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お社
あの頃と何一つ変わっていない。巨大な鳥居から参道を眺めると、ヒラヒラと落ち葉が舞っているのが見える。そしてその葉が石畳を彩っていく。大切にされている感触がある。何時でも神様が戻ってきても良いように、人の手が入っている。
あたしは二人の方を向くと、一つ問いかけをした。
「ど? 二人とも何か感じる?」
「いんや。何も」
「私も」
「そ」
これだとよく見えない。眼鏡を外して大きく目を見開いた。さっきまでの暖かみさえ感じる景色の中に、無数の塵共が密集していた。空間が澱んで渦を作る。まるで竜巻のように。
兄貴の腕を小突き、眼鏡を渡した。これからはきっと不要になる。今だけはこの盲が役に立つ。あたしは前を向いたまま一歩進む。
「ここから先、あたしだけに任せてくれない?」
「..............」
横目で兄貴を見ると、物凄く厳しい顔で口を引き結んでいた。それからあたしの腕を掴んでそれ以上の歩行を阻害する。行くな、とでも言うように。..............行かせたく無いんだと思う。その行動の通りに。
凛が躊躇いなく突っ込んで行くのって、ある意味自分の為なんです。
余計な残穢を排除したら、視界は綺麗になるでしょう?




