雪のトランスレーションイーチ
「(東一局一本場も中盤か……)」
俊輝の手牌はバラバラ。もう降りるしかないと踏んだ俊輝は捨て牌の状況を確認する。
「(福田はタンヤオか。なら簡単だな。しっかし、優稀菜……)」
俊輝は優稀菜の捨て牌を見て首を傾げる。
さっきからずっと優稀菜はツモ切りばかりしているのだ。字牌、ドラ牌、赤ドラ……全部お構いなしにツモ切っていやがる。……まるで戦う気がないように。……一方。
「(くっそ。なに考えていやがる?)」
俊輝と同じことを考えていた男が正面にいた。……福田だ。
「(テンパイはした。……だが! 甘すぎる!)」
タンヤオがバレバレのため動くに動けない福田。伍・八萬の両面待ちのタンピンドラドラだ。八萬で三色が付く。だが、八萬はあと一枚しかなくドラ牌だった。
「(……ツモるか)リーチだ」
福田は和了ることを優先し、リーチを仕掛けた。……そのとき。
「…………っ」
「……!?」
俊輝と福田が優稀菜の顔を見てゾッとした。
『(優稀菜が……笑った……?)』
リーチを宣告した瞬間、薄気味悪く優稀菜が笑った。それは俊輝ですら見たことがないなんとも暗く、冷徹な笑顔だった。
そして優稀菜のツモ。
優稀菜が出した牌は……八萬。
「ろ、ロンだ!」
福田は戸惑いながらもロン。リーチと一発、三色が付き、さらに裏ドラがふたつ乗った。……三倍満だ。
「さ、36000で終了だ。飛んだな?」
「はい。飛びました」
あっさりと優稀菜が認める。……なんと、馬場と福田にとっての真剣勝負があっという間に終わってしまった。
To be continued




