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婚約破棄された公爵令嬢ですが、実は水の女神の娘でした~海の神に溺愛されて、王都には戻れません~  作者: 第三次ニート危機


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19/21

18話

アクセスいただき、ありがとうございます。


プロットを見直していて、遅くなりました。。。

ライオネルが、エウフェミアを訪ねた夜、港町には、静かな夜が訪れていた。

食堂の灯りは既に落ち、聞こえるのは波の音だけだ。

エウフェミアは自室の窓を開け、潮風を受けながら夜の海を見つめていた。


「……疲れたわ」


誰に言うでもなく呟いた。

久しぶりにライオネルと向き合った。

思っていたより平静でいられた。

しかし、胸の奥は小さな棘が刺さったように痛んでいた。


ふと、窓の外で名前が呼ばれた気がした。

食堂の裏庭に視線を向けると、オーシャンが上を見上げている。

エウフェミアと目が合うと、にっこりと笑い、大きく手を振った。


「どうしたんだ? 沈んだ顔をしているが」


オーシャンは問いかける。


「そうかしら?」


「そうだ」


オーシャンは即答した。


「ずっとお前を見てきたからな。どんなに平気な顔をしていても分かるさ」


エウフェミアは思わず苦笑する。


「恥ずかしいわね」


「何がだ?」


「そんなに見られていたなんて」


「今更だろう」


オーシャンはクスリと笑った。


そして、ふと思い出したように海の方へ視線を向ける。


「少し散歩でもするか? 夜の海中も綺麗だぞ」


エウフェミアはしばらく迷った末、小さく頷いた。


「……そうね、少しだけ付き合ってもらおうかしら」


「よし」


オーシャンは満足げに笑った。


数分後。

2人は夜の海へ足を踏み入れていた。

珊瑚礁の並木の間を歩く2人を、水の精霊たちがチラチラと照らす。

エウフェミアは静かに口を開いた。


「この時間も海中はとても素敵ね。町中の喧噪から逃れたような気がして、とても落ち着くわ」


「そうか」


オーシャンは静かに微笑んだ。


「今日は色々あったからな」


エウフェミアは足を止める。

水の精霊たちが、まるで心配するかのように彼女の周りを漂った。


「……ええ、そうね」


エウフェミアはふんわりと微笑む。


「この場所に来ると、不思議と心が軽くなるわ」


「それなら、連れてきた甲斐があったな」


2人の側を、小さな魚の群れが横切った。

水の精霊たちは楽しそうにその後を追いかけていく。

エウフェミアはその様子を見つめ、ふっと笑った。


「賑やかね」


「お前が来たからだろう」


「私が?」


「ああ、あいつらもお前が好きだからな」


オーシャンはまっすぐ前を見ているエウフェミアを優しく見つめた。


「……オーシャン」


エウフェミアは声をかける。


「なんだ?」


「今日、ライオネル様と話していて思ったのよ」


「何をだ?」


「私たちは、きっと最初からお互いを知ろうとしていなかったのだわ」


オーシャンはしばらく何も言わなかった。

水の精霊たちが2人の周りをくるくると踊っている。

やがて、彼は静かに口を開いた。


「……そうかもしれないな」


エウフェミアは、ゆらゆらと月の光に揺れている海面を見上げた。


「私は、ライオネル様のことを知っているつもりだったの」


「……」


「でも、本当は何も知らなかったわ」


オーシャンは否定しない。


「向こうも同じだったんだろうな」


「ええ。だから、少しだけ悲しかったの」


エウフェミアは瞳を揺らした。


「今日、謝ってくださったでしょう?」


「ああ」


「あの時になって初めて、ライオネル様と本心から話せた気がしたのよ」


オーシャンはこれを聞いて、答える。


「だが、お前は十分に頑張っていた」


「……」


「お前一人が歩み寄っても、どうしようもないことはある」


エウフェミアは小さく笑った。


「ありがとう」


オーシャンは何も言わず、ただ微笑んだ。

月明かりが差し込む海中を、水の精霊たちが静かに舞っていた。


水の精霊

『しずかにしてたよ!!』

『みまもってた!』

『いいふんいき』


オーシャン「......感謝する」



最後までお読みいただきありがとうございます。

もし少しでも「面白い」「続きが気になる」と思っていただけましたら、ブックマークや評価で応援いただけると励みになります。


感想もとても嬉しいです。今後の執筆の参考にさせていただきます。


引き続き、本作をよろしくお願いいたします。

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