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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第20章 探求と暗躍
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暗躍する者たち38

するとアイは、考えることなく即答する。


「別に構いませんよ。」


「そのように簡単に決めて、良いのか?」


「良いも悪いも、そもそも最初に言いましたよね。

やるからには最後までやりきるって。」


「確かに言われたが・・・」


「それに貴女も言いましたよね。

最後まで付き合うって。」


「確かに言ったが・・・」


「だから、今更ですよ。」


「そうか、今更か・・・」


「ええ、今更です。」


「・・・わかった。

そういうことなら、続きを頼む。」


「はい、頼まれました。」


この話は一段落、そう思ったところへ主の女性が別の方向に話を変える。


「その前に、情報共有してもらうための対価について確認したい。

どうか私の全てを差し出すということで納得してはもらえないだろうか?」


これに対してアイが答えるよりも先に、護衛の二人が止めに入る。


「それはいけません、主様!」

「駄目だよ、主!」


話の腰を折られたと感じたのか、主の女性が不機嫌に二人を拒絶する。


「ツクヨミ、アシュラ、お前たちは黙っていろ。

今交渉しているのは私だ。」


しかしその程度で引き下がるわけも無く、二人は続けて代替え案を出してきた。


「そのご命令は聞き入れられません!

差し出すのであれば、どうか私かアシュラを!」


「ツクヨミの言う通りだぜ!」


聞く耳を持たない主の女性は、二人の提案を却下する。


「それは駄目だ。

これは私が私のために必要な情報共有なのだから、当然対価も私が払うべきだ。」


更に二人が食い下がってくる。


「であれば尚更でございます。

私もアシュラも、既に主様の所有物でございます。

ですので、対価として差し出すのであれば、私たちのどちらかでお願いいたします。

ただ私たちは主様の護衛が最も重要な役目でございます。

どちらか片方は手元に置いていただくよう、どうかそれだけはお願いいたします。」


「私もツクヨミの意見に賛成だ、主。」


「却下だ。

そんなことをしては、彼女に申し訳が立たない。」


「主様が対価となってしまいましては、私たちも創造主に申し訳が立ちません。

それは私たちの存在意義が真っ向から否定されることになります。」


「その通りだよ、主!」


互いに一歩も引かない状況の中、それまで静観していたアイが申し訳なさそうに仲裁に入ってきた。


「・・・あのぉ、白熱した議論をしているところ悪いんですけど、別に対価はいらないですよ。」


「何だと!?」

「何故です!?」

「何で!?」


驚く三人に、アイは理由を説明する。


「簡単な話ですよ。

そちらに情報を共有することで、こちらにとっても利があるからです。

それだけで十分お釣りが出ます。」


アイの簡単な説明に納得するわけも無く、主の女性は詳細な説明を求めてきた。


「情報共有することに利があるだと?

どういうことだ?」


「それは、私の話を聞いてもらってからです。

先にお伝えしておきますが、私たちの最終目的は同じはずです。

ですが、その過程が真逆と言っていいような方法になります。

そのため情報が不足している今の貴女方にとっては信じがたい手段です。

なので、まずは最後まで話を聞いてほしいのです。

どうでしょう?」


アイの前置きを聞き、主の女性は二人にも意見を求めた。


「・・・ツクヨミとアシュラはどう思う?」


「私といたしましては、主様の安全が約束されるのでしたら、主様のご決定に従います。」


「主の思うようにしたらいいと思うぞ。

俺もそれに従うぜ。」


二人が自分の判断に従うと答えたので、主の女性は自分の直感に従った。


「そうか・・・わかった。

私はお前の、アイのその言葉を信じよう。

ツクヨミとアシュラもそれでいいな?」


「はい、主様の御心のままに。」


「まぁ黙ってもらえるものをもらっとけばいいところを、わざわざ断るお人好しなら大丈夫でしょ。」


「ということだ、アイ。

私たちの腹は決まった。

まずは最後まで話を聞かせてもらおうか。」


「わかりました。

では前置きや建前は一切抜きにして、今現在こちらが把握している情報を共有しましょう。」


「頼む。」


「それと先に言っておきますが、共有する情報には、貴女方があえて隠している情報も含まれます。

これらを説明しないわけにはいかない内容があることを、あらかじめ伝えてきます。

いいですね?」


「構わん。

覚悟はできている。」


「言質は取りましたよ。

では、まずは貴女方の目的について確認します。

アカシックレコードシステムの真の目的、封印している脅威を完全に消滅させること、これに間違いは無いですね?」


覚悟はできている、という言葉は本当だったようで、主の女性はアイの話に驚くことなく自然に受け入れた。


「やはり知っていたか。

そうだ、その通りだ。

私たちでは脅威を完全に消滅させることができなかった。

そのためアカシックレコードシステムの動力の一部に組み込んで無理矢理エネルギー徴収することで休眠させている。

それでどうにか封印できている状態だ。

そしてアカシックレコードシステムは、その脅威の封印監視と完全消滅させる方法を探す目的で稼働している。」


だが次のアイの話は予想外だったようだ。


「それなんですけど、表向きは上手くいってますが、実際には完全ではないみたいです。

なので互いに持ちつ持たれつのような状態になってますよ。

そもそもアカシックレコードシステムからして、想定外の状態で奇跡的に動いていますからね。

事前に聞いて知ってはいましたが、実際に接続して確認し、その無理矢理な状態に改めで驚きました。

こんな状態でよく今まで稼働できたものだと、逆に感心してしまいます。」


「何?

どういうことだ!」


驚きのあまり思わず強い口調になった主の女性だったが、アイは気にせず説明を続ける。


「アカシックレコードシステムは基本的に、二つの制御機能、三つの補助機能、一つの中枢核から構成されています。

その中でも三つの補助機能と一つの中枢核は稼働に必須です。

ですが制御機能だけは例外で、一つでも稼働するように設計されています。

これは長期的な連続稼働を行うためです。

そしてそれぞれの機能を動かすには、ユニットと呼ばれる生体部品、適性を持った生命体が組み込まれる必要があります。

それは理解していますよね?」


まずは自分の知る内容だったからか、主の女性は少し冷静さを取り戻したようで、普通の口調で答えた。


「当然だ。

私もその内の一つだからな。」


「そうですね、貴女は第一制御機能のユニットを長年務めてきました。

第二制御機能のユニットは長年空席でしたが、今は私が代役を務めています。

そして第一補助機能と第二補助機能のユニットは、当初から予定していた人物たちが務めています。

ただし、本人たちの意思を無視された状態で、ですが。」


アイはあえて誰なのかをぼかして話したのだが、主の女性の方からわざわざ補足を追加してきた。


「賢知神アルベルと武法神カルインのことだな。」


「おや?

正解ですが、その二人のことは隠さなくてもいいのですか?」


「当然知っているか。

二人については問題無い。

それに今更隠しても仕方あるまい。

だから今後も隠す必要はない。」


「そうですか。

わかりました、そうします。

しかし記録には残ることは忘れないでくださいね。」


「わかっている。

だが情報を漏らすようなヘマはしないだろう?」


「愚問ですね。」


「だろうな。」


「では話を戻しますが、ついでにその人選に至った経緯についても一応確認しておきましょうか。

それは、事前に貴女方の安全を確保しつつ相手の暴走を防ぐため、ですね?」


アイに確認され、主の女性は嫌なことを想い出したようで、少し表情が険しくなりながら答える。


「・・・そうだ。

下世話な話だが、アルベルとカルインは昔から私や彼女のことを女として狙っていた。

しかし正面からでは分が悪いと考え、まずは秘密裏にクーデターを起こして私たちを除く空中都市の全てを掌握しようとしていた。

さすがにそれは看過できず、事を起こす前に捕らえてアカシックレコードシステムの終身生体部品となることを科したのだ。」


「貴女方にとっては、都合のいい生体部品が手に入り、邪魔者も排除できた。

まさに一石二鳥だったというわけですね。」


一切取り繕わないアイの言葉に、主の女性は誤魔化すことなく当時の感情のまま答えた。


「否定はしない。

私も彼女も、連中が事を起こす直前まで、監視のみに止めて静観していたからな。

だが後悔は一切ない。

当然の報いだ。」


「別に貴女方を非難するつもりはありませんよ。

本人たちの自業自得であることは明白ですからね。

私は妥当な罰だと思いますよ。」


アイの同意に主の女性は複雑そうな表情を浮かべるしかなかった。


「そうか・・・」


そんな雰囲気を変えようと、アイは更に突っ込んだ話をしてくる。


「ただクーデターについては、その二人だけで計画したとは本気で思っていませんよね?」


主の女性も気を取り直して答えた。


「当然私たちも別に黒幕がいる可能性を考えた。

アルベルもカルインも馬鹿ではないが、策を講じるタイプではない。

他にそそのかした者がいると疑った。

だがすぐに黒幕を探せる状況ではなくなってしまった。」


「直後に別の人物が主導したクーデターが起こったからですね。」


ここまでくるとさすがに慣れたのか、主の女性はアイが自分が知っていることを知っていても、それほど驚かなくなっていたのだった。

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