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きつつきよ、サヨウナラ


異世界滞在七日目。

未だに神子専用に用意された部屋から出られないでいます。



国益のために、自分を失うわけにはいかないようです。「いるだけでいいなら、何処に行ってもいいのでは?」という疑問も浮かぶのですが、人間の性でしょうか。重要なものはしまっておきたいのでしょう。まぁ、確かにその方が護衛などの面でも楽でしょうから。


軟禁されているとはいえ、三食美味しいご飯も出ますし、部屋も元の世界で住んでいたところよりも広いのであまり不満はありません。


しかし、


「どうしましょう・・・・・」


今朝朝食を食べているときに、宰相が訪ねてきました。要件は、「神子のお披露目」について。

国民に神子を大々的に披露することにより、魔物の増加に不安を感じる民衆の気持ちを静めるのだそうです。


困りましたね・・・



コンコン

と、突然部屋のドアがノックされた。


「どなたですか?」


「リベルトです。」


「はい、どうぞお入りください。」


失礼します、と言いながら入ってきたのは神子付親衛隊の騎士リベルト。

茶髪の強面イケメンさんです。こっちの世界の説明が終わった後、国王に「困ったことがあればこの者に言いつけてください」と紹介された人だ。


「四日後の式典の御衣装をお持ちしました。」手に持った大きな箱を渡される。

うわっ、重い。


というよりも、騎士様にこんな使い走りのような真似をさせてもいいものなのだろうか。



「すみません、わざわざありがとうございます。」


「いえ、お気になさることではありません。」と綺麗に一礼されてしまった。


そっと箱の蓋を開けると様々な装飾品とともに白い布を何枚も重ね、金銀の刺繍が施された衣装が見えた。


「はぁ・・・、これ全部着けなければいけませんか?」


総重量は考えたくもないです。


「伝統的な物ですので、必ずすべてお着け下さい。」

「・・・わかりました。」






しかし、ただでは帰しませんよ。






「では、」と、用が済んだため退出の礼をとり、扉を開けようとするリベルトに走り寄る。


「ちょっと待ってください」彼の腕をギュッと強く握る。そのまま彼の腕を引き寄せ自分の両腕で抱きしめる。

リベルトは、突然の行動に驚いているのか少し顔が赤くなっている。

「な、何でしょうか?」



リベルトと自分では20cm以上の身長差があるため、自然と見上げる形になる。

この世界で今自分は美しいと言われる容姿のはず。

そんな自分に見上げられたら・・・・。






ごめんなさい、目的のためにはすべての切り札を使わせていただきます。












「一歩前進ですかねー」ボフッと柔らかなベッドに横になる。



リベルトは帰りました。

明日彼の居住スペースがある騎士団棟の案内という約束を置いて。

先ほどまでの自分の行動を思い出すと自分の気持ち悪さに吐きそうなので、あえて詳しくは言いません。

元の世界でやってたら警察呼ばれそうですね・・・・






まぁ、とにかく、




「男はどの世界でも色仕掛けに弱い」




前回からかなり遅くなっちゃいました。


主人公が動き出しました。何が目的なのやら・・・


では、次回またお会いしましょう。

お読みいただきありがとうございました。

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