表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/98

西遊記の孫悟空、天竺への旅が面倒だから1000人の分身作って速攻で旅を終わらす小説を書いて下さい!

二次創作です。原作とはまったく関係ありません。

──西遊記・最短攻略ルート──

 天界を追放され、五行山をも揺るがして脱出した孫悟空は、今日もいつものように頭をかいた。

「……天竺、遠くね?」

 隣では三蔵法師が経文を抱き、静かに歩いている。沙悟浄は荷物を背負い、猪八戒は早くも休憩をねだっていた。

 長安を出てからまだ序盤。それなのに悟空はもう悟ってしまった。

「これ、普通にやると何十年コースだろ」

 そして、面倒くさがりの妖仙は決断した。

「分身、千体。」

 瞬間、金色の光が爆ぜる。

 ──ボンッ、ボンッ、ボンッ!

 山の斜面、川辺、空中、雲の上。ありとあらゆる場所に孫悟空が現れた。

「じゃ、各自ルート分担な」

 分身たちが一斉に頷く。

「了解、本体」 「妖怪退治担当いくぞ」 「地図解析完了、最短ルート確保」 「経文護衛班、問題なし」

 三蔵がぽつりと呟く。

「……増えましたね」

「効率化だよ、師匠」

 猪八戒は目を丸くした。

「オイオイオイ! こんなんズルだろ!」

「ズルじゃない、工夫だ」

 悟空(本体)は鼻を鳴らした。

 そして旅は、もはや“旅”ではなくなった。

 ある分身は東の妖怪山脈を一瞬で制圧し、ある分身は龍宮に行って通行許可をもぎ取り、ある分身は地獄に降りて閻魔大王に「すまん通る」とだけ言って道を開けさせた。

 天竺への道が、文字通り“同時並行処理”されていく。

 三日目。

「経文ルート安全確保しました」

「妖怪全滅しました」

「仏門通過申請、承認済みです」

 千の報告が空に響く。

 四日目。

 天竺が見えた。

 五日目。

 到着した。

 三蔵は静かに手を合わせた。

「……早かったですね」

 悟空本体は空を見上げる。

「これが文明の勝利ってやつだな」

 猪八戒は疲れ果てて寝転がった。

「俺の出番、ほぼねぇじゃん……」

 だが、その瞬間。

 天竺の仏たちがざわついた。

「何千もの悟空が同時に到着しているぞ」 「規格外すぎる……」 「旅という概念が壊れた……」

 そして、釈迦如来は静かに笑った。

「面白い。だが、これもまた一つの悟りである」

 悟空は肩をすくめた。

「だろ?」

 こうして西遊記は、誰も想定していなかった最短記録──五日で終了した。

 ただし後世の記録にはこう書かれる。

『孫悟空、旅をサボるために世界の概念を少し壊す』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ