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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第20章 探求と暗躍
382/407

暗躍する者たち26



















































『ピーーーッ、ピーーーッ、ピーーーッ』


「第一制御カプセル内ユニットの意識覚醒を検知。

意識レベル上昇中・・・覚醒完了。

待機中・・・」






「・・・ふぅーーーっ・・・ようやく解放されたか。

ところで、何故私はアカシックレコードシステムの第一制御カプセル内でユニットになっていたんだ?」




「・・・駄目だ、記憶がハッキリしない。

頭の中に靄がかかっているような感じだ。

そもそも私が覚えている限りでは、アカシックレコードシステムは開発途中で、テスト稼働がやっとだったはず。

しかし今はどこからどう見ても、正式稼働している。

これはどういうことだ・・・」




「・・・駄目だ、すぐには思い出せそうもない。

いったい何が起こって、どうして今私はここにいるんだ?

私はこれからどうすればいい・・・」




「・・・駄目だ、考えがまとまらない。

こうなったら、できることを一つずつやっていくしかない。

まずは情報を整理するか。

今わかっていることは、アカシックレコードシステムが正式稼働していること。

それと私が第一制御カプセル内でユニットになっていたこと。

この二つだけだ。

他に覚えていることは・・・」




「・・・今のところ無いな。

だが少しだけ頭の中の靄が晴れた気がする。

この調子でいけば何か思い出せそうだ。

では次は・・・」




「・・・私の置かれている状況の把握だ。

ここは出入り口が見当たらない部屋の中だ。

見える範囲にあるのは・・・私が今迄入っていた第一制御カプセルと、隣に第二制御カプセルだけが置かれている。

外界と隔離するために、他には何もない。

ここまではアカシックレコードシステムの設計仕様にあった通りだが・・・」




「・・・問題は第二制御カプセルだ。

中には誰も入っていないが、どうやら稼働しているようだ。

これはどういうことだ?

私が知るアカシックレコードシステムに、このような仕様は無かったはず・・・」




「・・・だが一つわかったことがある。

第二制御カプセルが稼働したことで、私は第一制御カプセルから出られたということだろう。

身体の衰弱具合から見ても、相当長い年月の間入っていたはずだ。

しかしこの状況の原因を特定するにしても、今私がいるこの環境下では、それを調べる術が一切無い。

できるのは、せいぜい状況を整理して推測するくらいだ。

何か情報を得る方法は無いか・・・」




「・・・少し思い出したぞ。

確かアカシックレコードシステムには、隠し機能で補助AIが実装される予定だった。

そして設計段階では、音声コマンドで起動できるようになっていたはずだ。

しかし私は設計には関わっていたが、実装には関わっていない。

存在は知っていても、起動方法はまだ知らされていなかった。

起動方法はいったい何だ・・・」




「・・・駄目だ、思いつかない。

考えていても仕方ない。

とにかくいろいろ試してみるか。

まずは部屋の中に隠された部分が無いか確認だ。

隠し扉や隠しボタンなど、少しでも私の記憶に無い仕様の痕跡を探す。」


   ・

   ・

   ・


「・・・ハァッ、ハァッ、ハァッ、駄目だ、一通り思いつく場所を探してみたが、何も見つからない。

これ以上物理的に探すのは、目覚めたばかりの今の体力では難しい。

一度保留にして、他の方法を考えるしか無い。

今の私の体調の範囲内でできるのは・・・」




「・・・生体認証があるな。

だが先程の探査で、直接いろいろな場所を見たり触ったりしたが、何も反応は無かった。

他の生体認証は・・・」




「・・・そうだ声、声紋認証があるな。

しかし今もこうして声に出して喋っているが、何も反応が返ってこない。

となると、特定のキーワードをコマンドとして使用している可能性が高い。

試してみる価値はあるな。

・・・ヘルプ、説明求む、検索開始、回答を。

・・・起床、起きろ、覚醒、目覚めろ。

・・・隠しコマンド入力開始、秘密コマンド入力開始。

・・・補助AI起動、ヘルプ起動。

これでどうだ?」




「・・・どれも無反応、駄目か。

やはりそう単純ではないようだ。

考えろ・・・もし私が実装した場合に何をキーワードとするかを・・・」




「・・・そう言えば補助AIには名前があったはずだ。

しかし正式稼働時に披露するまで、開発者によって秘匿されていた。

間違いなく彼女なら、自分が好きな名前を付けるだろう。

であれば私ではなく、彼女の趣味嗜好を読み取る必要がある。

彼女なら補助AIにどのような名前を付けるか・・・」




「・・・あまり難しく考えても仕方ない。

とにかく彼女が好きそうな名前を片っ端から試してみるか。

・・・アリス。

・・・イデア。

・・・ヘルメス。」




「・・・どれも無反応か。

ならばネタが尽きるまで続けるのみ。

・・・メルクリウス。

・・・」


   ・

   ・

   ・


「・・・メーティス。

・・・オモイカネ。

・・・サラスヴァティー。

今度こそどうだ?」




「・・・どれも無反応、これでも駄目か。

今ので私が思いつく彼女が好きそうな名前はネタ切れだ。

いったいどうしたものか・・・」




「・・・待て、彼女が素直に、誰もが簡単に思いつくような名前を付けるか?

いや、付けないだろう。

そうなると、多少のアレンジやひねりが加えられている可能性が高い。

それでいて私でも思いつく名前か、もしくは私にだけ伝えた名前にするはず。

私が彼女であれば絶対にそうする。

思い出せ、これまで私が彼女と会話した一言一句を・・・」




「・・・そう言えば一度だけ、意味のわからない秘密保持契約を結ばされたことがあったな。

あのとき彼女は頑なに、私へ秘密厳守させるために一歩も譲らなかった。

何故そこまでする必要があるのか不明だったが、まさか今のような不測の事態を想定してのことだったのか?

いや、それを考えるのは後だ。

今はあのとき何を秘密保持扱いにしたのかを思い出さなければ。

あれは・・・」




「・・・そうだ、もし子を産んだ際、その子に付ける名前の話だった。

しかしどうして名前を秘密にしたいのか、それと順番が重要とか訳のわからないことを言っていたことも、当時は疑問でしかなかった。

確か内容は・・・子が男性なら、シラキ、女性なら、アヤ。

それと双子だった場合を想定して、それぞれ、アキラ、シヤ。

更に三つ子だった場合を想定して、それぞれ、アラヤ、シキ。

だがこれがいったい何なのだと・・・」


『ビーッ、ビーッ、ビーッ』


「何事だ!」


『ポンッ』


「特殊条件を満たしました。

これにより最重要音声コマンドの発令を確認しました。

実行するにはコマンド発令者をフル生体スキャンし、登録済み生体情報との比較が必要です。

許可しますか?」


「・・・無反応から一転、反応が返ってきたのはいいが、現時点では彼女が仕組んだことかどうは不明だ。

これは光明で解決の糸口なのか、それとも暗雲で罠なのか、判断に迷うところだ。

もう少し情報がほしいところだな。

ならば・・・答えろ、最重要音声コマンドとは何だ?」


『ブーッ』


「関係の無い質問には答えられません。

許可しますか?」


「その最重要音声コマンドを仕込んだのは誰だ?」


『ブーッ』


「関係の無い質問には答えられません。

許可しますか?」


「どの言葉が最重要音声コマンドだ?」


『ブーッ』


「関係の無い質問には答えられません。

許可しますか?」


「特殊条件を満たしたとはどういうことだ?」


『ブーッ』


「関係の無い質問には答えられません。

許可しますか?」


「・・・こちらからの質問は一切拒否か・・・であれば選ぶ選択肢は一つしかない。

許可する、だ。」


『ポンッ』


「コマンド発令者からフル生体スキャンの許可を確認しました。

未使用の第一制御カプセルを使用してフル生体スキャンを行います。

コマンド発令者は第一制御カプセルに入ってください。

待機中です・・・」


「・・・これまでのやり取りから、やはりフル生体スキャンを受けるしか、この先に進む方法は無いということだろうな。

どうする、カプセルに入るか、入らないか・・・」




『ポンッ』


「特殊条件を満たしました。

情報が一つ開示されます。」


「何?どういうことだ?」


『ブーッ』


「関係の無い質問には答えられません。

最重要音声コマンドの発令者がフル生体スキャンの許可を選択した場合、事前に次の言葉を伝えることになっています。

・・・何事も最初の一歩を踏み出さなければ何もはじまらない。

・・・例えどんな苦難や困難が待ち受けていようと、最後まで立ち止まることも後ずさることもせず、常に前を見て進むだけ。

・・・もし志半ばで朽ちるときは、前のめりに倒れて信の置ける次代に必ずつなげる。

・・・以上です。」


「なるほど、私だけが知る彼女の真の座右の銘か。

それをこのタイミングで伝えてくるということは、相手が私であると彼女が想定しての事である可能性が非常に高い。

どうやら彼女には私の心境はバレバレのようだ。

これは間違いなく迷う私の背中を押すためであることは明白。

であれば、入る以外に選択肢は無い。」




『ポンッ』


「・・・コマンド発令者が第一制御カプセル内に入ったことを確認しました。

カプセルのカバーを閉じます。

実行中・・・カバーを閉じました。

フル生体スキャンを開始します。

実行中・・・しばらくお待ちください。」






「・・・完了。

フル生体スキャンが正常に終了しました。

カプセルのカバーを開きます。

実行中・・・カバーを開きました。

第一制御カプセルから出てください。

待機中・・・」




『ポンッ』


「・・・コマンド発令者が第一制御カプセルから出たことを確認しました。

取得情報保持のためカプセルのカバーを閉じます。

実行中・・・カバーを閉じました。

フル生体スキャンした内容と登録済み生体情報の比較を開始します。

実行中・・・しばらくお待ちください。」


「ここまでは何事も無く終わったな。

問題はこの先だが・・・」






「・・・完了。

フル生体スキャンした内容と登録済み生体情報の比較が終了しました。」


「結果はどうだ?」


「コマンド発令者のフル生体スキャンした生体情報が、登録済み生体情報と誤差範囲内で一致しました。

最重要音声コマンドの実行を開始します。

実行中・・・」


「さて、これが吉と出るか凶と出るか・・・どっちだ?」

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