏡、買いに行きましょうか」


「え、……め、がね?」


「えぇ、世界が広がる魔法の道具です」


「??」



彼は首をかしげているようだが、わからなくてもいい

これから、身を持って知ることになるだろうから





*

「ところで、何でさっき私がいるって分かったんですか?(・ω・`)」


「わかるよ、クレイさんなら

俺、クレイさんだけは絶対に間違えない自信がある(`・ω・´)」


「(ºωº)!?」






〔世界が広がるとは、要するに

・眼鏡によって視界が広がる

・眼鏡のおかげで皺が寄ることもないので世間の印象も良くなる

の、二つの意味が含まれていました〕

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