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龍のように飛び、鳳のように翔けよ  作者: 円環の旅人
第二次ソロモン沖海戦
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第三十六話 「 またあとで。 」昭和十八年 二月

緊急出撃を完了させた285隊・・・いや、日本軍は、大至急で索敵網を展開した。

艦隊からは、零式水偵・九四水偵の他、緊急出航した航空巡洋艦「最上(もがみ)」から、

零式観測機8機が出撃。陸軍も、百式司偵を10機出撃させ、遠方索敵に繰り出した。

鏑木たち第四部隊、偵察機16機も各所へ散開。艦隊の全方位の警戒網を敷いた。


鏑木「各機、敵艦隊を発見次第報告せよ。間隔を維持し、くまなく探すように。」

久世「402了解。現在異常なし。」

野村「こちら406、敵は・・・いません!」

榊原「405、敵影を見ず。・・・406、あまり緊張しすぎるなよ。」


無線の向こうから、次々と応答が帰ってくる。

「なんとしても、敵艦隊を先に見つけなくてはならない。」

そんな焦りに駆られながら、敵艦隊を探していた。そんな時だった。


零式水偵「敵潜水艦、見ゆ!自軍艦隊は視認範囲外!」


至極いやな報告が入った。潜水艦発見の報告だ。


鏑木「そういえば、翔鶴にいた時も・・・だがあれは訓練だ。実戦ではない。」


心の中で、そう零した。・・・焦りはまだ、続いている。

だが、幸運にも来てくれた艦がいる。それこそが、航空巡洋艦「最上」だった。


最上「敵潜了解。これより対潜戦闘を開始する。」


後部の飛行甲板では、大至急で新型水上機の発艦準備が進められ、空を舞う。

新型機の名は「瑞雲(ずいうん)」。世にも珍しい、「水上爆撃機」である。


瑞雲「敵潜2を確認、これより撃沈を試みる。」


6番を大量に積んだ瑞雲隊は、潜水艦を発見。味方艦隊ははるか先だ。

瑞雲隊が高度を戻す頃には、大きな水柱と共に、黒い油や荷物が散乱していた。


鏑木「・・・どうにか、ばれずに済んだか。急がねば・・・」


敵の偵察戦力が先に発見され、より焦りが増してきた、その時。一本の無線が入る。


岩井「状況が状況だが、まずは落ち着け。」

  「焦ってしまっては、見えるものも見えなくなる。気を付けな。」


戦場に長く居続けてきた者からの、忠告だった。


鏑木「・・・っ、そうでした。申し訳ございません。」


その後は忠告通り、冷静さを保って索敵を続けた。

眼下は蒼き海ばかり。

―と思っていたら、白波が見えてきた。


久世「・・・部隊長、あれってもしや・・・」

鏑木「・・・間違いないな。」


・・・いや、白波ではない。その無数の白波が表すものは、ただ一つ。


鏑木「飛行隊長!こちら鏑木、敵艦隊見ゆ!敵空母大2、小2!護衛艦艇多数!」


敵機動部隊を、ついに発見した。飛行甲板を見ると、

まだ甲板上に、機体を上げているところだった。つまり敵機は、空にいない。

これを聞いた岩井は、目の色を変えたように見えた。


岩井「飛行隊長了解。司令部に連絡する。」


そして、約1分後。岩井から指示が出された。


岩井「飛行隊長より各隊。我々はこれより、制空の任に入る。」

  「第二部隊は遊撃待機。第一部隊・第三部隊は先行して制空能力を叩く。」

  「私は第三部隊に付属する。それでは各隊、散開。指定座標へ向かえ。」

グリム「了解!いよいよ出番だ!皆行くよ!」

FV「遊撃ってことは、うちらの敵は攻撃隊っすね。了解っす。」

  「いつどう来るか分からねぇから、お前らスロットル絞っとけよ?」

井上「付属感謝します!お前たち、隊長がついてくれるぞ!頑張れ!」


各部隊長たちの指示のもと、編隊はそれぞれへと分かれていく。

お互いの機影が見えなくなるころ、岩井はこう告げた。


岩井「それじゃ、またあとで。」


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