遺跡ダンジョン
「ゴゴゴゴゴ……」
重々しい地響きと共に、巨大な石扉がゆっくりと開いていった。
百年以上閉ざされていた遺跡のダンジョン。
遺跡の村が復活したことで、封印されていた機構も再び動き始めたらしい。
扉の隙間から、冷たい空気が流れ出てくる。
「……すごい魔素だ」
ユーコは思わず呟いた。
空気が重い。
まるで濃霧の中へ入るみたいだった。
だが同時に、不思議な高揚感もある。
「よし、行くぞ」
「うん」
ユーコはいつもの無表情で頷いた。
ちなみにせっかくのS級装備は使わず、武器は棒切れだった。
「本当にこれでいいのか?」
「大丈夫」
そんな会話をしながら、二人はダンジョンへ足を踏み入れた。
内部は薄暗かった。
壁には青白い魔石が埋め込まれており、ぼんやりと通路を照らしている。
床は石造り。
所々に古代文字のような模様も刻まれていた。
「なんかゲームみたいだな……」
リクは少し興奮していた。
すると。
ぴょん。
通路の奥から、何かが跳ねてきた。
「お?」
現れたのは半透明の青い物体。
ぷるぷるしている。
大きさはバスケットボールくらい。
「スライム」
ユーコが説明する。
「初心者用魔物」
「おお、本当にスライムだ……!」
リクは妙に感動した。
前世のゲーム知識そのままである。
「これなら俺でも勝てそうだな」
リクは拳を握る。
するとスライムが、
ぴょーん!
勢いよく飛びかかってきた。
「うおっ!?」
慌ててパンチ。
べしゃっ。
スライムが壁へ吹き飛び、そのまま消滅した。
「……倒した?」
その瞬間。
ぽとり、と地面に小瓶が落ちた。
さらに小さな金貨も転がる。
「え?」
リクは拾い上げる。
《HPポーション》 《HPを10回復する》
「ゲームだこれ!?」
「ダンジョンだから」
ユーコが当然みたいに言う。
「いや、モンスターがアイテム落とすの普通なの!?」
「普通」
異世界すごい。
すると今度は別方向から、ぴょんぴょんと複数のスライムが現れた。
「増えた!」
「いっぱい来た」
ユーコは棒切れを軽く振る。
バシィッ!
一撃でスライムが弾け飛ぶ。
「強っ」
「スライム弱い」
確かにその通りだった。
リクも拳で次々殴る。
「おりゃあ!」
べしゃっ。
「せいっ!」
ぷちゅっ。
敵を倒すたびに、小さなポーションと1ゴールドが落ちる。
「これ、地味に儲かるのでは?」
「初心者向けだから」
しばらく進むと、いつの間にか大量のポーション瓶をゲットしていた。
「……増えたなぁ」
「そろそろ帰ろう」
「そうだな。初日だしな。」
二人は顔を見合わせる。
気づけば、かなり奥まで来ていおり、地下へとの階段も見つけることが出来た。




