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少女と従者を救う

 遺跡の村に拠点を作ってから数日後。

 リクは村周辺の探索をしていた。

 目的は食料の確保と、周辺地理の確認。

 特に、放置された街道の調査は重要だった。

「昔は結構人が通ってたんだろうな……」

 草に埋もれた石畳を見ながら、リクは呟く。

 その時だった。

 ――ガタンッ!!

 遠くで何かが崩れるような音が響いた。

「!?」

 リクは反射的に走り出す。

 森を抜け、小径から大通りへ出た瞬間。

「……馬車?」

 街道の真ん中で、馬車が横転していた。

 荷物が散乱し、近くには二人の人影。

 一人は金髪の少女。

 もう一人は従者らしき男だった。

「おい! 大丈夫か!?」

 リクは駆け寄る。

 少女は気を失っていた。

 額から血が流れている。

 一方、護衛の男は腕を深く切られていた。

「魔物に襲われたのか……?」

 周囲を警戒する。

 だが、すでに敵の気配はない。

 すると、

「何かあった?」

 後ろから声がした。

 振り返ると、ユーコが立っていた。

 白銀の髪を揺らしながら、倒れている二人を見下ろす。

「魔物の仕業だな」

「襲撃されたっぽい」

 ユーコはしゃがみ込み、少女の傷を見る。

「……まだ助かる」

「治せるのか?」

「ヒールくらい使える」

 ユーコは少女の額へ手をかざした。

「《ヒール》」

 淡い白光が溢れる。

 すると裂けていた傷口が、ゆっくり塞がっていった。

「おお……」

 リクは思わず感嘆の声を漏らす。

 続いて、従者の腕にも魔法を使う。

 こちらは傷が深かったため、完全には治らない。

 だが出血は止まり、呼吸も安定した。


「とりあえず、村へ運ぶか」

「うん」

 二人を馬車の荷台へ乗せ、遺跡の村へ向かう。

 夕陽が森を赤く染めていた。

 その道中。

 リクは少女の顔をちらりと見る。

 整った顔立ち。

 服装も高価だった。


-------------------


 遺跡の村へ戻った後。

 少女と護衛の男は、ギルド跡の一室で休ませていた。

 ユーコのヒール魔法のおかげで命に別状はない。

 特に護衛の男など、本来なら助からない傷だった。

 腕は失ってしまったものの、出血は完全に止まっている。

 1時間後。

 暖炉の前で目を覚ました少女は、慌てて起き上がった。

「ここは……っ!?」

「落ち着け。安全だ」

 リクが声をかける。

 少女は一瞬警戒したが、隣で眠っている従者を見て、少しだけ安心したようだった。

「……助けて、くださったのですか?」

「まあ成り行きで」

 リクが苦笑すると、少女は深々と頭を下げた。

「ありがとうございます。私はクリスティーナと申します」

 年齢は十五、六歳くらいだろうか。

 上品な口調と服装からして、かなり良い家柄らしい。

 一方、護衛の男も目を覚ました。


 少女と従者は、この先の西側にある町の学校に通っている少女を迎えに行って帰って来たところらしい。盗まれたのは、従者が主に頼まれて町で購入した品々らしい。


「お嬢様のせっかくの休日を・・・」


従者は片腕を失っているのに、少女の心配ばかりしている。


「あなたのほうが、大変な状況じゃないですか? ちょうど俺達も町に行こうと思っていたところだ。一緒に送って行かせて貰えないか?」


「ありがとうございます。本来でしたら、片腕を失うよなケガをすれば、生きているだけでも奇跡です。どのような治療をしていただいたかわかりませんが、この上、ご一緒していただけるなら、是非、主にご案内させて下さい」


「分かった。今日中に帰らないと、主が心配するか?」


「だいぶ日は暮れて来ましたが、それほど遠くはありませんので、出来れば今日中に・・・」


「ユーコ、どう思う。」


こちらも、戦力はユーコだけなので、ユーコに確認した。


「恐らく、襲ってきたのは、西の盗賊。反対側に行くのであれば問題ない。」


そういうことで、俺達は馬車に乗って、東側の町へと向かった。


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