ガンダムの世界観。連邦軍の志願兵だった可愛い男の娘の主人公はティターンズに転属し、新たな戦場を駆ける。グリプス戦役でニュータイプ能力が完全に覚醒し、仲間たちを守る為最後の戦場を駆ける。
二次創作になります。
宇宙世紀0087。
一年戦争から数年、地球圏は新たな火種に覆われていた。
連邦軍の志願兵として戦場を生き延びてきた彼は、戦歴を買われて新たな部隊へと転属される。
その行き先は、連邦軍内部の特殊部隊――ティターンズだった。
かつての彼は、ただ生き残るためにジムを駆っていた新兵だった。
しかし今は違う。
戦場を重ねるごとに研ぎ澄まされた直感、他者の感情を“流れ”として感じ取る異常な感覚――それはすでに芽生えではなく、確かな力になりつつあった。
そしてグリプス戦役が始まる。
戦場は地球圏全体へと拡大し、かつての仲間同士が敵味方に分かれて殺し合う地獄と化していた。
彼に与えられた新型機は、ティターンズの象徴たる高性能モビルスーツ。
そのコクピットの中で、彼は初めて“戦場そのもの”と繋がる感覚を得る。
――見える。
機体の動きではない。弾道でもない。
人の“意志”そのものが、光のように流れ込んでくる。
恐怖に震える味方。
死を覚悟した敵。
そして、自分自身の心臓の鼓動さえも、戦場の一部として広がっていく。
「やめろ……こんなの……!」
それでも戦いは止まらない。
彼がどれだけ拒絶しても、戦場は彼をニュータイプとして押し上げていく。
やがて彼の能力は完全に覚醒する。
戦場全体の“気配”を感じ取り、未来すら断片的に予測する領域へ。
しかしその力は、祝福ではなかった。
彼が感じ取るのは、勝利の可能性ではなく――
誰かが死ぬ“確定した未来”ばかりだった。
それでも彼は戦う。
守るために。
ティターンズの思想にも、連邦の腐敗にも、戦争の大義にも関係なく。
ただ目の前で消えていく命を、少しでも減らすために。
グリプスの宙域。最終局面。
戦場は崩壊し、無数のモビルスーツが光となって消えていく。
彼はその中心で叫ぶ。
「もう誰も……死なせない!」
その瞬間、彼の意識は戦場全体と完全に同期する。
敵も味方も関係なく、全ての“心”が流れ込む。
それは戦いではなく、祈りに近かった。
そして――
彼は最後の戦場を駆け抜ける。
生き残るためではない。
誰かを生かすために。
その姿は、後にこう語られることになる。
「グリプス戦役に現れた、名もなきニュータイプの残光」と。




