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頼もしい応援

 王都の民は「三度の飯より敵討ちが好き」だった。

 誰かが理不尽に傷つけられた時。

 泣き寝入りする者よりも、立ち上がる者が尊ばれる。

 だからこそ今回の事件は、王都中の注目を集めることになった。

 次期国王であるヨッシー公が誘拐された。

 そして無事に生還した。

 ならば次は何か。

 敵討ちである。

 もしヨッシー公が堂々と犯人に立ち向かい、これを打ち破れば、

「次の王に相応しい」

 と民衆は喝采を送るだろう。

 逆に何もしなければ、

「徳はあるが覇気がない」

 と見なされる。

 この戦だけは負けることが許されなかった。


------------------


俺達もさっそく、村から応援を呼んだが、結局、応援に来ることができたのは村人の一般人4人だけだった。

「敵討ちと聞きまして、馳せ参じました。」

「斬り合いになるが、大丈夫か?」

「刀なら持参しもうした。我々はこのような日のために、修練を重ねて来てごさる。」

「修練?」

「はい。」

 そこで初めて四人の過去を聞くことになった。


------------------


 今から二百年以上前。

 彼らが生きていた時代。

 最初の王国は滅亡した。

 その原因の一つに敵討ちがあったという。

 当時は今のような制度がなかった。

 一回勝負で終わりではない。

 敵討ちをされた側が再び敵討ちをする。

 さらにその親族が報復する。

 またその家が復讐する。

 そうして再敵討ちが繰り返された。

 百年続く家同士の抗争すら珍しくなかったという。

「恐ろしい話だな。」

 俺は思わず呟いた。

「はい。」

 四人も頷いた。

「そして我らの主も、その争いに巻き込まれました。」

 静かな声だった。

 だがその奥には深い無念があった。

「主君は理不尽に討たれました。」

「……。」

「我らは敵討ちを誓いました。」

 しかしその直後。

 石化事件が起きた。

 気付けば二百年後の世界だった。

 仇も。

 仇の子孫も。

 関係者も。

 全て歴史の彼方へ消えていた。

「敵討ちする相手がいなくなってしまったのです。」

 そう言って四人は苦笑した。

 長年抱えていた怒りの行き場がなくなり、浪人になってしまったのである。

「だから我々は修練だけを続けました。」

 するとユーコが頷いた。

「強い。」

「よし。」

 俺は立ち上がった。

「とりあえず四人に任せるか。」

「うん。」

 ユーコも頷いた。


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