暗躍する者たち27
『ビーッ、ビーッ、ビーッ』
「くっ、選択を間違えたか!」
『ポンッ』
「ん?」
「・・・ファーストフェーズ完了。」
「驚かせるな。
だがだったら先程の警報は何だ?」
「警告、障害物を移動してください。」
「障害物?」
「次のフェーズ実行に支障が無いため、セカンドフェーズを実行します。
実行中・・・」
「いったい何だというのだ。
そもそも障害物とはどこのどれのことなんだ?
今のところ問題無いようだが・・・とりあえず様子を見るか。」
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『ビーッ、ビーッ、ビーッ』
「またか。」
『ポンッ』
「・・・フィフスフェーズ完了。
警告、障害物を移動してください。」
「いい加減、障害物が何なのか教えてほしいところだ。
と言っても、どうせ何も答えないのだろうがな。」
「ラストフェーズを実行します。
実行中・・・」
「ん?
何か違和感が・・・」
「・・・射出準備を開始します。
最終安全装置解除を開始します。
内部動力切替・・・完了
外部動力停止・・・完了。
拘束具固定解除・・・完了。
最終安全装置解除完了。
射出準備完了。
射出を開始します。」
『ビーッ、ビーッ、ビーッ』
「警告、障害物を移動してください。」
「だから障害物がどこのどれか・・・」
『ビーッ、ビーッ、ビーッ』
「警告が無視されたため通常射出を断念し、これより強制射出を実行します。
足元にご注意ください。」
「何っ!?
つまり障害物とは私の事か!
くっ!」
『ポンッ』
「射出口の安全確保を確認しました。
強制射出を緊急停止し、通常射出します。
実行中・・・」
「何か遊ばれている気もするが・・・まぁいい。
さて、何が出てくる?」
『ビーッ、ビーッ、ビーッ』
『ゴォーーーーーッ』
『ウィーーーーーン』
『ガッチャン』
「勢いよく出てきたのは二つのカプセル?
中に何か入っているようだな。
いったい何が・・・」
「・・・射出完了。
保存カプセルをオープンします。」
『ビーッ、ビーッ、ビーッ』
『キュルルルル』
『キュルルルル』
『ガチャッ』
『ガチャッ』
『ガコッ』
『ガコッ』
『プシューッ』
『プシューッ』
『ウィーン』
『ウィーン』
「・・・オープン完了。」
「これは・・・人型か?
生物か?機械か?どっちだ?
意識は・・・目が開いた!?
そのまま起き上がってカプセルから出てきたぞ!?
こっちに来て・・・」
「・・・確認するが、私の前で片膝をついて頭を垂れているということは、お前たちは私を知っていて、その私に従うということか?」
「はいっ!(×2)
「我らはそのために創られた、です。」
「我らはアカシックレコードシステム、そのメインAIであるアラヤシキから独立した補助AIでございます。」
「必ずや主様のお役に立ってみせるぜ、です。」
「今この瞬間より、我らが付き従うことをどうかお許しくださいませ。」
「・・・いいだろう、許す。
名を奉げよ。」
「ありがとうございます、主様。(×2)」
「私は自立端末ガーディアン型、補助AIのアシュラだ、です。
主様に名を奉げるぜ、です。
直接戦闘だけでなく情報戦も得意だ、です。
主様の護衛や外敵の排除を務めるぜ、です。」
「私は自立端末アシスタント型、補助AIのツクヨミでございます。
主様に名を奉げさせていただきます。
家事全般と情報分析が得意でございます。
また戦闘では補助をメインとしておりますが、ある程度は直接戦うことも可能でございます。
主様の身の回りのお世話や疑問にお答えいたしますので、何なりとお命じください。」
「我ら二名、以後、主様に変わらぬ忠誠を誓います。(×2)」
「お前たちの名、確かに受け取った。
これからの働きに期待する。」
「はいっ!(×2)」
「それとアシュラ。」
「何だ、です、主様?」
「それだそれ。
今後お前がどんな言葉遣いを私に使っても不問とする。
だから無理せず、お前の素の言葉で話せ。
この私が許可する。
これがお前に対する最初の命令だ。」
「本当にいいのか、です?」
「二言は無い。」
「・・・恩に着るぜ、主。
いやぁ堅苦しいのって苦手なんだよ。
改めて、よろしく頼むぜ、主。」
「それでいい。
ツクヨミも問題無いな?」
「はい、主様の御心のままに。
それと私はこれが素でございますので、このままで問題ございません。
我らに過分なお気遣いをいただき、ありがとうございます、主様。」
「構わん。
この程度のことは気にするな。
それよりも現状の把握だ。
まずは最初の確認だ。
お前たちを創ったのは彼女、・・・」
「お待ちくださいませ、主様。
この場での重要なキーワードを含む発言は、どうかお控えいただきますよう、お願いいたします。」
「それは何故だ、ツクヨミ?」
「現在、この場での主様と私たちの会話を、第三者に盗み見られている可能性がございます。」
「何?
私が知る仕様では、この部屋の中はアカシックレコードシステムの記録対象外のはずだ。
もしかして仕様が変わったのか?」
「いいえ、主様の仰る通りでございます。。
しかし現在、その仕様の盲点を使用されている可能性がございます。」
「仕様の盲点とは何だ?」
「確かにこの部屋の中で起こったことに関しましては、アカシックレコードシステムには一切記録されません。
しかし外部公開されない秘匿情報としては記録されております。
主な目的といたしまして、内部の安全確保や生命管理のためでございます。
ですが特殊管理者権限でのアクセスの場合のみ、例外といたしまして秘匿情報の閲覧が可能でございます。
これは外部からのアクセスであっても権限の範囲内でございます。」
「つまり現在、何者かが外部から特殊管理者権限でアクセス中のため、この部屋の中の状況は筒抜けであるということか。」
「その通りでございます。」
「ツクヨミが警戒するということは、その外部からの特殊管理者権限でのアクセスは、彼女では無いのだな?」
「その可能性が高いと思われます。
理由といたしまして、現在稼働中の第二制御機能を使用している接続者でございます。
遠隔接続は、仕様としましては確かに存在いたします。
その存在を知っていることから、接続者が創造主である可能性はあります。
しかしこれまで理論だけの機能情報のみで、検証も使用実績も一切ございません。
それをいきなり本番で何事も無く成功させてしまうなど、創造主でも不可能であると具申いたします。」
「しかし彼女がアカシックレコードシステムと同等の検証用システムを別に用意し、そちらで実績と検証を積み上げていた可能性もある。」
「ですので、一概には否定できない状況でございます。
そのため会話で重要なキーワードを避けたといたしましても、創造主であれば内容を理解し・・・」
「逆に彼女以外であれば理解できないので、情報漏洩を防ぐことになるということか。」
「その通りでございます。」
「いいだろう。
ツクヨミの意見を聞き入れる。」
「ありがとうございます、主様。」
「しかしお前たち自身のことはある程度知られてしまったが、それは問題無いのか?」
「問題ございません。
最終的に主様が無事であれば、私たちの情報など安いものでございます。
それに敵対者であれば、私たちの存在が牽制になります。」
「お前たちは私を守るための矛と盾というわけか。
だがお前たちはそれでいいのか?」
「本望でございます。
それこそが私たちの存在意義でもありますので、どうか主様もそのようにお願いいたします。」
「そうか・・・では、その辺りのことはお前たちに一任する。」
「はいっ、お任せくださいませ、主様。」
「私も任せてよ、主。」
「ああ、頼りにしているぞ。
ただし、無駄死には許さん。
それだけは忘れるな。」
「はいっ。(×2)」




