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玉鋼の出どころ

文章としてはとても面白いので、オチを強化しつつ、リクの驚きと「時代の違い」を少し強調するとさらに印象的になります。

 村へ戻ると、ちょうどハンドレッド・ストーンズの四人が酒場で食事をしていた。

「おお、リク殿。鉄のほうは大丈夫でしたか?」

 戦士が気軽に声をかけてきた。

「大丈夫どころじゃない。」

 俺は椅子に腰を下ろし、大きくため息を吐いた。

「ノルドが玉鋼だって大騒ぎしてたぞ。」

「驚く事ではないような気がしますが?」

 四人は顔を見合わせ、不思議そうにしている。

 俺は嫌な予感がした。

「確認なんだが、その鉄って二階で採れたやつだよな?」

 すると四人は揃って首を傾げた。

「八階ですよ。」

「鉄を集めろと言われたので。」

「……は?」

 一瞬、言葉の意味が理解できなかった。

「八階?」

「はい。」

「二階じゃなくて?」

「はい。」

「二階の鉄は品質が悪いですし。」

「八階の鉄のほうが良い物が採れますから。」

 まるで近所の畑へ野菜を採りに行ったかのような口調だった。

 俺は頭を抱えた。

「待て待て待て。」

 理解が追いつかない。

「八階って危険なんじゃないのか?」

「それほどでも。」

 リーダーがあっさり答える。

「石化される前は、よく行っていました。」

「お前ら何者だよ。」

 すると四人は本当に不思議そうな顔になった。

「何者と言われましても。」

「ただの冒険者ですが。」

「ただの村人です。」

「暇な時に潜っていただけですし。」

 いやいやいや。

 俺は思わず天井を見上げた。

 どうやら俺は大きな勘違いをしていたらしい。

 石化から復活した住民たちは一般人だと思っていた。

 だが違う。

 彼らは二百年以上前の黄金時代を生きていた人間なのだ。

 ユーコも言っていた。

 昔の人間は今より遥かに能力が高かったと。

「ユーコ。」

「うん。」

「もしかして、こいつら強いのか?」

「強い。」

 即答だった。

「かなり強い。」

「もっと早く言えよ。」

「聞かなかった。」

 確かに聞いていない。

 俺は頭を抱えた。

「ちなみに八階には何がいるんだ?」

 四人は少し考え込んだ。

「アイアンゴーレムですね。」

「数は?」

「二十体くらいでした。」

「どうやって倒した?」

「普通に。」

 全員が頷いた。

 普通らしい。

 俺は深くため息を吐いた。

 どうやら遺跡の村には、自分たちの価値をまったく理解していない化け物級の冒険者が四人も住んでいたらしい。

 そしてノルドが震え上がるほどの玉鋼は、その化け物たちがダンジョン八階で「ついで」に拾ってきた物だった。

 普通とは何なのか。

 俺にはますます分からなくなってきた。

 だが一つだけ確かなことがある。

 この村の復興は、俺が思っている以上の速度で進むかもしれなかった。


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