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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第20章 探求と暗躍
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暗躍する者たち30

「話を変えるぞ。

これまで他に外部からアカシックレコードシステムにアクセスしてきた者はいるか?

正規、不正規問わずだ。」


「おります。

頻繁に正規のIDでアクセスをしてくる者が一名。

開発中に使用されておりましたテスト用IDで正規のアクセスを試みた者が三名。

未知の方法とIDで正規のアクセスをしてきた者が三名。

他にもID無しで非正規アクセスを試みた者が多数おりました。

しかしこれらは全てこちらの存在を隠して拒否いたしております。

以上になります。」


「それぞれ詳細の説明を。」


「承知いたしました。

まず頻繁に正規のIDでアクセスをしてくる者でございます。

こちらは稼働後から現在に至るまで、数日おきにアクセスしてきております。

主な目的は、記録の検索と確認、それと安易な記録の改竄でございます。

それ以外の操作は確認されておりません。」


「この者が彼女である可能性は?」


「断言いたします。

この者は創造主ではございません。

何故ならアクセス時の権限が、管理者特級権限第二種限定の下級一時使用者であるからでございます。」


「最下級の管理者権限はありえんな。

彼女であれば、最上位の管理者特級権限で制限を受けることなど無いはず、か。」


「その通りでございます。

しかもこの者は自分の都合がいいように、事実を捻じ曲げて記録を改竄しております。

創造主はそのようなこと、絶対にされません。」


「私もその意見に同意だ。

となれば、研究に関わっていた者か?」


「いいえ、そうではございません。

経緯は不明でございますが、研究に関わっていた者から奪ったIDのようでございます。」


「その判断の根拠は?」


「稼働前にこのIDが使用された際は、使用者の性別は女性でございました。

しかし稼働後に使用した者の性別は男でございます。

これは認証時のスキャンによって、肉体と精神の両方が男であることを確認しております。」


「間違いないようだな。

正体はわかっているのか?」


「はい。

しかしこの場では、今はその名や素性を口にすることは控えさせていただきます。」


「わかっているならそれでいい。

報告は後で構わない。

次の詳細説明を。」


「承知いたしました。

次は開発中に使用されておりましたテスト用IDで正規のアクセスを試みた者たちでございます。

こちらはあくまでもテスト用でございますので、アクセスの可否のみ確認できるIDでございます。

どれも時期や場所、使用されたIDは違うものでございました。

結果といたしまして、三名とも未登録場所からアクセスし、接続のみ成功しております。

しかし接続のみのため、管理者としての操作は何もできない状態でございました。

またそれぞれのIDにおいて複数回のアクセスが確認されております。

その際の認証時スキャンにおいて、IDの使用者が途中別の者に変わっている形跡は確認されておりません。」


「正体はわかっているのか?」


「はい。

三名の内、二名は女性でございました。

その内の一名は、無限書庫計画という研究の被検体でございます。

これは人造で神を模した存在を創り、アカシックレコードシステムへアクセスし、操作することを目的としておりました。

しかし研究は途中で中断したようで、被検体の女性が行方不明となったところで記録が途絶えております。

その後、研究自体が破棄されております。」


「その無限書庫計画とやらには疑問が三つある。

一つ目、研究を主導した者は、どうやってアカシックレコードシステムの存在を知ったか。

二つ目、何故被検体のその後が記録に残っていないか。

三つ目、研究が破棄された理由は何か。」


「順番にお答えいたします。

まず一つ目の答えでございますが、研究の背後に、頻繁に正規のIDでアクセスをしてくる者がいたから、でございます。

おそらく現在利用しております設備に不満を持っているからと推測いたします。

これは使用している観測室が旧式であるため、操作性やスペックの不足を補うためと思われます。」


「既に存在することのありがたみを忘れ、より高性能、高品質を求める。

持つ者の強欲ゆえ、か。」


「私も主様の予想に同意いたします。

次に二つ目の答えでございますが、被検体の女性が外宇宙に向けて複数回のランダム転移をしたため、でございます。

こちらも、頻繁に正規のIDでアクセスをしてくる者によって意図的に行われております。」


「転移、それも外宇宙へとなると、アカシックレコードシステムの記録に残らないのも当然か。

アカシックレコードシステムの記録範囲は、私が知る仕様では月軌道まで。

つまりその被検体は、不測の事態や本人の意思で行方不明になったのではなく意図的に破棄された、というわけだな。

余程研究の痕跡を残したくなかったようだ。」


「その通りでございます。

その理由がもう一つの疑問の答えにつながるのでございます。

三つ目の答えでございますが、新たな観測室がアカシックレコードシステムの干渉を受けて管理下に置かれる、と勘違いしたからでございます。」


「勘違いとはどういうことだ?」


「順を追ってご説明いたします。

切っ掛けは、期待した性能を発揮できなかったことでございます。

無限書庫計画では、研究の終盤ではアカシックレコードシステムへのアクセスができておりました。

しかしそこに至るまでにかかる時間とコスト、それに対する各性能が見合っておりませんでした。

その所為で研究を進める内に、あることに気付いたのでございます。

それが、アカシックレコードシステム側から被検体を通して膨大な量の情報が相互通信されていたこと、でございます。

本来であれば気付かぬ内に一瞬で終わる情報のやり取りが、処理の遅さからかなりの時間がかかっておりました。

このことに疑問に思い調べた結果、被検体とそれに関する膨大な情報が、アカシックレコードシステム側へと送られていたことに気付いたのでございます。

これに危機感を感じたようでございます。」


「つまり、いつか自身につながる情報が漏洩するかもしれない、と考えたわけか。」


「おそらく間違いございません。」


「実際にはどうなんだ?」


「観測室でアカシックレコードシステムを管理できるようにする場合、様々な情報を事前確認する必要がございます。

これはセキュリティの観点から、必ず毎回行っております。

どうやらこの確認作業を干渉されたと勘違いしたようでございます。

実際には観測室の情報を分析、最適化することで、最も適した状態での運用を可能とするための作業でございます。

アカシックレコードシステムから観測室に干渉するような仕組みはございません。

開発に関わっていない者にはわからないのも当然でございます。

これにより身の危険を感じたようで、早々に研究を断念したのでございます。

また既に被検体が干渉されたと勘違いしたことで、痕跡を残さずに破棄したようでございます。」


「自身の保身のためなのだろうが、何とも間抜けな話だ。

ただ被検体にとっては迷惑以外の何者でもないだろうがな。

しかしそうなると新たな疑問が出てくる。

何故現在使用している観測室は、干渉を受けていないと断言できたのかだ。

そうでなければ今も使い続けることなどできないはずだからな。」


「どうやら使用している観測室が、独自の隔離空間に存在していることが原因のようでございます。

更に旧式であることも合わさり、現在まで使用して何も問題無いことから、干渉の恐れは無いと確信しているようでございます。

これに関しましては、何故か絶対の自信があるようでございます。」


「その根拠は、アカシックレコードシステムの記録に残っていないから、だろうな。」


「その通りでございます。

実際には権限が低すぎて閲覧できないだけなのですが、何とも浅慮なことでございます。

自身が使用する観測室からのアクセスだけは、情報を得るだけの一方的なもので安全だと勘違いするなど。

だからこそ常に管理ログに記録されていることに気付かずに使用し続けているのでございますが。」


「アカシックレコードシステムから観測室へは干渉していないのではなかったのか?」


「干渉はしておりませんし、できない仕様でございます。

ただし下級IDでは、管理ログに記録されていることだけでなく、その存在すら報告義務が無いだけでございます。」


「自分だけがアカシックレコードシステムを支配していると勘違いしているのだろうな。

実際にそうでは無いと気付かず、更には自身の情報が裏で記録されているなど、微塵も思ってもいないのだろう。

典型的な愚者だな。」


「まったくもってその通りでございます。

こちらに関しまして私からは以上になりますが、何かご質問などございますでしょうか?」


「無い。

次だ。」


「承知いたしました。

続きましてもう一名の女性ですが、こちらのアクセスは先程の無限書庫計画が行われた時代よりも、更に前の時代のことでございます。

ただアカシックレコードシステムを使用する目的ではなく、稼働の確認を行っていたように思われます。」


「それはアカシックレコードシステムの状態を確認した可能性が高いな。」


「私も主様と同じ意見でございます。」


「アクセス場所は把握しているのか?」


「もちろんでございます。

アクセスは複数回、それも複数の場所から確認しております。

しかし現在、それらの観測室から情報を得ることは不可能でございます。」


「どいうことだ?」


「そのどれもが、現在使用不可能だからでございます。

長い年月の経過による経年劣化と風化によって、観測室としての機能を維持できなくなったようでございます。

更に土砂に埋もれてしまい、存在自体が忘れ去られております。」


「周囲の環境は仕方ないとして、観測室の耐用年数は短いのか?」


「いいえ、そうではございません。

これは定期的なメンテナンスや部品交換などを怠ったことと、地上に存在していたことが主な原因でございます。」


「定期的なメンテナンスと部品交換を怠ったことが原因の一つというのはわかる。

だが地上に存在していたことが原因というのはどういうことだ?」


「わからない者にとっては、ただの建造物だからでございます。

そこが観測室であると知り、アカシックレコードシステムにアクセスできる権限と資格を持ち、使用方法を知る者。

その者だけが、真の価値を見出せるのでございます。

それ以外の者にとっては、使いづらい建造物以外の何者でもございません。

ですので、場所によっては既に何も残っておりません。」


「建造物が放置されればいつかは朽ちるが、その逆もまた然りということだな。

見方が変われば、その価値も違う、か。

確かにその通りだ。

しかし朽ちる前に真の価値に気付いた者が現れた。

何者だ?」


「かつて空中都市エデンの園に存在した者の情報の中には、該当する者はおりませんでした。

わかっているのは、個体名と性別が女性であること、そして現在も存命であることでございます。

当然居場所も把握してございます。」


「改めて確認するが、その者は彼女では無いのだな?」


「はい、肉体と精神は同一人物だと断言できるだけの情報一致に至りませんでした。

その女性が創造主である可能性は、50%未満でございます。」


「待て!」

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