表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
NOESISーノエシスー  作者: 月乃瀬
NOESIS覚醒編
4/19

第四話  観測者

放課後。


因幡組の倉庫。


神崎蓮は椅子に座りながら、

因幡剛のサンドバッグ打ちを眺めていた。


ドン。


ドン。


ドン。


拳が沈む。


鉄骨が軋む。


普通ならあり得ない。


人間の拳で出る音じゃなかった。


「相変わらず馬鹿みたいな威力だな」


蓮が言う。


剛は鼻で笑う。


「うるせぇ」


ドン。


さらに一発。


サンドバッグが大きく揺れる。


「中学空手日本一なんだろ」


「昔の話だ」


「全国?」


「ああ」


「へぇ」


蓮は特に驚かなかった。


今のNOESISから見れば、


それすらただの情報だった。


剛はそんな蓮を見て舌打ちする。


「お前マジで可愛げねぇな」



その時。


倉庫のシャッターが勢いよく開いた。


ガラガラガラ―――


空気が変わる。


数人の男。


ブランド物のジャケット。


高そうな時計。


だが目だけが濁っている。


剛の顔色が変わった。


「……テメェ」


先頭に立つ男を見て吐き捨てる。


「金城じゃねぇか」


男が笑う。


整った顔だった。


だが笑顔に温度がない。


「久しぶりだな因幡」


「はっ」


剛が鼻で笑う。


「元ボクシングオリンピック候補生がよ」


倉庫の空気が少し張り詰める。


「メダル確実」


「将来の世界王者」


「日本ボクシング界の希望」


剛は指を折りながら数えた。


そして吐き捨てる。


「そいつが今じゃ八咫烏の下っ端みてぇな真似してんのか?」


金城レオの笑顔が少しだけ消える。


「口が悪いな」


「事実だろ」


剛は肩を竦めた。


「才能も実力も本物だった」


「だが人格はゴミだった」


「だから全部失った」


沈黙。


金城は怒らない。


ただ静かに笑う。


その笑顔が妙に気持ち悪かった。


神崎蓮は初めて金城を見る。


NOESISが反応する。



金城レオ


年齢:17


元ボクシング日本代表候補


全国ジュニア王者


危険度:高


人格傾向:


支配欲


加虐性


反社会性



(……嫌な目だ)


蓮は思った。


強い弱いじゃない。


この男は。


人間を人間として見ていない。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ