北の将軍様は心を入れ替えて国造りを始める。第一歩にガンプラ制作を始める
この小説はフィクションです。実在の人物・団体・事件等とは一切関係ありません
その日、平壌の中枢にある執務室は、いつもと違う静けさに包まれていた。
分厚い報告書の山の代わりに、机の上に置かれていたのは――真新しいプラモデルの箱だった。
「……これが“ガンプラ”というものか」
北の将軍様は、ゆっくりと箱を手に取る。そこには、精密なロボットのイラストと、無数のパーツランナーが描かれていた。
数日前、彼はある決断をした。 国を変える。そのためには、まず自分が変わる必要がある、と。
軍事や統制ではなく、創造と文化から国を立て直す。その第一歩として、彼は「手を動かすもの」を選んだ。そして偶然手にしたのが、ガンプラだった。
「……国家運営も、これと同じかもしれんな」
独り言のように呟きながら、ニッパーを手に取る。
パチン。
最初のランナーが切り離された瞬間、小さな達成感が生まれる。
「ほう……悪くない」
次々とパーツを切り離しながら、彼は不思議な感覚に包まれていく。 命令ひとつで動く世界ではなく、自分の手で組み上げていく世界。 失敗すればやり直し、工夫すればより美しくなる。
それは、彼が今まで触れてこなかった「創る」という感覚だった。
数時間後、机の上には少し不器用ながらも、確かに形になったモビルスーツが立っていた。
「……完成だ」
彼はしばらく無言でそれを見つめたあと、小さく頷く。
「まずは小さなものを完成させることだな。国も同じだ」
その日から、将軍様の執務室には少しずつ変化が生まれる。 政策会議の横でガンプラが組まれ、技術者たちは「精密さとは何か」を模型から学び始めるようになる。
やがてそれは、国の空気を少しずつ変えていく“静かな第一歩”となっていった。




