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ハンドレッド・ストーンズ誕生

 ポーション騒動から数日後。

 遺跡の村では、問題が起きていた。

「ポーションが足りない」

 町で売った結果、予想以上に人気が爆発したのだ。

 しかも、

「追加注文入りました!」

 ランケが紙束を抱えて走ってくる。

「今度は貴族街の薬屋からです!」

「増えてるぅ……」

 完全にブランド化していた。

 だが、問題はドロップ狙いだった。

 ダンジョンへ潜っているのは、ほぼリクとユーコだけ。

「俺たちだけじゃ回らないぞ……」

「かなり忙しい」

 ユーコも頷く。


 そこで、村の広場に、人を集めることになった。

「冒険者経験者、いるかー?」

 すると。

 四人が前へ出てきた。

「元銅級冒険者です」

「斥候やってました」

「私は回復術師です」

「盾役ならできます」

 どうやら、石化されていた住民の中に、元冒険者がいたらしい。

「……ちょうどいいな」

 リクは頷く。

 四人を見回した。

 一人は短剣使いの青年。

 一人は槍を持った女性。

 一人は大柄な盾戦士。

 最後は、眼鏡をかけた神官風の少女。

「即席になるけど、パーティー組めるか?」

 四人は顔を見合わせる。

 そして、

「やります!」

 真っ先に答えたのは、盾戦士の男だった。

「この村には恩がありますから!」

 他の三人も頷く。


 リクは眷属樹の木材で装備を即席で作った。

「軽っ!?」

 盾戦士が驚く。

「なのに丈夫……!」

「すごい武器ですね……」

 普通の木材ではない。

 《世界樹の眷属樹》製である。

 軽量。

 高耐久。

 魔力伝導あり。

 初心者装備としては破格だった。


 そして、即席パーティーの名前を決めることになった。

「名前必要なのか?」

「冒険者は大体つけます」

 ランケが説明する。

 すると、短剣使いの青年が言った。

「この村、石畳が綺麗だったんですよね」

 確かに。

 遺跡の村には、今でも古い石畳が残っている。

「じゃあ……『ハンドレッド・ストーンズ』とか?」

「いいな」

「悪くない」

「可愛いです!」

 こうして。

 即席パーティー『ハンドレッド・ストーンズ』が誕生した。


 翌日。

 彼らは緊張した顔でダンジョン入口へ立っていた。

「行ってきます!」

「気をつけろよ」

 リクが手を振る。

 ユーコは静かにダンジョンを見つめていた。

「もし強い魔物出たら、逃げる」

「はい!」

 そして。

 四人は、一層へ降りていく。

 しばらくして。

「うおおおお!?」

「スライム速い!?」

「きゃあああ!」

 入口付近から悲鳴が聞こえてきた。

「……大丈夫かな」

「たぶん大丈夫」

 数時間後。

 ボロボロになった四人が戻ってきた。

「し、死ぬかと思った……」

「スライムってあんな跳ねるんですね……」

「盾ベタベタです……」

 だが。

 彼らの荷袋には、大量のポーション瓶が入っていた。

「おお!」

 リクが目を輝かせる。

 さらに。

「ゴールドも結構あります!」

 小銭も大量だった。

 村人たちが歓声を上げる。

「これで塩買える!」

「布も買えるぞ!」

「村が豊かになる!」

 四人は、少し誇らしそうだった。

 自分たちも、この村を支えている。

 その実感があった。


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