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眼力を強めて周りを威嚇する。無数の腕が伸びてくる。触れそうになった途端に手で弾き飛ばし、蹴りを飛ばす。気安く触んな。それでも手が止まることはない。
「何をしているんだ。お前達」
人混みの山を超えた先。そこから良く通る声が聞こえてきた。トーン的に男性。落ち着いていて聞き取りやすい。その声は無数に伸ばされた手を抑制する。相手共の行動が止まった事を確認し、攻撃をやめる。声のした方を睨めつけると、海でも割ったように人の群れが真っ二つに避けた。警戒は解かない。
「..............何者?」
年相応の生意気さで睨めつける。それでも大概の者は恐れて目を逸らす。そんな眼力だ。彼はそんなあたしを一瞥すると、さも愉快そうな笑い声を上げた。
「自分から名乗るのが人間達の筋だろう?」
「それは人間間のルールだよ。人以外だと連れ去られる」
この世界に人は居ない。それは周りの連中を見ても明らかだ。気配からも人間のような感触は得られない。ならば名乗ってはいけない。思わず舌打ちしたくなるような感情を抑え、出来る限り冷静な声音で続ける。
「あんたには名乗らない。だって人間じゃない」
「じゃあ何だと思う?」
彼は童話に出てくる猫のように笑った。先程と違う、シニカルな笑い。数歩前に出ると仁王立ちして下からガンを飛ばす。
「神様擬き」
「そりゃ良い!!」
私の回答に満足したように、今度こそ彼は腹を抱えて大笑いした。
一応、白無垢と世界観リンクしてるので。
『知らない人に名乗っちゃダメだよ!!』をそのまま引用。
認識されないって、やっぱり凄くしんどい事だと思います。
見てくれた人のこと、大好きになっちゃうくらい。




